英語ライティングで重点を置くべきこと
「日本人の英語ライティングの特徴」の記事の続きです。
その記事はこちら☟
日本人のライティングの特徴として挙げられたのは,
① 文法的なミスは少ない
② 型にはまっている
③ 一応読めるが内容が薄い
というものでした。
まず,①ですが,特にミスが目立つのは,同格 that と関係詞の用法の混同や,冠詞の有無や数の概念に関するものが多いようです。冠詞については日本人にとって非常に難しいですが,基本的な可算名詞や不可算名詞については間違えないよう意識させるべきだと思います。
次に②ですが,前回の記事では,
I think… / I agree [disagree] with…
↓
I have three reasons.
↓
First, / Second, / Third, …
↓
In conclusion, / From these reasons…
という型が多いことが推察されました。これは,英検や大学受験用の自由英作文の参考書などの多くで,このような型で書くことが推奨されていることが原因だと考えられます。
学生の英作文を見ていても,「自由」英作文のはずが,全然「自由」に書かれておらず,だんだん飽き飽きしてしまうのは,私だけではないのではないでしょうか。
ときに,型を教えることも大事かもしれません。しかし,型に終始するのは良くないでしょう。
最後に③です。これは非常に気になる点です。書けていたとしても,
まったく一貫性がなく,内容がちぐはぐのもの
自分の体験に基づき,一般的にも当てはまると結論づけるもの
などは非常に多いです。
ひどい場合には,
書く内容が思いつかない
ということもあります。けっこう多く,指導の際も非常に苦労する部分です。
他のアジアの国の英語ライティングでは,日本人とは逆です。つまり,
「型」ではなく「内容」のある英語を書く
ということです。ここから日本の英語教員は何かを感じとらなければならないでしょう。
以上の点から,英語のライティング指導では,
内容を膨らませる
ことにもっと重点を置くべきなのではないかと思います。英語で考える前に,しっかりと日本語で
思考し,アイデアを出す
訓練が求められるのではないでしょうか。
型を教える前に,
書く内容を充実させ,論理的に伝える力
をつけることが重要です。それができれば,型を教えなくても書きながら書き方は学べると思います。また,さまざまな書き方をした解答例を読むというのも勉強になると思います。
文法→型→内容
となりがちな指導を,
文法+内容→実際に書く(必要に応じて型)
ということを意識すれば,日本人の学生の英語ライティングは変わってくるのではないでしょうか。
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