詩)雪降る日に
雪降る日にあなたを見つけた
拙いヒールの目立つ日に
雪降る日にあなたを見つけた
煩わしい都会のに泣ける日に
赤に染まる鼻筋から
真白の息がひとつひとつ零れていった
拾って乾かしそっと撫でたい想いに駆られた
湿った雪が気だるく降って
黒いコートに重みを与えた
体温が恒常性を放棄してしまったようだ
缶コーヒーの熱さに指先がとろけ、手のひらも赤く染まる
あなたの髪がやけに狂おしく
積もる雪粒を払うふりして頭を撫でた
器用になれないそんな日は
スニーカーを履くあなたを追って、チョコレートをそっと手渡した
爪先まで赤く染まるそんな日に
あなたと出会った
眺めるだけでない雪降る日に
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