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半導体プロセス要素の全体像

割引あり

はじめに

 全体像を把握するという意味で、下記の記事を書きました。今回はこれを基にそれぞれの技術分野をもう少し詳しく書いていこうと思います。まだ以前の記事を見ていない方は是非こちらを先に読んでみてください。

半導体プロセス要素を分解してみる

 具体的にどのようなプロセス要素があるかを俯瞰的にみてみましょう。最近の技術は基礎的なプロセスを組み合わせて新たなプロセス要素を構築しているので、単純に分解することはできません。今回は工場での製造観点というよりTCADという仮想空間でプロセスSimulationをするというのを念頭に置きカテゴリー分けしています。その点は実際の工場内のカテゴリーとは違うかもしれません。

Fig.1 プロセス要素のカテゴリー

 大きく分けて8分野ぐらいに分かれています。それぞれの分野も複数に枝分かれしているのが特徴です。
 モジュール開発エンジニアや装置メーカーは、それぞれ得意な分野を深掘りしていき技術開発をしていくことになります。

Deposition

 工程としては、基板の上にFilmを形成するが基本となります。そのFilmがSiO2だったりSiNだったり、最近ではHfO2のようはHigh-kだったりします。この分野は異なるFilmを基板上に形成するだけではなく、基板と同じまたは少し構造を変えたFilmを結晶成長させるEpitaxial技術も含まれます。最近のFinFET技術ではこのEpitaxial技術がKeyとなっています。
 イメージとしてはこの様になります。Depositionする物質を熱やPlasmaで活性化させ、基板上にDepositionします。この時Depositionする物質は活性化した状態なので基板に到達すると化学反応が起こり、不要な原子は解離します。これを排気ガスとして排出します。
 もちろん反応過程で抜けきれない原子やガスはその後の熱工程やプラズマ照射、またはUV照射等を通すことで脱ガスし、膜として強固なものが形成されます。

Depositionのイメージ図

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アメリカSilicon Valley在住のエンジニアです。日本企業から突然アメリカ企業に転職して気が付いた事や知って役に立った事を書いています。