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鳩と犬のシエスタとISO25フィルム。

「普段は単なる通過点だけどずっと気になっていた駅へ降り立ち、低感度フィルムで撮影する」というこの夏の課題第二弾。35mmモノクロフィルムISO25(イルフォード)という、前回よりさらに低感度のフィルムを装填したカメラを携え、ギラギラと容赦なく太陽が照り付ける京急神奈川新町駅へ。この日、横浜市の日中最高気温は34.6度。横浜としてはなかなかの記録である。

そのため麦わら帽子&日傘の二重装備。日傘を差しているとシャッターを押すために都度傘を畳まねばならず非常に面倒だし、またチャンスも逃しそうだけど熱中症は怖いから仕方ない。(時折もどかしくなって日傘を開いたままその辺に打ち捨てて撮影することもないことはない。)

影踏みよろしく日陰を伝いつつ、木陰に入っては休みつつ、そろそろと歩みを進める。


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改札を出て線路伝いに歩いていると、向こうの方から何千もの鈴を振るようなひときわ高い蝉時雨の音が聞こえてくる。何だろうと近付いて行くと鎮守の森だった。正面に回ってみたところ電車の窓からも良く見かけるお馴染みの神社だった。鳥居のちょうど真下あたりで紐に繋がれた犬が実に気持ちよさそうに寝そべっていた。


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しばらくしてからもう一度通りかかってみると起きてた。おはよう。


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その後、界隈をぐるりと歩き回り、京急の電車が神奈川新町駅へ停車中に車窓からいつも目にする公園へたどり着く。一見何の変哲もない街角の一角にある公園でありながらどこか気になる雰囲気を漂わせていて、以前から気になっていた場所だった。今回出発前にネットで調べてみて、ここが横浜開港時代の初代オランダ領事館跡地だということを知った。といっても長延寺というお寺の中に置かれていたとのこと。今はただ殺風景な公園の片隅に石碑を残すのみである。それでも車窓から眺める度に何かの気配を感じたのは、この場所が記憶を宿しているからだろう。


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公園内ではわたしの他にも鳩が一羽、あちら側の木陰にじっとうずくまり暑さを凌いでいた。わたしはこちら側の木陰でベンチに腰を下ろし、暑いよね、と声をかけた。

シエスタ中の鳩しかいない昼下がりの公園。木陰のベンチに腰を下ろし、お坊さんとオランダ人が目の前をわらわら行き交う図を想像しつつベンチにて小休止。



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以上、撮影の結果はどうあれ、今年の夏の盛りの時期にカラーとモノクロの両方で課題を試すことができて良かった。ISO25、しかもシンプルなモノクロはさすがに手強くて練習が必要なフィルムだと感じた。


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