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保育ソーシャルワークの実践例 │表情が暗いBちゃんのお母さん編

4月も半ばを過ぎましたが、新しい生活にはもう慣れましたか。

さて、今回は保育ソーシャルワークがどのような流れを踏まえて行っているか、より具体的にその実践例をご紹介します。

その前に、もう一度、保育ソーシャルワークについてお伝えします。

・「よく分からないけど、なんか気になる」

保育ソーシャルワークは、保育園や幼稚園、こども園などの乳幼児や家庭に対して、園の職員が気になっていること・困っていることを一緒に考えて問題解決をしていくことです。私たちは、先生たちの「なんか気になる、でもどうしたらいいんだろう」を紐解いていきます。

保育園・幼稚園を運営する上で、こんなお悩みありませんか?

・職員のケア

もう一つ大事にしているのは、園で働いている職員のケアです。保育園は社会インフラであり、保育園や幼稚園があるからこそ多くの方の暮らしが成り立っています。ソーシャルワーク福岡は、人々の暮らしを担い、子どもを育てる先生方の悩みの受け皿や、スキルアップの一助になりたいと活動しています。

・保育ソーシャルワークの実践例

例えば、「Bちゃんのお母さん、最近表情が暗いな…」について、保育ソーシャルワーカーは、子どもたちや保護者、保育者にこのようなお手伝いをしていきます。

私たちはこんなお手伝いをしています

表情が暗いBちゃんのお母さんに対して…

【インテーク(受理)】


まずは、保育士から4月から年少になったBちゃんのお母さんの話を伺いました。
今まで送り迎えのときに、Bちゃんの家での様子を話してくれていたお母さん。そんな会話を保育士は毎日の楽しみにしていましたが、最近はそれがなく、バタバタとして疲れているようにみえ、少し気になっているとのこと。

【アセスメント(事前評価)】


・保育士に、Bちゃんのお母さんの様子を詳しくきく。
(以前の様子、いつからそのような様子になったか、今の様子など)
・Bちゃんの様子をきく、観察する
・連絡帳でに気になる所はあるか

~ インテークやアセスメントの結果、Bちゃんの様子や連絡帳で特に気になるところはありませんでした。しかし、送迎時にBちゃんのお母さんと接していた保育士たちは、2ヶ月前から送迎時の会話がなかったり、疲れているような感じがするということでした。Bちゃんのお母さんはとても優しくて真面目な性格にみえるとのこと。だから、何か問題があっても一人で抱え込んでいるのではないかと感じます…と保育士はいいます。 ~

【プランニング(計画)】

これまで送迎時や連絡帳などでBちゃんのお母さんとコミュニケーションをとってきた保育士には、Bちゃんのお母さんとの信頼関係がしっかり備わっています。
そこで、保育士と相談して、思い切って、Bちゃんのお母さんに気になっていることを伝えようと決めました。送迎時はバタバタしているので、連絡帳へメッセージを書いてみることにしました。

【インターベンション(援助的介入)】


連絡帳には、いつものBちゃんの様子に加え、このように記載しました。

「最近また寒くなり、風邪が流行ってきましたね。体調等、お変わりありませんか?何かありましたらいつでもご相談くださいね(^^)」

【モニタリング(観察・介入)】

メッセージを添えて以降も特に様子は変わりはありませんでしたが、2週間経った頃、Bちゃんのお母さんからこのようなお返事がきました。

いつもBの様子を伝えていただき、また、私のことまで気遣ってくださりありがとうございます。実は、職場で人が辞めて、Bが寝た後や起きる前に仕事をする日が続いています。仕事も好きだし、Bとの時間も大切にしたいのですが、やりくりが難しいですね💦

そこで、Bちゃんのお母さんには、土曜保育と外部サービスを提案することにしました。

お仕事が大変な状況だったのですね。仕事も子育ても一生懸命の〇〇さん、本当にがんばっていらっしゃると思います。寝不足が続くと体もきついと思います。子育ても体力勝負!大変な時はどうぞ土曜保育を利用してくださいね。また、地域のファミリーサポートや家事代行サービスの資料も土曜保育の申請書と一緒に入れておきますので、見てみてくださいね。一人で抱え込まず、いろんなサービスを利用することもひとつの手です。

Bちゃんのお母さんの様子がわかってひと安心した保育士。思い切って連絡帳にひと言添えてよかったなと感じました。それもこれも、保育士がBちゃん、そしてお母さんの様子を見守り続け、信頼関係を構築していたからです。
今回、保育ソーシャルワーカーは、保育士の話を傾聴し、少しだけ背中を押したことと地域の外部サービスの情報を提供しました。

保育士や保護者の力を引き出すこと(エンパワメント)は、保育ソーシャルワーカーが得意とすることです。

このように、保育ソーシャルワークは、「子どもと保護者」及び「保育者」の支援をしていきます。

支援のかたち

あわせて「給食を食べないAくん編」の実践例もご覧ください。

保育ソーシャルワーク無料体験受付中

ソーシャルワーク福岡では、保育ソーシャルワークの無料体験を4月末まで受け付けています。
無料体験では、保育ソーシャルワーカーが具体的にどんな支援をするのか、報告書がどんなものか等を知っていただく機会になればと思っています。

お問い合わせ先

ソーシャルワーク福岡や保育ソーシャルワークについて、詳しく聞きたい方は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。

ソーシャルワーク福岡:info@sw-f.jp