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電子書籍という選択

電子書籍元年

2010年に日本では『電子書籍元年』と言われ、kindleなどの電子書籍が多く販売されてきました。

紙の本よりも断然、出版しやすいという事もあり、著者、ライター、作家も多く生まれました。

紙の本は印刷、製本しなくてはいけないため、ハードルが上がってしまうんですね。

電子書籍しか読まない、という人も多くおられ、今では紙の本に並んで、多くのユーザーであふれています。

では、紙の本はこのまま廃れていくのでしょうか。

私は、そうは思いません。

紙の本は、経費がかかり、手間もかかるためコストが上がってしまいます。

ですから、出版に関わる人々を豊かにかしてくれません。

ですが、手に取った人々に心を豊かにしてもらうには十分な存在です。

紙の本は、気持ちを豊かにしてくれます。

紙なので、ぺらぺらと何の気なしにめくることで、思考が育まれます。

紙なので、鉛筆でもボールペンでも書き込むことが自由にできます。

書き込むことで、思考を整理できます。

このように、紙はデジタルよりも勝る部分が数多く存在します。

しかし今後、デジタルの進化によって、紙とデジタルの境界線は無くなってくるでしょう。

書き込むことも、何の気なしにめくることも、ぺらぺらとめくる肌触りまで、紙にもっと近いものが出来てくるかも知れません。

先日、私はイベントに参加するため、『紙の温度』さんという紙の専門店に行ってきましたが、そこでこの答えをみつけました。

デジタルと紙の一番の違いを。

『紙にはその独特な匂い(香り)がある』

というものです。

この香りが、安心感を与え、手に取るだけで、読まなくても心を安らかに保ってくれるのです。

ですから、紙には『ひきつける魅力』があるのだと感じました。

紙の匂い、書店でもかぐことが出来るこの匂いは、気持ちを安らがせるため、書店に行くとトイレを催す方が多いのだという研究結果もあるそうです。

安心する匂い、もしかしたらそれさえも、デジタルで解消できるのかもしれません。

そうしたら、私たちも『紙からの卒業』を考えなくてはいけない。

でも意外とそんな日も近いのかも、知れません。

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尾崎コスモス/小説家新人賞の卵
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