「佰食屋」の思想 ~コロナ禍でも生き残る飲食店の考え方~
小さな会社のビジネスプロデューサー・弁理士のヤマダP(@sweetsbenrishi)です。
ニュース記事からの学びをシェアします。特に中小企業の経営に役立ちそうな情報をピックアップしてお伝えします。
今日のテーマは「コロナ禍でも生き残る飲食店は何を考えているのか?」。
今日取り上げたニュース記事は日経クロストレンドのこの記事です。
100食限定「佰食屋」はコロナにどう挑み、店を変革させたのか
▶「佰食屋」について
「佰食屋」。
1日100食限定だから「佰食屋」。
京都市にあるお店で、「国産牛ステーキ丼専門店」を標榜しています。
でも、メニューを見ると、国産牛ステーキ丼の他に、国産牛おろしポン酢ステーキ定食や国産牛100%ハンバーグ定食も提供されています。
価格はいずれも1,000円程度。ランチ限定とは言え、国産牛をこの価格で食べられるのはかなりお得な感じがします。
では、この「佰食屋」がコロナ禍の中、どんな思想で経営を行っているのか見ていきましょう。
▶「佰食屋」の思想①|たくさん売らない
「佰食屋」の思想、1つ目はたくさん売らないこと。
商売ではたくさん売って、たくさん儲けるという考え方が一般的。
でも、「佰食屋」は売らない。
人気が出て、お客さんがたくさん集まってきても、ランチのみ。一日100食限定を貫いています。
たくさん売らないことで、
● プレミアム化(希少性が出る)
● 話題性(口コミの発生)
● フードロスの減少
● 保存用冷凍庫が不要
● 働く人の負担軽減
等、様々なメリットを引き出しています。
お客さんが来たら来た数だけ売ろうと考えると、食材も余分に用意しないといけません。
仕入れ量も変動する。余れば冷凍保存しないといけない。冷凍すれば味も落ちる。
だったら、最初から決まった数だけ売ろうという考え方は非常に合理的に見えます。
ラーメン屋さんでも、スープがなくなったら閉店というお店がありますね。あれも同じ考え方なんでしょう。
▶「佰食屋」の思想②|原価率を上げる
「佰食屋」の思想、2つ目は原価率を上げること。
飲食では食材の原価率を下げればそれだけ儲けが発生します。だから、いかに安い食材を調達するかにしのぎを削るわけですね。
でも、この記事にはこんなことが書いてあります。
一般的には原価率30%、人件費30%、つまりFLコストを60%に抑えるのがセオリーとされていますが、私たちの店では原価率50%、人件費32%でFLコストが82%にもなります。
「佰食屋」の原価率は50%。一般のお店(原価率30%)の1.7倍です。
でも、こうすることによって顧客満足度を上げているわけです。
安くて、ボリュームがあって、しかもなかなか食べられないとなれば、人気が出るのもわかりますよね。
食材にお金をかけた分は一般の店より広告費を削るという工夫で対応しています。
話題性を提供することで、口コミを発生させ、広告宣伝をしなくてもお客さんを集めることに成功しているということです。
▶「佰食屋」の思想③|柔軟で機敏な戦術変更
「佰食屋」の思想、3つ目は柔軟で機敏な戦術変更です。
コロナ禍のような不測の事態が起きた時、企業が生き残れるか否かは経営者の判断スピードにかかっていると言っても過言ではないでしょう。
「佰食屋」は緊急事態宣言発令前から、ステーキ丼だけのテークアウト営業に切り替えたり、その後も速やかに不採算店舗を閉店する等、状況を見極めつつ早め早めの戦術変更を行っています。
簡単な判断ではないでしょう。それでも、事態が極まる前に経営者が決断をしたことで、「佰食屋」はコロナ禍の中でも黒字回復を果たしています。
▶「佰食屋」の思想|まとめ
では、今日のまとめです。
コロナ禍でも生き残る「佰食屋」の思想は、
● たくさん売らない
● 原価率を上げる
● 柔軟で機敏な戦術変更
でした。
飲食業はコロナ禍で大きなダメージを受けています。それでも、経営者の考え方次第で生き残っている企業はあるということです。
ただただ拡大路線で突っ走る。そういう思想はもう古いのかもしれませんね。
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