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新製品・新サービスにおける価格設定とは

経営について学んでいます。今回は新製品・新サービスにおける価格設定について。製品の価格設定は難しいものですが、特に新製品の価格設定には特に注意が必要です。新製品を投入することで、製品の開発コストを回収、市場シェアを獲得しなくてはいけません。また新製品は今後の会社の業績を左右する売り上げに繋がるでしょう。新製品の価格設定には以下のような方法があります。

1.上澄み吸収価格戦略(スキミングプライス、初期高価格戦略)

スキミングプライス。スキミングとは「上澄みをすくい取ること」という意味。
高くても買うイノベーター層にむけて高価格に設定します。高い価格に設定することで、利益が大きくなり、新製品の製品コストを早く回収することができます。
新製品の品質やイメージが高く、競合と差別化できており、競合が模倣しにくいといった成立条件があります。消費者が競合の方に流れてしまったり、需要の価格弾力性(※)が高い場合には向いていない戦略です。模倣が可能である場合は、すぐに競合が現れ競争となり、価格が下がってしまいます。


※価格弾力性・・・価格弾力性が小さい場合は、価格を変更してもほとんど需要は変化しません。価格弾力性が大きいと、価格が変わると需要が大きく変化します。通常、米や野菜といった生活必需品は価格弾力性が小さく、宝飾品などの贅沢品は価格弾力性が高くなります。米屋野菜といった商品は日常生活に欠かせないことから、多少価格が上下しても需要や供給への影響は少ないです。需要の価格弾力性が1を超える製品は消費者が価格の変化に敏感だと考えます。

ターゲットとなる顧客が価格にそれほど敏感でないことが必要です。製品を高価格に設定しているため、価格に敏感な顧客だと販売数が伸びないからです。

上澄み吸収価格を採用しやすい例として高級ブランド店が挙げられます。ブランドイメージが確立されている場合、高価格に顧客が納得しやすく、高価格であること自体に意味がでます。固有ブランドが確立していると他社が真似(模倣)することもできません。

2.市場浸透価格戦略(ペネトレーションプライス、初期低価格戦略)

ペネトレーションプライス。ペネトレーションとは「浸透する」という意味。
新製品に安い価格を設定し、大量に販売することでシェアを獲得します。一気にシェアを高めることで、競合他社よりも規模の経済性や経験曲線効果を早く発揮することができます。より安い価格で販売することができコスト優位を保つことができます。低価格で競合他社から顧客を奪い販売量の最大化を図ることが目的、コストを一気に投資するため大手企業が取りやすい戦略となります。
需要の価格弾力性が高いこと、規模の経済性や経験曲線効果が働くことが成立条件です。

市場浸透価格戦略を採用しやすい例として最寄り品が挙げられます。製品単価が低く、また、最寄の店で購入するケースの多い生活用品や食料品(最寄品)に用いられることが多い。

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