ひのはらみめい

精神科の訪問看護をしながら物を書いたり読んだり好き勝手やっています。文鳥が好きです。

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最近の記事

シャンプー

気分で替えて後悔したシャンプーをきょう使い切った。 いつものじゃなくて、私がまだ若くて恋をしていたときに、好きだった人が好んでいたシャンプー。 いつも使っているトリートメントと匂い的に相性が悪くて、使いはじめてすぐは捨てるかどうかかなり迷ったけど生来の貧乏性が勝って今日使い切るまで毎日使い続けていた。 使ってみれば案外カラーとの相性が良くて、前はすぐに金髪化していたのに今回のシャンプーとコンディショナーだとそういうことがない。ちゃんと潤いも維持されていたし何ら困ったことはなか

    • 今日のところは僕が1番最高だってことにしてくれ

      Kotoba Slam Japan2024東東京大会、お疲れ様でした。 優勝しました。 5年連続全国大会出場ですが、なんだか自分でもよくわからない、執着という名の狂気みたいな感じがします。 ほんとにお世辞でもなんでもなくひとりひとりの詩がすごく沁みて、でもなんとなく「良かったです」みたいな気の利いた言葉にならなくて、会場でもうまく話せなかったし頭パンクしてたから終わった後すぐに帰ってしまいました。 詩に限らず音楽でも演劇でも映画でも、いいものを見ると頭がパンクしてこのままあっ

      • 本の話

        まとまった文字数で本のことを書こうと考えていたらnoteに「読んだ本について書いてみましょう」って言われて、なんでバレたんだろう、と、ちょっと怖くなりつつ書く。 過去。 図書館にいるしかなかった平日昼間。 あのとき、黒い犬に振り回されて噛み殺されそうになっていたとき、救ってくれた本のことをいまでもときどき思い出す。 般若心経の現代語訳と、枡野浩一の「寂しいのはお前だけじゃな」と、伊集院光の「のはなし」シリーズ。 いつものじゃ駄目だった。元気な時は、サブカってて残酷で刺激

        • あなたの趣味はなんなの?

          「趣味はなんなの?」「どんな小説書いてるの?」が、むちゃくちゃ返答に悩み時間がかかりまくる質問ツートップであります、の話。 趣味を伝えようとすると、得意分野?とか専攻?みたいなものが頭に浮かぶ。惹きつけられて、興味あってちょっと詳しい分野というか。いやでも専攻と言えるほど学問的に深めているわけではなく、ただ気になったらちょっと読み漁ったりあちこち言ってみたりするだけで、それこそ、命懸けでない方のライトなものでしかないのだけれど。たぶん、胸張って好きと言うにはある程度「把握」

          なんでそんなに自信があったんだろう。

          なんでそんなに自信があったんだろう。 なんとかなると思ってた。なんとかなると思うので精一杯で、たぶん毎日台風みたいな自分の脳内のいろいろをやりすごすので精一杯で、いそがしくて、とりあえず深く考えずに「ほしい」と思ったら近づいて、抱きしめて、「なんとかなる」と思ってたんだろう。 将来をきちんと見越して悲観していれば、多分看護師にはならなかった。「体が不自由になるかも知れない、そしたら看護師なんてできない」とかって、思いもしなかったのだ。それどころじゃなかったから。好きな男と

          なんでそんなに自信があったんだろう。

          あたらしいさんすう

          小学校とかの教科書のタイトルに「あたらしい」がつくことが謎すぎて、何と比べてあたらしいんだろうといつも思っていた。なんでそんなことをきゅうに思い出したかというと新しくて軽いパソコンを使い始めたから。長い文章でもかいてみるかと思ってタイピング練習がてらTwitterに入りきらなさそうなつぶやきをここに意味なく散らしてみようと思ったのだった。 愛情が濃い人や内省的な人の文章にすごく惹かれてしまう。ついつい読んでしまう。どうしてこんなにも文章が上手なんだろう。たぶん頭の中で「こと

          あたらしいさんすう

          地元の映画館がなくなる

          地元の映画館がなくなる。寂しい。受験をとりあえず終えて、まず行ったのは映画館だった。「マリーアントワネット」。初めて一人で映画を観た日だった。その日、映画に行くということも、行ったということも誰にも言わなかった。私が親の許可や干渉なく一人で好きなことをした、初めての日。独立記念日。 子供の頃、映画館の外の階段の下まで並んで幼馴染とその母親と3人でポケモンの映画を観た。幼馴染の男子は3歳の頃からの付き合いで近所の子だったが、いつも意地悪をするので大嫌いだった。妹を不慮の事故で

          地元の映画館がなくなる

          2/17、新宿の目自動筆記

          イベント梯子して頑張った気になったので新宿の目に挨拶に行ってきた。目は埃をかぶっていた。瞳の中のひとつひとつの模様に指を這わせて泣いた。少し叩いても光りもせず叩く音も地下に吸い取られていった。当然回ったり別の部屋に続いてるわけでもない。 でもこの目は、わたしが愛する場所に置いてきたわたしのもうひとつの目なのだと、わたしは信じてやまない。この目にふれるたび、わたしは何かを見るのだ。見つけるのだ。見出すのだ。なんでもっと早く思い出さなかった?鳩は寝る時間を過ぎても黒い顔で夜歩き

          2/17、新宿の目自動筆記

          笑えるほどシに取り憑かれていた

          あまり自分の創作活動以外での身の回りのことを身元が特定できる形で言わない方がいいのだけれど、今年後半は仕事的に地盤がグラグラ、毎日ヒヤヒヤ、ドタバタ、であった。自分のメンタルとかからだとかが原因で自分の仕事環境がグラグラすることは経験あったけれど、今回は自分個人のことじゃなかったので新鮮に真っ暗な戸惑いと船酔いの中を彷徨っていた。 脳がいつでも120%フル回転、気分は諸葛亮孔明。どうしたら自分や自分が守りたい人が安全でいられるか、そのために闘っていた。 KSJ、Kotob

          笑えるほどシに取り憑かれていた

          12月1日、

          ああわたしがこのあたりで働き始めて、3回目の12月1日がきました。初めての12月1日は、まだ傷ついていて、今より6kgくらいは細くて、おどおどしていたわね。教会のバザーで母かおばさんが買ってくれたみどりいろのコートにくるまって、小さなねずみみたいに、部屋の隅で低い丸太に腰掛けて。 その頃のわたし、何もわかっていなかったわたし。とりあえずいい子のふりをして、他人への恐怖を隠して笑顔で接して、好きもしくは怖いと思えば一生懸命懐いて、自分を犠牲にして、一切の他者からの求めに断りを

          セイレーンは歌を歌う

          セイレーンは歌を歌う 涙を流しながら 悲しい時つらい時寂しい時に セイレーンは歌を歌う セイレーンは自分のために歌を歌う 誰にも聞かせない 自分だけのための歌 かつてこの歌声は多くの人を癒し 多くの人に愛された 唯一無二の歌声であった ただセイレーンに感情を寄せるあまり 憎しみをぶつける者も少なからずいた もっと悪いことに セイレーンのうちなる喜びは 承認という薬物が歪に肥大させて セイレーンの心をことあるごと乱した 誰かに聞いてもらえる歌こそ価値があって 誰も聞いてくれ

          セイレーンは歌を歌う

          デッサン#2 外干しのオダギリ

          仕事が終わって疲れ果てた状態で駅から家までの道を歩いていると、かならず目に入る場所がある。 白っぽいざらざらした外壁の二階建て、横に長い小さめのアパートの一室のベランダ。 一階のはじっこのその部屋にはだいたいいつも洗濯物が大胆に外に干してある。 狭いけれど二車線はある道路に面しているアパートだ。その部屋のベランダから少し手を伸ばせば、外を走る車の窓から顔を出す犬の鼻にタッチできるだろう。私だったら絶対ここに住んでも洗濯物を外に干さない。なぜかって、干したそばから飛ばされるにき

          デッサン#2 外干しのオダギリ

          デッサン#1 絵里ちゃん

          アパートの反対側の端っこの部屋に住んでいた若い女の子が引っ越した。 その子は私が住む前からもうすでにそこにいて、名前を絵里ちゃんといった。 絵里ちゃんは置き配を好んだ。 私が絵里ちゃんの名前を知ることになるのも、置き配の箱にちんまりと宛名が書かれていたからであった。風に飛ばされて共用廊下をスライドしてきたアマゾンの箱を絵里ちゃんの部屋の前までこっそり運んでやったことで、私はそっと、絵里ちゃんの名前を知った。 絵里ちゃんはたまに部屋の中でひとりで歌を歌っていた。のびやかで歌手み

          デッサン#1 絵里ちゃん

          ここにたしかにツタヤが

          ここにたしかにツタヤがあったんだよ 何年か前に潰れてしまったけれど 家から30分かけてここまでよく歩いたよ 建物の上につづく短い斜面を上ると駐車場があるんだ 今は外の形だけまもって お菓子も売ってるドラッグストアになってる ここにはほんとうによく来たよ 仕事を終えて晩御飯を終えたあとの散歩で ぐんぐん歩いているうちにいつのまにか着いてしまうんだ 必ず同じ道を通ってしまうので きっと靴を履いた時点でわたしたちは DVDを借りてお家で見たいなと思っていたのかもしれないけれど そ

          ここにたしかにツタヤが

          19時過ぎのカゲロウ

          タイトル詐欺である。 ただプールに行ったというだけの記録。 一昨日、予告通り休日にプールに行った。プールはすいていた。ひとしきり泳いで筋肉の羽が生えたところで入れ替わりに子供たちがドヤドヤと入ってきて、帰りに古書とグラノーラの店に入り山本直樹の漫画を買った。グラノーラを食べてすぐ寝てしまい今さっき漫画を読み終えた 「YOUNG and FINE」というタイトル。 山本直樹の漫画はエロいが単なるエロしかないわけではない、と思っている 狂気に堕ちる寸前のような、スレスレの

          19時過ぎのカゲロウ

          7秒間で吐き続ける日の呼吸月の呼吸花呼吸朽ち呼吸

          8/14、日曜日。 まとまった文章がなかなか書けないでいる。 3分の詩を書いては「長えな」とぜいぜい息切れしている程度には文章が書けていない。 とはいえ、「人とうまく喋れないんです」と自身のことをつらつらと取り留めなく隙間なく話せる利用者さんに向けて「いま喋れてるであんた」とツッコミ入れたくなる現象というものがあり、坂口恭平氏も「人間、自分のことならいくらでも書けるもんだ」的なことを言っていたりしていたような気がするから、この頭使わなくても書けるし読める文章もまた息切れする

          7秒間で吐き続ける日の呼吸月の呼吸花呼吸朽ち呼吸