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モロッコで詐欺師に恐喝され、所持金を全て奪われた話

こんにちは!!学生バックパッカーのゆういちです。

今回は旅慣れていると思っていた僕が一人旅で訪れたアフリカのモロッコで詐欺に引っかかってしまった体験を紹介します。

この記事がこれから海外旅行へ行く方が詐欺の被害に遭うことを防ぐお役に立てれば幸いです。

結論から言うと僕は知らない人について行き、お金を巻き上げられました。

頼んでもいない地元の人からの道案内について行き最後にお金を払わされるという超典型的な詐欺に引っかかってしましました。

今思うと本当に馬鹿でした。

ただ、もちろん僕は海外旅行で知らない人について行ってはいけないことは充分知っていていたし、それまでの旅で何度も知らない人から声をかけられてたことがありましたが一切気にも止めず無視していました。しかもモロッコでこのような道案内詐欺が多発していることも事前に聞いていました。

実際、これまで30ヶ国旅した中で、スリや詐欺のトラブルに巻き込まれたことはこれ以外に一度もありません。

では、なぜ自分自身を非常に警戒心が高いと思っていた僕は現地で道案内詐欺が多いことを知っていたのにも関わらず、詐欺に巻き込まれてしまったのでしょうか。

さまざな要因を考えながその理由を分析していきたいと思います。

環境要因

僕が詐欺に遭った場所はモロッコの都市フェズの旧市街フェズ エル バリというユネスコの世界文化遺産にも登録されている有名な観光地です。この旧市街は道がとても複雑で迷宮として有名です。

この写真のように旧市街フェズ エル バリでは道幅がとても狭い上、左右の壁がとても高いことで視界が遮られるので本当に迷路のようです。この高い壁が方向感覚を狂わせ、今まで道に迷うことがない人でも道に迷ってしまいます。また、人通りも少なく薄暗い通りが多いです。場所によっては人一人通るのがやっとの場所もあります。


ここで僕は道に迷い、パニックになってしまいました。なぜならこれまで一度も道に迷ったことがなかったからです。また、その日の天気がどんよりとした曇りで時々雨がふり、普段から暗い道がより薄暗く、僕の気分を沈ませました。人間はパニックに陥ると正常な判断ができなくなってしまうことがあります。僕も道がわからなくなったことで、なぜか急に不安になり、道がわかるなら人について行ってもいいかなと思うようになってしまいました。

油断

僕はこの日、詐欺に掛けられる前に、すでに他の知らない人について行き道案内をしてもらっていました。絶対に他の人にガイドしてもらいたくなかったのですが、雨が降る中、狭い路地で地図を見ても全く今自分のいる場所が全くわからない僕はパニックでした。そんな時、頼んでもいなのに、「道案内をしてやる」と声を掛けてきた地元の人がいたので、仕方なくついて行き道案内をしてもらいました。「僕はお金は払わないませんよ」と予め言っていましたが、もちろん予想通り道案内の後お金を求めてきました。僕もそうなることがわかっていたので、コインを数枚(数十円)渡したところ、「これでは安すぎる、もっと払え」と更にお金を要求されましたが、僕は「自分は貧しい学生なのでお金は無い」と強い口調で言ったところ相手も納得し、引き下がってくれました。ここで、この迷宮を数十円で道案内してくれるなら悪く無いなと思い、油断してしまったことがこの後のトラブルに繋がります。

根拠のない信頼

それでは具体的に私がどのようにして詐欺の手の内に落ちて行ったかを説明します。まず、私が観光名所のブルーゲートを探している時に、「日本人か?ブルーゲートまで案内してやるよ」と20代後半の身長175cmくらいのアラブ系男性に声を掛けられました。僕はその時、道に迷ってパニックだった上、その日の16時までにフェズ空港についていないとフライトを逃す危険性さえありました。また、その前に他の人に数十円で道案内をしてもらったので今回も数十円で道案内をしてくれるなら悪く無いと思い、その人について行ってしまいました。案内の途中で彼は日本語で話してくれたり、他の道行く人に「ブールゲートはあっちの方向であっているよな」と聞き僕を正しい方向へガイドしていることを僕にアピールしてきました。道中で僕は何度も「今お金を持っていないから、道案内に対するお金をもし求められても払えない」と、予め何度も強く彼がお金を求めてくる前から言っておきました。こんだけお金を払わないと予め言っているのだから後から向こうがお金を要求してくることは無いだろうと思ってしまいました。そうこうする内に彼は旧市街の中の特に道が細い裏路地へと僕を連れて行き、そこで「あそこの角を曲がったらブルーゲートだ。ここで案内した分の金を払え」と言ってきました。上手く人気が無い、細い裏路地に僕を連れ込んだのです。あんだけ親切そうにしていたのにやっぱりお金を求めてきました。僕はそうなることがわかっていたので、この時の為に手に予め握りしめておいたコインを彼に渡しました。すると、前回同様、これじゃ安すぎると言ってきたのでこちらも「お金が無い」と言い返しました。しかし、彼は前回の道案内人とは異なり全く引き下がってくれません。ここからが僕の誤算です。

強く断ってもしつこくお金を払うことを要求してきます。彼は案内料として5000円を払うよう求めてきました。平均月収2万5千円のモロッコでこの額は高すぎます。僕も負けじと英語で「僕は予めあなたについて行く時お金を払わないと言っていたし、あなたもそれを了承済みで道案内をしてくれただろ、あなたを信頼していたのに残念だ!」と強く反抗しましたが、相手も負けじと「これが俺の仕事なんだ!俺には養わなければならない家族もいる!!」と言い返してきます。僕は人生で初めて英語で口論をしてしまいました。そうこうする内に彼は徐々に私が硬くなに、お金を払わないことにイライラしてきました。次第に僕との距離を詰めて強い剣幕で詰め寄ってきました。僕は何度もその場から離れようかと思いましたが、何しろ道幅が1メートル以下なので彼が道を塞ぎ、重いバックパックを担いでいる状況で逃げるのは不可能でした。道がわからないのでそもそもどちらの方向に逃げたらいいのかもわかりません。

とその時、道を地元のおばさんが通りかかりました。僕はすかさずに助けを求めましたが、無視されてしまいました。その人もトラブルに巻き込まれたく無いのか、観光客が嫌いなのでしょう。おそらくそのような場面に出くわすのが日常茶飯事でいちいち構っていられないのです。その内、彼はよりイライラし、「俺は薬をやっているからキレたらお前に何するかわからないぞ!俺はキレたら暴力的だぞ!!」と脅してきたので、僕はいよいよ身の危険を感じてきました。もしかしたら、この人はナイフでも持っているのでは無いか、こんな裏路地で襲われても誰も助けてくれないだろう、などと恐怖を感じはじめました。しかもフライトの時間も迫っていたのでいち早くこの状況から逃げ出したかったです。

次第にもうお金を払ってこの状況から解放されたいと思うようになりました。僕は詐欺師の脅しに屈し、丸め込まれたのです。そして僕は結局お財布に入っていた全額100DH(1000円)を払ってしまいました。幸いにも、現金を多く持っていなかったので1000円で済みましたが、詐欺師にお金を渡してしまったことがとても悔しさでその後呆然としてしまいました。お金を渡すと彼は「センキュー」と急に笑顔になって言い、細い路地の向こうへと消えて行きました。

反省

僕は自分が詐欺師の罠に引っかかり、彼にお金を渡してしまったことをとても後悔しています。このことでますます詐欺師は他の日本人観光客をカモにしようとするからです。また、自分がパニック状況に陥ったときの対処法を考えていなかったことを反省しています。それに加え、彼と路地裏で口論したことはかなり危険だったのかもしれません。彼の英語を一切わからないフリをし、要求に応じない方が良かったのでしょうか。結局、声をかけてくる知らない人についていくことは絶対に危険です。これからもし道に迷ったら自分から道案内をしてくる人ではなく、僕の方からお店の人やお年寄りに聞こうと思います。


終わりに

以上が僕のモロッコでの詐欺に引っかかってしまった体験談です。結果的には1000円で済み、また身体が無事だったのでよかったですが、もしかしたら高額をとられたり危害を加えられてかもしれないと思うとゾッとします。これからモロッコのフェズのような道に迷いやすい観光地に行く方は是非僕の二の舞にならないようお気をつけください。

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