「黒い吉野家」? 色がビジネスに与える効果
小さな会社のビジネスプロデューサー・弁理士のヤマダP(@sweetsbenrishi)です。
今日は、色がビジネスに与える効果について考えてみます。
▶「黒い吉野家」で潜在顧客のニーズを開拓
東洋経済オンラインにこんな記事が掲載されていました。
この記事には、オレンジ色の看板が定番の吉野家が黒い看板を掲げた「黒い吉野家」を出店していることが記載されています。
この記事には、「黒い吉野家」について、
● 看板に合わせて内装もカフェのようなテイストにしたこと
● 若い男女に好評を博していること
● 女性のお一人様、60-70代のシニア女性の来店が増えていること
が記載されています。
オシャレな雰囲気にしたことで若い層が食いつくのはある程度予想することができます。
しかし、女性のお一人様や60-70代のシニア女性の来店が増えたのは何故でしょうか?
実はこの人達、吉野家が嫌いなわけではなくて、興味はあるけどお店に入り難かったんでしょうね。
吉野家と言えば、「うまい、やすい、はやい」。
若い人や働き盛りのサラリーマンが牛丼を頬張っているイメージ。女性一人だとちょっと入り難い。シニアの女性ならなおさらでしょう。
そのイメージがあのオレンジ色の看板に強力に結びついている。
だから、黒い看板になった、カフェのようなおしゃれな雰囲気になったことでお店に入り易くなったということだと予想します。
お店の看板のカラーを変えたことが潜在的な顧客層を掘り出したということです。
この「黒い吉野家」の例でもわかるように、色をうまく使うとビジネスに良い影響を及ぼします。色がビジネスに与える効果は絶大なのです。
以下、色がビジネスに与える効果としてどんな効果があるか整理してみます。
▶色がビジネスに与える効果①|商品やサービス・会社のイメージを変える
まず1つ目。商品やサービス・会社のイメージを変えるという効果があります。
イメージカラー、コーポレートカラーという言葉があるように、色にはその色特有のイメージがあります。
ですので、商品やサービス・会社のイメージカラーを変えることで、その商品の持っているイメージをガラっと変えることができます。
「黒い吉野家」は、まさにこの効果を使ったものです。
明るく、おおらかな、食をイメージさせるオレンジから、シックでオシャレ、どちらかと言うとカフェをイメージさせる黒へ。
このイメージチェンジがうまくハマった事例ですね。
▶色がビジネスに与える効果②|業種・業態・商品種別を表す
2つ目。業種・業態・商品種別を表すという効果があります。
業種・業態や商品の種別によって定番のカラーがあります。
ここを外してしまうと違和感が生じます。あまり奇をてらわない方が見る人に安心感を与えるわけです。
ホームページのベースとなるカラーなんてまさにそうですね。
僕らのような士業の場合、誠実さや信頼を示すという意味で落ち着いたブルーやネイビーを基調とした色合いが多く見られます。
食品のパッケージは暖色系の方が美味しそうです。
例えば、カレーなら黃、橙、赤のパッケージの方が美味そうに見える。青いパッケージだとあまり食欲をそそられませんよね...。
▶色がビジネスに与える効果③|同じ業界の中で独自性を示す
3つ目。同じ業界の中で独自性を示すという効果があります。
2つ目の「業種・業態・商品種別を表す」のとは真逆の効果ですね。
同属性を示して安心感を与えるのではなく、存在感を示すためにあえて別のカラーを使うというやり方です。
都市銀行だと銀行ごとにイメージカラーがありますね。みずほ銀行は青、三菱UFJ銀行は赤、三井住友銀行は黄緑のような。
色を見れば、銀行を間違えない。銀行ごとの個性や独自性を色で示しているわけです。
色は商標登録の対象としても認められています。
色の商標の登録第一号は、これです。
何の商標かわかりますか?
そう。トンボ鉛筆のMONO消しゴムの商標です(商標登録5930334。画像は特許情報プラットフォーム(J-Platpat)より引用)。
この青、白、黒のトリコロールを見れば、「あっ!MONO消しゴムだ!」と、すぐにわかりますよね。
色の商標の登録第2号はこちらです。
これはセブンイレブンの色商標です(商標登録5933289。画像は特許情報プラットフォーム(J-Platpat)より引用)。
この色の看板があるお店は、ローソンでもファミマでもなくて、セブンイレブンの店舗だということを示しているわけです。
▶今日のまとめ
では、今日のまとめです。
色がビジネスに与える効果としては、
● 商品やサービス・会社のイメージを変える(黒い吉野家)
● 業種・業態・商品種別を表す(士業のホームページ、カレーのパッケージ)
● 同じ業界の中で独自性を示す(都市銀行、MONO消しゴム、セブンイレブン)
等がある。
色はひと目で認識することができます。文字や形状よりも視認性が高いということです。
色をうまく味方につけましょう。ビジネス上も大きな効果を期待することができると思いますよ!
note|ヤマダ@小さな会社のビジネスプロデューサーはブログランキングに参加しています。
ポチッとリンクをクリックしてくださいm(_ _)m