ベビーカー天国、ストックホルム

ベビーカー天国、ストックホルムについてお話ししたいと思います。日本に帰るといつも思うのですが、スーツケース等の重い物を持っていると、駅や街中に階段が多いことに気づきます。重い荷物を持って、この階段をいったいどうやって上ればいいのだろうといつも悩んでしまいます。日本には、まだまだそのような施設に遭遇しますので、改善の余地があるのではないかと思っています。

ストックホルムではバリアフリーが行き届いていて、ベビーカーや車椅子の人でも困ることのないように、全ての駅のホームにはエレベータが設置されています。しかも、出口のドアが反対側についているので、乗った時のままの姿勢で降りることができます。つまり、ベビーカーや車椅子の人がバックすることなくそのまま直進して降りることができるのです。これは普通に生活していると気づき難い点ですが、ベビーカーや車椅子でバッグして降りることはとても大変なことなのです。

また、スーパーマーケットの入り口は段差がなく、道路と同じ高さになっています。店内も広々としていて、ベビーカーや大きなカートで歩いても、他の人にぶつかる心配もありません。このように、どのような立場の人にとっても使いやすい施設の多い街というのは、とても住み心地のよいものです。

ストックホルムでは赤ちゃんを抱っこしたりオンブしたりしている人は見かけません。みんなベビーカー、それも荷物も全部載せられるような大きいものを使っています。そして、ベビーカーごと市バスに乗ることができます。しかもベビーカーを押している人は運賃が無料です。福祉大国といってもこんなことはスウェーデンくらいではないでしょうか。バスにはベビーカー用のスペースがあり、そこにいた人たちはベビーカーが乗ってきたら直ちにとどかなければなりません。ベビーカーを押している人たち(女性よりも男性の割合が多いような気がします)は、権利とばかりに本当に大きな顔をして乗ってきます。

バスの乗降口は前、後ろ、真中の3箇所あり、真中はベビーカー専用の入り口で、段差がなく(古いバスはありますが)坂になっていて地面の近くまで下がっているので、ベビーカーでも簡単に乗り降りすることができます。たまに段差があって乗り難い場合は、近くにいる誰かが手伝うことが当たり前です。運賃が無料ということで、時々5、6才くらいでベビーカーは必要のないような子供でもベビーカーでバスに乗ってきます。また、ストックホルムでは12歳以下の子供は大人と一緒だったら金曜日の午後から土日は交通費が無料です。大人1人につき、子供6人まで無料です。道路には放置自転車もありませんし、階段には必ずベビーカーも押せるような坂がついていますので、ベビーカーでそれこそどこにでも行くことができるのです。

2002.1.22執筆、2016年リライト

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