俺が末代だ! #いい時間とお酒 参加作品
娘と晩酌中。
息子がツマミを漁りに来た。
「冷蔵庫にコーヒーゼリーあるよ」
と言ったが、既に
卓上のサラミに手を伸ばしていた。
「俺さぁ……」
なんだかすいぶん低いトーンで
話出す息子。
黙る娘と私。
「彼女作らないから、俺で
鈴村家は、終わらせちゃうなぁ。
って、言っとこうと思って」
…………………???
しばらくの間の後に
私が1言目に
「え?彼氏できた?」
娘は
「2次元と挙式したん?」
だった。
息子は、2次元ヲタクだ。
それを気にした事なかったが
「俺が鈴村家の末代だから」
って言われた時には
娘と爆笑してしまった。
別に家系なんて、どうでも
いいし、気にしていなかった。
まぁ本気で悩んでくれていた
様で嬉しくて、
頭を撫で回したら
ちょっとキレられた。
まだまだ未来が、どうなるか
わからないんだ。
気にするな(笑)
と息子に伝えた。
ああ……これで
堂々と2次元にハマるんだろうなぁと
思いつつ。
スッキリした顔の息子を見たら
魔法使いになっても
私は息子を愛してやるよ。
と母親みたいな事を考えていた。
息子が成人したら三人で晩酌しよう。
今から楽しみだと、ニヤニヤしながら
娘と再び乾杯した。
美味しいお酒とツマミと子供達。
ああ幸せだ。
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