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【レビュー】オードリー若林正恭著「ナナメの夕暮れ」が面白い!【自意識過剰な人必見】

こんにちは、すいっちです。

オードリーの若林正恭さんのエッセイ「ナナメの夕暮れ」が文庫本化しました!

ということで、今回単行本を読み返して感想・レビューを書いてみることにしました。

・「人付き合いが苦手で生きづらいな…」と感じている

・世の中の規範に疑問を持ち、息苦しさを感じている

そんな人にピッタリのエッセイだと思います。

実際に、本書のまえがきで

 生き辛いという想いを抱えていて、息を潜めて生きている人はもしよければお付き合いください。
 毎日が楽しくて充実しているという人は、今すぐこの本を元の位置に戻して、引き続き人生を楽しんでください。

と書いています。僕は前者だったので読み進めました。

生きづらさが完全に解消されるわけではないけれども、緩和する方法はあるんだなと感じました。

生きづらさを感じている人、若林さんのエッセイに興味がある人に向けて、「ナナメの夕暮れ」を紹介していきたいと思います。

このnoteには、次の内容が書いてあります。

・ナナメの夕暮れの概要

・個人的に好きな一節

・個人的に共感した一編

全てを紹介することは難しいので、僕が特に感銘を受けた箇所に絞って、一点集中でその魅力をお届けします!

それでは、ナナメの夕暮れの概要から紹介していきますので、

もしよければお付き合いください。


■ナナメの夕暮れの概要

・雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載されていた短編エッセイをまとめた本+書き下ろしのエッセイ5作を追加収録

・自身の悩み(自意識過剰やコンプレックス)や社会への疑問の吐露とその自分なりの答えに達するまでの過程を記している


若林さんが書いた過去のエッセイ「社会人大学人見知り学部 卒業見込」では、社会への憤りや驚きがストレートに表現されていた印象でした。

しかし、今作「ナナメの夕暮れ」では、良い意味で諦めの境地に達したと僕は捉えました。

世の中の理不尽や自分の”たりなさ”を受け止めたうえで、

「じゃあ自分が生きやすくなるには何をすればいいのか?」を冷静に見据えていると感じました。

まさに「ナナメの夕暮れ」

燃えたぎる”ナナメの熱情”が安定し、穏やかな気持ちで自分の”ナナメ”と向き合うことが出来ている、この境地に僕も早く至りたいなあと思います。

(たぶん、まだまだ先のことになりそうだけど。。)

■個人的に好きな一節

「自意識過剰な人間は、歳を重ねると楽になって若返る。」

これは、本書の「体力の減退」の最後の一文です。この文は、自意識過剰な僕でも、「今後生きていけば、楽になる日が来るのかもしれない」という希望をもたらしてくれます。

若林さんのこれまでの文章や本の内容に共感してきたからこそ、その若林さんが発する言葉は信ぴょう性が高いのです。

元からコミュニケーションを難なくこなして、うまく立ち回ってきた人間に言われたとて、

「まあ、あなただから楽に生きられるんでしょ?」

と感じてしまう。

ただ、自分と同じような悩みで苦しんできた背景を知っているからこそ、若林さんの言葉は響くんですよね。

ちなみになんですけど、

僕はこの「体力の減退」に限らず、若林さんが書く短編エッセイの最後の一文がすごく好きです。最後の一文が作り出す何とも言えない余韻。

このまま読み続けたいけど、ここで終わるのがベストなんだろうな、みたいな。本書を読むさいは、そこにも注目して読んでみると面白いかもしれません。

■個人的に共感した一編

僕が個人的に共感した一編は、「オリジナル」です。

今まで学校の勉強では先生が黒板で書いたことをノートに写し、先生の教えてくれたことや考え方をテストでそのままなぞっていた(そんなに勉強してなかったけど)。そして、部活では上手な先輩の投げ方や蹴り方を真似て練習するように言われた。公式を外側から教えてもらって、それを身につける方法論は知っていた。だけど、公式そのものを自分の内側で作り上げてものを作る方法は誰にも教わったことがなかった。

この部分は、激しく同意しました。共感の嵐です。

ここからは僕の意見なので、軽く読み飛ばしてもらっても構いません。

たしかにテストで点数を取るためには、「公式を外側から教えてもらって、それを身につける方法論」が役に立ちます。

しかし、先行きが見えない不確実な人生を生き抜くという点においては、「公式そのものを自分の内側で作り上げてものを作る方法」を学ぶべきだ、とは誰も教えてくれなかったのです。

ただそれは仕方がないことなのかなとも思います。今までは「公式を内側で作り上げる方法」は必要のないことだったのでしょう。むしろ邪魔だったのかもしれない。

高度経済成長の波に乗り、企業に属して言われたことを忠実にこなす。

このかたちが実現性の高い「成功の方法論」であり、国や社会自体がそういう人材を求めて教育をなされていたと思うのです。

その教育が変わらないまま受け継がれ、不具合が生じてきた今、ようやく変わろうとしている過渡期に入っているのかなと。

たぶん周りの大人たちも公式を内側から作り上げる必要のある社会になるとは思っていなかったのでしょう。

大人たちも「いや、このような社会になるって教えておいてくれよ!」と感じてるのかも。

そういう意味で仕方のないことなのかなと思いました。

何はともあれ、僕は上に書いた理由からこの文章にとても共感したのです。

「オリジナル」に話を戻すと、

内側に公式を作る方法を知らなかった相方の春日さんが、しでかした暴挙が面白かったので、ぜひ本書を読んでみてください。生き様おもしろ芸人の真髄が見れます。

■まとめ

✅このnoteの振り返り!

・ナナメの夕暮れの概要
・個人的に好きな一節
・個人的に共感した一編

世の中に対する素朴な疑問や本当に心から感動したことをつづっているエッセイ「ナナメの夕暮れ」。

世の中をうまく立ち回れず、苦しみもがいている人がいる。そして、それを緩和させるために常に考え続けている人がいる。それを知るだけでも勇気づけられると思います。

生きづらい世の中だと感じている人はぜひ読んでみてください。

「ナナメの夕暮れ」のAmazonへのリンクはこちらから

若林さんの前作のエッセイ「社会人大学人見知り学部 卒業見込」はこちらから

「社会人大学人見知り学部 卒業見込」について紹介したnoteはこちらからどうぞ

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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