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速読の練習は必要か①

 共通テストでは,大問6題全て長文になります。出題形式も英問英答です。私大の入試もここ10年間の推移を見ていくと,早慶上智をはじめとした難関私大の英文の量は年々増えています。

 このような状況になると,「速読の訓練が必要だ」という議論になりがちです。実際,センター試験から共通テストに変わるという発表がされたときに,「速読の訓練」を授業に取り入れることを検討した学校もあるのではないでしょうか。

 さて,

「速読」の「訓練」って必要なのでしょうか。

ポイントは速読の「訓練」という部分です。

一般的な練習法は,

① 英文と選択型の内容一致問題を用意する
② かかった時間とワード数,正答数からwpm(word per minute)を計算する

ということを繰り返すことで,スピードの変化を見るというものでしょう。

 このような訓練のメリットは,1分間あたりに読める量が視覚化され,モチベーションが上がるということです。また,訓練によって短期記憶の容量が向上するというメリットもあります。

 ただし,英文のレベルが一定レベルを超えるとwpmが伸び悩みます。内容把握がおぼつかないものは記憶できないし,スピードも上がるわけはありません。結局,精読の精度が上がらなければ伸びに限界がきます。一定レベルスピードが上がるかもしれませんが,結局精読に戻らななければならないということになります。

 では,増えつつある英文の量に対処するためにはどうすればいいでしょうか。速く正確に読めるようになるためにはどういう訓練が必要でしょうか。

つづく☟


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