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教員の働き方について①

 前回引き続き,『教育論の新常識』(中公新書ラクレ)にあったタイムリーなテーマを考えたいと思います。

教員の働き方


に関するものです。これは,教員だけでなく,小中高に通うお子さんをお持ちの方も考えるべき問題だと思います。なぜなら,「教員の働き方」に関する問題は,教員だけの問題ではないからです。

 現実問題として,現在,教員志望の学生は減っています。その理由は,

労働環境


が大半を占めています。さまざまなニュースを見ていると,教員の仕事がいかに大変かというのは,みな気づいていると思います。

 本書を読んで感じたのは,

教育現場というのは,伝統を捨てられない


のだろうと感じました。それは,

いい意味でも悪い意味でも


です。「捨てられない」は語弊があるかもしれません。「伝統を変えたくない」のかもしれません。「変化を嫌う場」と言い換えることもできるかもしれません。

 『教育論の新常識』では,「魅惑モデル」と名付け,部活動を例に挙げ,以下のことが述べられています。

ある教育活動にリスク(マイナス)があったとしても、ベネフィット(プラス)をたくさん被せることで、リスクは打ち消されてトータルでプラスになる、と言うのです。(p.252)

 このリスク(マイナス)が,「教員にかかる負荷」である場合には,なおさら,ないがしろにされるきらいがあるのではないでしょうか。

 「昔からやってきているのに,何をいまさら大変とか言っているんだ」「おまえらだってやれよ」なんていう気持ちがあるようにさえ感じます。

 時代は刻一刻と変化していきます。昔と今では,若者の気質にも大きな変化があります。生徒のことを考えることはもちろん重要かもしれません。しかし,教員の労働環境や負担をきちんと考慮に入れた上で,

現状のやり方を変えていく


ということをしなければ,今後教育の質はどんどん低下していくように思います。「今までそれでやっていたんだから大丈夫」なんて考え方は非常に危険でしょう。

 現実問題として,教員になりたいと考える人が減っているのですから…。

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