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少し大きな声で言っただけで学校に来なくなりました…

夏休みが近くなりました。
株式会社ソーシャルワーク福岡学校ソーシャルワーク部門は先生向けの研修もお引き受けしていますが、ご依頼が多いのが新年度と夏休み。

講演の時に初めてお会いする先生方がほとんどなのですが、弊社セミナーでは私の経験や失敗、そしてワークを実施して協働感覚を高めるので、講座終わりにはとてもフレンドリーに先生方が話しかけてくださいます。

そんな講演後の雑談時間のなかで、ある先生が話してくれた話。

少し大きな声で言っただけ、、、
それだけで学校に来なくなったんですよ。
感覚が過敏の子が増えていると思うんです。
これまでの昭和の体育会系では通用しなくなりました。。。

そうよね。

先生は教え導く立場の人
山の上にいて、山の登り方を熟知しててそれを指導していく立場。
子どもの力を引き上げようと思った時、自分の感情の統制を計りながら伝えることは重要と分かっているけど、給食やホームルームなど日々の子どもの暮らしにも近い所にいるとつい「大きな声」になってしまうだろうな。

と状況を背景の想像をしました。
「そっかー 先生も大変よね・・・・。」
これで話を止めておいた方が、その先生と私の関係性としては穏やかでしょう。
だけど、なぜこうやっていろんな学校に出向いてお話をさせて頂いているかというと「子どもの最善の利益」の追求のため

かっこいいけど、難しすぎてよくわかんなくなるから言い換えると、

「子どもが行きたい学校」にするため。

だから、会話をここで引くわけにはいきません。

「先生は大きな声で言っただけ」 と言っているけど、その子の過去に何があったのか、聞いたことや調べたことはありますか?

・低学年の頃はどうだった?
・幼少期は?
・もしかしてこんなことはなかった?

‐お友達との関係づくりが難しかった
‐親も含めていままで大きな声で叱責する人が近くにいた経験がある
‐砂場遊びができなかった
‐裸足を嫌がった
‐運動会や音楽会に参加できなかった
‐体育館の活動等音が響くところで耳をふさぐような仕草をしていた

スクールソーシャルワーカーは、その子の保育園時代、生育歴にまで遡ることがあります。

環境の状況の確認として子どもにとって一番大部分を占める家庭について
お母さんは今どんな状況だろうか?疑問をもつといろいろ見えてきます。

例えば、

‐情緒不安定なところがあったが、夫が単身赴任になってからますます悪化した
‐子育てに自信を無くし、実は、学校のカウンセラーに相談に来たことがあった 等々と。

こうやって、情報収集をしていくと、先生が大きな声をあげたことが引き金「トリガー」になっていますが、その前にキャッチできる要因や背景があることが浮かび上がってきます。

もしこの事まで知っていたら先生は「大きな声で指導する」ことを選択したでしょうか?
子どもを大声でコントロールしようとすることは、子どもの権利侵害にあたりますので、その行為自体もNG。

そんな事を理解した上で、一人ひとりの子どもがもつ個性や背景を知って関わっていきたいですね。
その実現は難しいように見えるかもしれませんが、子どもにとって学校が「居場所」になる一番の近道だと思います。

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保育ソーシャルワーカーとしての見方をお伝えする研修会を企画しました。

※満員御礼となり受付終了となりました

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その先生との話の続き・・
 じゃあこれからこの子に対してどうしていこうか?

この言葉がその先生から引き出せた時点で私のその時の会話の役目は終了です。
あとはじっくりと考えていっていただきます。

今は何に困ってる?
どうしたら学校が居心地よくなるかな?
そのために、保護者・先生・教室環境はどうしていけばいいか?

今回は講演先で出会った先生との会話でしたが、実際に学校に入っていく中では解決にむけて伴走していくこともソーシャルワーカーの役目です。

ここを先生たちと一緒に楽しみながらやるのが楽しいんです!

だから、先生だけで背負わないでくださいね。

そして、就学する前の情報はとても大事です。幼稚園・保育園から小学校はもちろん、小学校から中学校、中学校から高校・・・と節目節目の橋渡しはとても大事です。引っ越しに伴う転園・転校時も同様です。

保育ソーシャルワークを実施する意義、保育ソーシャルワークで就学相談に力を入れていた理由もここから来ています!

うちの園・学校のこの課題はどうやって見ていけばいいの?という先生方、一緒に考えていきましょう。

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保育ソーシャルワーク・学校ソーシャルワーク導入相談受付中

新年度が始まって以降も、保育ソーシャルワーク学校ソーシャルワーク導入のお問い合わせが増えております。それぞれの園や学校の想いを丁寧に聴きとりしています。お受けできる数も限られていますので、気になっている園の関係者の方々はお早めにお問い合わせください。

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2023年3月29日西日本新聞朝刊の一面に弊社の保育ソーシャルワークの取り組みが掲載されました。ぜひ、ご覧ください!
『保育の現場にも「ソーシャルワーカー」 発達の悩み、貧困…就学前から支援』

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2023年10月18日マイナビ保育士が運営する情報サイト「ほいくらし」に保育ソーシャルワークの取り組みが掲載されました。

『保育士や保護者の「なんか気になる」を解決!子どもも大人も幸せになる保育ソーシャルワークとは?|株式会社ソーシャルワーク福岡』

お問い合わせ先

株式会社ソーシャルワーク福岡:info@sw-f.jp



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