鈴木信行

二分脊椎症による身体障がい者・精巣腫瘍(精巣がん)と甲状腺がんのサバイバー。患医ねっと…

鈴木信行

二分脊椎症による身体障がい者・精巣腫瘍(精巣がん)と甲状腺がんのサバイバー。患医ねっと代表。ペイシェントサロン協会会長。患者の側から日本のよりよい医療環境を作るために、講演・研修・執筆活動を推進中。 活動実績や講演依頼はこちらから>http://www.kan-i.net/

マガジン

  • 地域とコラボする保険薬局のこれからのカタチ

  • のぶさんのペイシェントカフェ

    和モダンカフェ。マスターとの会話。マスターは患者の立場から今の医療をうまく活用しているノウハウを、コーヒーとともにあなたに教えてくれる。「医者・病院・薬局 失敗しない選び方・考え方」の著者が、わかりやすく病気でも健康に生きるコツをお伝えします

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【報告】第112回ペイシェントサロン根津

■イベント概要 ◇日時:2021年9月9日 (木) 19:00 - 21:00 ◇内容: 「自分・身近な人がコロナ感染してしまった場合に備えて」をテーマに、参加者全員で意見を出すイベントです ◇ゲスト:高山和郎さん(東京大学医学部附属病院 薬剤部) https://ps112.peatix.com/ ■ゲストからの話題提供 https://youtu.be/sA5E5zFHyoE ■対話した内容 ■参加された皆さん ■参加者からの声 ・患者さんや、まわりの人たちにも、

    • 28.与えられた運命を、精一杯生き抜く(最終回)

      ■急な転居も考え方次第 今日、この扉を開けるのは気が重い。マスターののぶさんへどうしても伝えないとならないことがある。 「こんにちは。」 このカフェに通い始めてちょうど1年。いまでは、カフェというよりは自宅へ帰るような気持ちになる。 いつもの笑顔で彼は私を迎え入れてくれる。 私もいつものようにカウンター席に座る。 何を言わなくてもブレンドコーヒーを淹れ始めた。日常である。 「実は・・・」 急な転勤が決まり、妻と娘をこの地に残して、単身で遠方へ行くことになったことを、手短に伝え

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      • 27.医療費の明細をきちんと確認する大切さ

        ■医療費の問題は大切 のぶさんのカフェを後にして、腰痛で悩む母に電話した。 さきほどまで、カウンター席で、患者の立場の方が悩むのは、単に身体や病気のことばかりではなく、日常生活への影響や将来への不安などもあるという話を聞き、急に母に電話をしたくなった。 突然の電話に母は驚いているようだ。 あえて病気には触れずに、最近の生活の様子を聞くことにした。 しかし、すぐに腰痛による通院の話になった。やはり、母のなかで病気であることによる影響は大きいようだ。 「どうして、前回と今回の値段

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        • 26.入院生活で辛い非日常生活空間

          ■彼が手術を終えて退院した 「ずっと、このカフェのコーヒーが飲みたくて、飲みたくて……」。先日まで入院していた会社の同僚が言う。 今日は、同僚のたっての希望で、のぶさんのカフェへ一緒にきた。胃がんの手術をしたばかりの彼にとって、同じがん患者でもある、カフェマスターののぶさんに、話を聞いてもらいたいのだろう。 彼は、カウンターに座るや、のぶさんに話し始めた。慣れない入院生活で、相当にストレスはたまっていたようだ。 のぶさんは、私が注文したコーヒーをゆっくりとドリップしながら、楽

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        【報告】第112回ペイシェントサロン根津

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          25.面会に行くときに配慮すべきことは?

          ■入院している患者の立場になってみて…… 久しぶりにのぶさんのカフェに来た。夕方に近いこの時間は、のんびりした雰囲気だ。いつものカウンター席に座り、ブレンドコーヒーを頼んだ。オーナーののぶさんは、コーヒー豆を計量しながら、私の同僚の具合を尋ねてきた。 胃がんの手術のために入院した同僚は、がん患者でもあるのぶさんに相談していた。手術も終えて、1週間が過ぎ、そろそろ退院の話も出ていると、彼のSNSにアップされていた。 「病院へ面会に行ってみようかな」 私は、入院経験が豊富なのぶさ

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          24.精神的にきつい入院中は、カーテンを開けて!?

          ■精神的にきつい入院生活 「のぶさんの入院生活はどんな感じだったんですか?」 私の同僚が会社の長期休暇を取り、入院し始めた。彼は、このカフェのマスターののぶさんに、入院前に相談していた。のぶさんは、いくつかの病気を持ち、入院や手術を多く受けていて、患者としての経験が豊富だ。 「一言で言えば精神的にきついんですよね。」 手術で痛いとか、病気が辛いという感じではなく、精神的な面の方が厳しかったという。 「なんせ、慣れない上に、様々な制限が厳しい団体生活からね。」 そこかぁ。確かに

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          23.時間を持て余す! 入院生活を過ごしやすくするアイデア

          ■必要なメモ帳とペン  どうやら胃がんの彼は、入院して手術を受けることになったようだ。彼から、このカフェに行きたいと私に言ってきた。のぶさんが、カウンターに横並びに座った私たちをやさしく迎えてくれる。  「あれから、入院して手術を受けることになってしまって……」  彼がのぶさんに切り出した。  「そうですか。それならねぇ、持っていくと便利なものを挙げてみましょうか」  なんだか講義みたいだ。彼がメモ帳を取り出した。  「まずは、まさにそのメモ帳とペン。気づいたこと、医師に言い

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          22.検査を受けるときの三つのポイント

          ■発信した情報に反応があった  「のぶさん! 連れてきました!!」  急ぐ報告もあり、今日はランチにのぶさんのカフェへ行くことにした。そして、彼も連れて。  彼とは、先日胃がんであることが判明した会社の同僚だ。いままで周囲に隠していたが、先日ののぶさんのアドバイスを受けて、私が「発信の大切さ」をSNSに書き込んだところ、昨夕、彼が私にそっと連絡してきた。  「胃がんが判明して、これからいくつかの検査が予定されているんです。」  そこで、早速のぶさんと引き合わせるためにこのカフ

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          21.病状はSNSで発信し、情報を得る

          ■良い情報が欲しければ、まず自分から  先日は、このカフェのマスターのぶさんに、闘病記や患者会についてインターネットを使って探すアイデアをもらった。おかげで、腰の痛みに悩んでいる母と同じ症状の方に連絡してみたところ、ネットの先にいる見ず知らずの私に、すぐ返事をくれた。その距離の近さに驚いた。同じ病気を持っている方の実体験の話は、単に医療的な話ばかりではなく、生活に即した情報が多く、母にも役立ったようだ。  このように、障がい者でもあり、がん患者でもあるのぶさんのアイデアは何か

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          20.自分に合った「患者会」を探す

          ■患者数の少ない「精巣がん」にも  今日は、このカフェの扉を開けるのがずいぶんと遅くなってしまった。夕闇が広がる時間帯にもかかわらず、のぶさんのカフェはにぎやかだ。どうやら団体客がいるらしい。  私は、いつものカウンター席に座り、ブレンドコーヒーを注文した後、のぶさんに話しかけてみた。 「今日は忙しそうですね?」 「そうなんですよ。精巣がんの仲間が来てくれて……」   のぶさんが、若いころに精巣がんの闘病経験があることは、以前に聞いたことがある。  「病気の……、お友だち……

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          19.治療法を最後に決めるのは医師ではなく自分!

          ■医師も専門分野には詳しいかもしれないが……  「『メディアに流れている医療や健康に関する情報が正しいかどうかを、医療には素人の患者が見極めるのは簡単なことではない』『自分だけで判断しようとせずに、薬剤師をはじめとした身近な医療者に相談するとよい』って、のぶんさんは先日言っていましたよね?」  春の暖かさを感じる夕刻。今日も仕事を抜け出して、カフェのカウンターに座り、マスターを相手に、コーヒーを飲みながらゆったりとした時間を過ごしている。  「でも、医療者だからといって、だれ

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          18.自分に合った健康情報を見つけるには?

          ■コーヒーは体にいい? 悪い?  「コーヒーって体にいいのよね。テレビで医者が言っていたわよ。血流を良くするって」  カフェのカウンター席。今日は店がのんびりしていて、マスターののぶさんも常連客とおしゃべりを楽しんでいる。隣の席にいた初老のご婦人が、のぶさんに話しかけた。  足に障害があるのぶさんは、カウンターの内側にある小さな椅子に腰かけて、笑顔で答えた。  「う~ん、コーヒーのプロが言う話ではないですけど、良いも悪いも、どちらの側面もありますよね」  おいしいコーヒーをウ

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          17.良い薬局を見極めるための四つのポイント

          (写真:神奈川県小西薬局:江戸時代創業の歴史を感じる文化財的薬局) ■相談しづらい雰囲気が……  カフェの窓から見える真っ赤な夕焼けは、明日の晴れを予感させてくれる。この時刻ののぶさんのカフェは、どこかのんびりしている。私は、もう1時間以上、カウンター席にいて話をしている。  さっきから、「行きつけの薬局の薬剤師と普段から付き合いを持ち、病院も紹介してもらうとよい」という話で盛り上がっている。  「のぶさん、そもそも、薬局ってどう選んだらいいんですかね? 相談に乗ってく

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          16.薬局の薬剤師から得られる情報とは

          ■いい医師を見つけたい時に  昨日に続いて今日もこのカフェに来た。昨日は仕事中だったので、話が途中で終わってしまった。そこで続きが聞きたくなり、今日は仕事を早めに切り上げた。  「のぶさん、昨日、病院の探し方のアイデアを言いかけていたでしょう? 私、最後まで聞けなかったんですよぉ。教えてくれませんか?」  コーヒーを頼むなり、尋ねてみた。最近、実家で一人暮らしの母が、腰が痛く整形外科に行きたいと言い出しているので、その参考にしたい。 のぶさんは、目の前で私のコーヒーの豆をひき

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          15.主治医を変えたいと思った時は・・・

          ■どうしてもウマが合わないと感じたら……  年明けの冷たい空気の街中。年始ということもあり、仕事もさほど忙しくなかったので、夕暮れになる前に会社を抜け出し、ぶらりとのぶさんのカフェにきた。  のぶさんと気軽に話せるカウンター席が私のお気に入りだ。常連で時々顔を合わせるご婦人の隣の席が空いているので、会釈しながら腰掛け、ブレンドコーヒーを注文した。  「今年に入ったら先生が別の病院に異動になっちゃって、主治医が変わってしまったんです」  ご婦人がのぶさんと話をしている。どうやら

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          15.主治医を変えたいと思った時は・・・

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          14.長期休暇期間の受診 処方箋の有効期限に注意

          ■正月休みを前に病院も混雑  年末も押し迫り、このカフェに顔を出せるのも今日が今年最後になるだろう。年末のあいさつをマスターののぶさんにしておこうと思って、仕事に帰りに寄ってみた。さすがに混んでいる。  寒い中、外で数分待たされた。ようやくカウンター席が空き座ると、注文とほぼ同時に温かなコーヒーをのぶさんが持ってきた。  「早いですね」  「いつも注文いただくのはこのコーヒーだし、お待ちいただいて体が冷えているだろうから、と思って……」  先読みをして、早々に淹れてくれたらし

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          14.長期休暇期間の受診 処方箋の有効期限に注意

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