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戦争映画、邦画と洋画で視点が違うと感じる理由をAIに聞いてみた

8月15日は終戦記念日。
そこで、この2日間で邦画の戦争映画を何本か続けて観た。
観ているうちに何だかモヤモヤしてきたのだが、それは洋画の戦争映画との描かれ方の違いによるものだと気づいたので、AIにそう感じた理由を聞いてみた。

以下が、そのやりとりだ。


私のAIへの質問

【AIの回答】

日本の戦争映画が自国の加害性や残虐性をあまり描かない理由は、複数の歴史的、文化的、社会的な要因に起因しています。以下はいくつかの要因です。

1. 歴史的背景と戦後の影響

  • 第二次世界大戦後、日本は戦争の敗北と占領下にありました。この時期、戦争体験は国民にとって大きなトラウマであり、戦争の悲惨さや被害を描くことで自己憐憫や反戦の意識を強調する作品が増えました。これは、日本が戦争の加害者であったという事実に向き合うよりも、被害者としての側面を強調する傾向を助長しました。

2. 国家アイデンティティと教育

  • 戦後の日本では、戦争に関する教育が限定的であり、自国の加害性についての十分な理解が深められていない側面があります。戦争に関する映画や文学作品も、こうした教育的背景から自国の加害性をあまり強調しない内容になりがちです。

3. 文化的要因と社会的価値観

  • 日本の文化では、個人やコミュニティの「恥」や「名誉」を重んじる傾向があります。そのため、自国の過去の残虐行為を強調することは、社会的に抵抗感を生む可能性があり、映画製作者や観客にとって受け入れがたいテーマとなることがあります。

4. 産業と市場の影響

  • 映画は商業的なエンターテインメントとしての側面も持っており、観客が望む内容や市場の需要に応じて製作されます。自国の加害性や残虐性を強く描く作品は、商業的にリスクが高いとみなされることがあり、こうしたテーマが避けられる傾向があります。

5. 国際的な視点と比較

  • 西洋の戦争映画では、特にアメリカやヨーロッパの作品で、自国の軍や政府の行為を批判的に描くものが多く見られます。これは、自由主義や個人主義が強調される文化的背景と、戦争の意義や倫理を問う姿勢が影響しているからです。一方、日本では戦争映画がより個人の感情や家族の物語に焦点を当てる傾向があります。

6. 国際関係と政治的要因

  • 戦後、日本はアジア諸国との国際関係を改善するために、多くの努力を重ねてきました。しかし、自国の加害行為を描く映画が増えることは、これらの国際関係に影響を与える可能性があるため、政治的な配慮からも避けられることがあります。

これらの要因が組み合わさり、日本の戦争映画では加害性や残虐性を直接的に描く作品が少なくなる傾向があるのだと考えられます。とはいえ、近年では自国の戦争責任や歴史に向き合う作品も徐々に増えてきており、今後の映画表現に変化が見られる可能性もあります。

私のAIへの質問

日本映画の中で、自国の戦争責任や歴史に向き合う作品はいくつかあります。以下はその一例です。

1. 『裸の島』(1960年)

  • 監督: 新藤兼人

  • 概要: 戦争そのものをテーマにしているわけではありませんが、戦後の日本社会の厳しい現実を描いた作品で、戦争が一般市民に与えた影響を間接的に反映しています。新藤兼人監督は、戦争の犠牲者だけでなく、加害者としての日本にも目を向けた作品を制作しました。

2. 『二十四の瞳』(1954年)

  • 監督: 木下惠介

  • 概要: 戦時中の小さな村で、教師と子どもたちの成長を描く作品。日本の戦争責任を直接的には描いていませんが、戦時中の教育がどのように軍国主義に影響を受けたか、またその結果としての悲劇を表現しています。

3. 『母と暮せば』(2015年)

  • 監督: 山田洋次

  • 概要: 戦争で亡くなった息子の霊と、その母親の対話を描いた作品。戦争の悲劇とともに、日本が戦争に加担したことへの反省が底流に流れています。山田洋次監督は、日本の戦争責任について考えさせられる作品を多く手がけています。

4. 『火垂るの墓』(1988年)

  • 監督: 高畑勲

  • 概要: 原作は野坂昭如の同名小説。戦争によって両親を失い、過酷な生活を強いられる兄妹を描いたアニメーション映画。戦争の犠牲者としての日本を描いていますが、その背景にある加害行為や戦争責任にも目を向けさせる作品です。

5. 『黒い雨』(1989年)

  • 監督: 今村昌平

  • 概要: 広島に落とされた原爆とその後遺症に苦しむ人々を描いた作品。原爆被害を通して、日本の戦争責任や加害行為にも目を向けています。

6. 『日本のいちばん長い日』(1967年、2015年リメイク)

  • 監督: 岡本喜八(1967年版)、原田眞人(2015年版)

  • 概要: 第二次世界大戦の終戦前後を描いた作品で、日本がいかにして戦争を終結させたのかを描いています。戦争を引き延ばすべきだと考える軍部と、戦争の終結を望む政府の葛藤が描かれ、日本の戦争責任についても間接的に考えさせられる内容です。

7. 『ひろしま』(1953年)

  • 監督: 関川秀雄

  • 概要: 広島における原爆投下とその後の悲惨な現実を描いた映画。被害者の視点から描かれていますが、戦争そのものの無意味さや、日本の戦争責任についても問いかける内容です。

これらの作品は、日本が自国の戦争責任や歴史に向き合う試みの一部として制作されており、直接的・間接的に加害性や歴史的な責任を問いかけています。


この中で観たことが無いのは『裸の島』だけ。
解説にもある通り、「自国の戦争責任」や「被害の残酷性」を描いたものはあるが、やはり「他国に対する加害性」にスポットが当てたものは少ないように思う。

以前から、邦画の戦争映画では家族や恋人や戦友との別れや絆、苦悩や葛藤を描いた作品が多いと感じていた。
もちろん、それらを描くことでも戦争の悲惨さは伝わるのだが、観る者の感情を刺激するのは被害者視点での「悲しみ」や「怒り」がメインのように思う。一歩間違えれば「感動ポルノ」になりがちだ。

しかし、再び戦争の惨禍を繰り返さない為には、加害性や残虐性についても認識し、過去の過ちに対しての反省を胸に刻む必要があるのではないだろうか。

こういう話をするとまた、歴史修正主義者(歴史否定論者)たちは自国の加害の歴史に蓋をしようとするだろうが、国であれ個人であれ、「事実も認めず反省もしていないなら、また同じ過ちを繰り返すのではないか?」と懸念されることくらい、それが反対の立場なら想像出来るだろう。

更に重ねて聞いてみた。


私のAIへの質問

ナチスの悪行を描いた映画は、世界中で数多く制作されており、その多くが第二次世界大戦中のホロコーストやナチス政権の残虐行為を描いています。以下はいくつかの代表的な作品です。

1. 『シンドラーのリスト』(Schindler's List, 1993)

  • 監督: スティーヴン・スピルバーグ

  • 概要: 実在のドイツ人実業家オスカー・シンドラーが、ナチス占領下のポーランドで多くのユダヤ人を救った実話に基づく映画。ホロコーストの恐怖と、シンドラーの人道的な行動が描かれています。

2. 『ライフ・イズ・ビューティフル』(La vita è bella, 1997)

  • 監督: ロベルト・ベニーニ

  • 概要: イタリア人のユダヤ系家族がナチスの強制収容所に送られ、父親が息子を守るために残酷な現実を「ゲーム」として描き出そうとする物語。悲劇と希望が織り交ぜられた作品です。

3. 『善き人のためのソナタ』(The Lives of Others, 2006)

  • 監督: フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

  • 概要: 東ドイツの秘密警察「シュタージ」が行った市民監視を描いた映画。ナチス時代の影響を受けた東ドイツの社会を背景に、抑圧と道徳的葛藤が描かれています。

4. 『夜と霧』(Nuit et brouillard, 1956)

  • 監督: アラン・レネ

  • 概要: ナチスによる強制収容所の実態を描いた短編ドキュメンタリー映画。ホロコーストの記録映像とともに、ナチスの残虐性が具体的に描写されています。

5. 『ソフィーの選択』(Sophie's Choice, 1982)

  • 監督: アラン・J・パクラ

  • 概要: ポーランドの女性ソフィーが、ナチスの強制収容所で経験した残酷な選択を描いた作品。人間の耐えがたい悲劇と心理的な苦悩が中心に描かれています。

6. 『ピアニスト』(The Pianist, 2002)

  • 監督: ロマン・ポランスキー

  • 概要: 実在のポーランド系ユダヤ人ピアニスト、ヴワディスワフ・シュピルマンの回想録を基に、ワルシャワ・ゲットーでの過酷な生存闘争を描いた映画。ナチスの占領下での生き残りの過程がリアルに描かれています。

7. 『アウシュビッツのアリス』(Auschwitz: The Nazis and 'The Final Solution', 2005)

  • 監督: ローレンス・リース

  • 概要: BBCが制作したドキュメンタリーシリーズで、アウシュビッツ強制収容所の歴史とナチスの「最終解決(ホロコースト)」について詳述しています。サバイバーの証言と歴史的資料をもとに、ナチスの残虐行為を描いています。

8. 『アドルフの贈り物』(Amen., 2002)

  • 監督: コスタ=ガヴラス

  • 概要: ナチスの強制収容所で行われた毒ガス実験に関わったドイツ人科学者と、彼を救おうとするイエズス会の司祭の物語。ナチスの体制内での倫理的葛藤を描いています。

9. 『ダウンフォール』(Der Untergang, 2004)

  • 監督: オリヴァー・ヒルシュビーゲル

  • 概要: アドルフ・ヒトラーの最後の日々を描いた作品で、ナチスの内部の崩壊と、ヒトラーを中心とする狂気がリアルに描かれています。

10. 『戦場のピアニスト』(The Pianist, 2002)

  • 監督: ロマン・ポランスキー

  • 概要: ポーランドのユダヤ人ピアニストの生存闘争を描いた作品。ナチスのワルシャワ・ゲットーでの体験を描いており、ホロコーストの残虐性を強調しています。

これらの作品は、ナチスの犯罪行為やホロコーストの悲劇を描いており、歴史的な教育や反省のための重要な文化的資産となっています。


ここまでで終わり。

やはり、悲劇を描きながらも加害側の狂気や残虐性が描かれている作品が多いように思う。

派手な戦闘シーンの多い映画ももちろん目を覆いたくなる凄惨さを描いていると思うが、「戦場にいる兵士」だけではなく「普通に暮らしていた市民」にも、その残虐性は襲いかかっていたはずだ。

感動ポルノに仕立てるのではなく、加害を描くことで嫌悪感を抱かせ「国」ではなく「戦争」を憎み、同じ過ちを繰り返さない。
そんな邦画がもっとあってもいいのではないかと思った。

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