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迷路の街を歩くなら
その日、ウサギとカメは自由が丘の石畳を歩いていた。角を曲がるたびに、小さな雑貨屋や甘い香りが漂う店が次々と現れ、まるで別世界に足を踏み入れたような感覚に包まれていた。
ウサギは細い路地でふと立ち止まった。
「この通りも自由が丘らしいわ。デザインが面白いの。まるで迷路みたいで」
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「道の両側から、それぞれ線に沿って歩いていって、もし二人が真ん中で出会えたら、それはきっと、何か素敵なことが待っているってことよね」
サンセットアレイ通りを歩いていくと、やがて熊野神社に辿り着いた。三つ並ぶ鳥居が、何も言わずにただそこに立ち、二人を静かに迎え入れてくれた。
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「今日はあなたがおみくじを引いてみない?」とウサギがカメに言った。「熊野神社のおみくじは、ちょっと特別なのよ」と、彼女はふわりと微笑んだ。
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熊野神社を後にして、学園通りを軽やかに歩き始めたウサギは、ふと足を止めた。
「見て、ダヤンのお店があるわ!」その声には驚きと喜びがあふれていた。
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お店を出ると、カメがウサギに尋ねた。
「結局、何を買ったの?」
ウサギはいたずらっぽく微笑んで、「それはあとでのお楽しみ」と答え、彼の袖を軽く引っ張った。「それより、ちょっと休憩しない?」
お気に入りのモンサンクレールの席に着くと、ウサギはほっとしたように微笑んで、小さな声で言った。「今日はすぐに座れてラッキーだったわね」
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「このお店は、スイーツだけじゃなくて紅茶も美味しいのよね」と、彼女はふわっと吐息を漏らした。
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「それじゃあ、あなたのおみくじと一緒に見せ合いましょうね」ウサギはアールグレイを一口飲んで、楽しげに言った。
「いくわよ、せーの!」
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