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雀の山

「我と来て遊べや親のない雀」

無理に書かせたハガキに
そう書いてあった
なんで気づいてあげられなかったんだろう

そんなわたしだった

佐藤さんは
どんなわたしでも
いつも褒めてくれた
歯を食いしばって
褒めた日もあったはず

失われていく記憶
変わり続ける状態

でもね、目を瞑って見ていると
変わらない核のようなものが
たしかにあって
降りてゆくその道も
ある日は
とても綺麗に見えた

立場が変わって
3年目
佐藤さんと同じように
私も誰かを褒めてみようと思ったけど
ベッドの上で
歯を食いしばって
ありがとうございますというのが
精一杯

大きな山に見える
雀の詩

その麓くらいには
わたしも来れているのだろうか
現在地はいつもわからないけど
降りてゆくその道は
日のさすほうに
繋がってるって
佐藤さんなら言ってくれるに違いない



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