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商標登録でネーミングやロゴマークと同じくらい大事な「アレ」の話


商品名を決めるだけでは商標登録はできません!

依頼者「『XYZ』って商品名を、商標登録したいんですけど!」
ヤマダ「で?」

商品名さえ決めれば商標登録できると思ってるでしょ?
みんな、ネーミングのことしか話さないもの。

ヾ(˙꒳​˙ )ノンノンノン!

実は、商標登録をするときにネーミングと同じくらい大事なものがあるんです。

商標登録はネーミングと「アレ」のかけ合わせ。「アレ」を教えてくれないと、商標登録の可能性を調べる商標調査も、出願書類の作成もできません。

だから、商標登録を相談するときはネーミングだけじゃなくて、「アレ」についても教えてほしいんです。

(※ 会話部分はフィクションです。いくら辛口のヤマダとは言え、「で?」なんて、意地悪な返しはしません。その点はご安心をw)

ネーミングやロゴマークと同じくらい大事な「商品」と「サービス」

商標は商売の標識。商売を示すシンボルです。
だから、特許庁に提出する出願書類には商標のことに加えて、商売のことについても書く必要があります。

商標登録の出願では商品名のネーミングなどを「商標登録を受けようとする商標」として記載し、商売のことについては、その商標を表示したい「商品」や「役務(サービス)」として記載します。

そう。「アレ」とは、商標を表示する対象となる商品やサービスのこと。

商標権の中身は、「商標(商品名のネーミングなど)」と、「商品」や「サービス」とのかけ合わせで決まります。「商品」や「サービス」は決して添え物ではなく、「商標」とともに商標権の内容を決める大事な要素なんです。

例えば、全く同じネーミングでも、商品やサービスの種類が違えば登録できることもあります。

だから、ネーミングを表示したい「商品」や「サービス」を教えてくれないと、そのネーミングが商標登録できるかどうかの商標調査すらできません。

なので、商標登録の相談をするときは、ネーミングだけでなく、そのネーミングを表示する商売の内容、具体的には商品やサービスの内容も合わせて教えてほしいんです。

商標登録の出願書類の書き方は結構、厳格…。商品やサービスの書き方も難しい

商標登録の出願書類において商品・サービスの書き方は結構、厳格なんですよね。
ありとあらゆる商品・サービスが45のグループ(類・区分)に分類されています。そして、

  • 類と商品・サービスの組み合わせを間違えたらいけない

  • 商品・サービスの名称も特許庁のリストに則って書かないといけない

ただ、なんとなく書けば良いものではなくて、書く時の作法があるわけです。作法を間違えれば、審査で拒絶されることもあるし、間違った内容のまま商標登録されてしまうこともあります。

以前、自分で出願したという人が、「特許庁の人に聞きながらやったから、バッチリですよ!」なんて自信満々に言うもんだから内容を確認してみたら、その人の商売と、取れた商標権の内容が合っていませんでした!(怖)

自分では商標登録できた、商標権を持っていると思っていたのに、肝心の自分の商売が商標権でカバーされていなかった。意味のないガラクタの商標権を手に入れて喜んでいたってことよ。結局、全部やり直し!

お金の無駄、労力の無駄、そして何より時間の無駄。こんな勘違いをしていたらトラブルの火種にもなりかねない。クワバラクワバラ…。

専門外のことは専門家に依頼する。浮いた時間に自分の得意な仕事で稼ぐ

僕ら弁理士は特許庁が作った「類似商品・役務審査基準」という分厚い本とにらめっこしながら、その人が商売で扱う商品やサービスが、特許庁のリストのどの商品・サービスに当たるのかを確認しています。

そして、先に出された商標との関係で商標登録できるかどうかを判断し、その人の商売を護ることができるか・ブランド化できるかどうかを検討し、出願書類を作成しています。結構、神経を使って作業しているんです。

「商標登録なんか自分でできる!」って豪語している人がいるけど、ホントにこういうことをわかってやっていますか?ちゃんと調べてやっていますか?

お金をかけたくない一心で、自分で出願手続をする人もいます。それで、手間と時間をかけてネットで調べて、それでも確信は持てず、不安な状態のまま正確かどうかもわからない書類を提出する。

意味あります?(笑)

商標権は商売で大事なブランドの礎となる権利。自分でやるならちゃんと勉強してからやりましょう。勉強するのが面倒くさい人はそれ専門の弁理士に任せましょう。それで浮いた時間に自分の得意な仕事をガンガンやって、しっかり稼いだらいい。そう思いませんか?


商標登録でネーミングやロゴマークと同じくらい大事な、商品と役務(サービス)について詳しく知りたい人はこの記事を読んでみてください。

商標登録の全区分(第1類から第45類まで)を弁理士が解説!