教育で意識したいこと
ここ十数年,
教育改革
が話題になっています。この教育改革の始まりは,アメリカの国務省で,
同じハーバード大学出身で知能指数も同じなのに、どうして仕事ができる人とできない人がいるのか
教育がおかしいのではないか
ということが出発点だそうです。たしかに,これは日本でも同じことが言えるでしょう。
学歴がいい=仕事ができる
とは限らないでしょう。
マクレランドの氷山モデルというのがあります。
教育学では,この「見える」部分(知識・経験・スキル)を「パフォーマンス」,「見えない」部分(資質・価値観・動機)を「コンピテンシー」と呼びます。
確かに,
「パフォーマンス」をあげることに力点が置かれてきた
ように思います。
たとえば,学校の試験でいい点数をとる,模試でいい偏差値をとるなど,目に見える「成果」で評価されることが多いです。すると,
目先のことができるようになることが重要
だと私たちは考えるようになります。
だから日本ではこれを
大学入試が原因
だと考えることが多いようです。
入試があるから詰込みになる
ということです。そこで,大学に入る前にいろいろな経験を積んでほしいという名目から,推薦枠を増やしたり,様々な入試形態を導入することで,大学入試改革をしようと試みていますが,本当にそれが解決策なのでしょうか?
たしかに,入試に出ることをテクニック的に学んでしまえば,「パフォーマンス」の部分が頭でっかちになってしまいます。しかし,
将来何をしたいのか
なぜ勉強するのか
をきちんと考えさせたり,勉強する際に,
暗記や問題の解き方に焦点を当てるのではなく
物事の原理原則を考え
勉強で学んだプロセスが
どのように日常生活や将来の職業で生かせるのか
が見出せるように指導していくことで,
受験を通じて,コンピテンシーの部分も磨くことができる
と思います。
入試を変えるのではなく,受験や教科指導を通じて,将来につながるような授業を心掛けたいものです。
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