【超短編小説】AGWP検定準2級
「次の方どうぞ」
ドアが開き、中から番号札を胸につけた女性が出ていく。顔は不安げだった。
私は大きく息を吸ってからドアを三回ノックしてから「失礼します」と言って中に入った。広々とした会議室には長机があり、面接官が5人ほど座っていた。
私は面接官たちの正面に置かれたベッドの横に立ち
「受験番号4123番、四方天 翔子。よろしくお願いいたします」
深々と頭を下げる。今度こそ、と胸の中で小さく呟いた。
いまだかつてあんな屈辱があっただろうか。
その通知書には健闘を祈る言葉すらなく、ただ不合格と書かれているだけだった。
採点結果すら同封されていない。何が足りなかったのかも分からない。ただ自分が至らなかった事だけが記されていた。
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