ロジカルでいくか?エモさでいくか?
昨夜は、オンラインセミナーで講義をする仕事でした。
テーマは「脳内整理術」という”思考の整理家”にとっては定番的なテーマですので、そこに目新しさはありません。
ただ一つ異なるのは、ロジカルにメソッドを伝えて終わり!と違い、今回、半分は”エモさ”が出てしまったのです。
※食えない時代の解説を、自らしていた”エモい”キャプチャー画像より。
細かい内容は詳細を投稿していますので、以下の特に後半箇所をご参照いただくとして・・・
1.ロジカルさとエモさの二刀流
そもそも、「エモさ」とはなんでしょうか?
wikiによると、「エモさ」とは、英語の「emotional(エモーショナル)」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本のスラング(俗語)、および若者言葉である。
こういうスラングが出てくるというのは、ロジカル(論理)さや効率化、合理化に偏った社会の反動で揺り戻しが起きたのではないか。そんな背景が透けて見えます。
いずれにしても、昨日の仕事で”エモく”語った箇所の反響が強かったのです。
本当は、脳内整理術を語る講義だったので、メソッド箇所に反応があると理想的でした。
でもね、エモさへの高反応は僕に大きな気づきを与えてくれたのです。
やっぱり、人は感情で動く生き物である。
いくらロジカルに物事を伝えても、分かりやすさだけが残り、心が躍るか?と言われればそこまでには決して至りません。
行動のスイッチが入るか?と言われれば、やはりそこまでは行き着きません。
人間の原点である、感情や気持ちをむき出しにしてみること。これにより、心と心をこすり合わせてシンパシーの空気が流れること。
今さらながら当たり前のことに気づかされましたよ。
もちろん、ロジカルさなくして仕事はできません。しかし、ロジカル一辺倒でもどうよ?っていうお話です。
2.成功談より失敗談がひきつける
さらに、大切なことがもう一つあります。
人は成功談より失敗談を好む。
昨日は、僕が食えない時代の話をさせていただきました。
少なからず不遇な時代はどんな職業の方でもあるはずです。それを露骨に披露したのですね。
すると、どうでしょうか?
「それ、私の今の状況と同じで分かる!」とか、「鈴木さんもそんな時代があったんですね、安心した」などと反応が個別メールやコメント書き込み含め、たくさん返ってきました。
人はどうしても成功談に目が行きがちです。
でもね、成功だけで現実社会を生きている人はいないわけです。水面下ではどれだけ足をバタバタさせているか。どれだけやせ我慢を続け、空元気でいるか。
もちろん、この全ては僕自身も経験済みです。いや、現在進行形です。
だからこそ、本当の自分を知ってもらうためには、失敗談を話した方が人柄やバックグラウンドの理解、さらにいうとなぜ今この仕事なのか、なぜこのメソッドなのかの背景に理解が進みます。
考えてみると、自己紹介でもたいてい「自分はできる奴」「自分はかしこい奴」「自分はすごい奴」を見せたくて背伸びしているオーラが少々でてしまいますよね。
でも、そういう話って人は興味がないものなんですよ。だって、上には上がいますから。
「僕はすごく稼いでいますよ!」という人がいたとしても、Amazon創業者のように10兆円の資産ありますか?って言われれば、ぐうの音も出ないでしょう。
はじめに自分の失敗談を披露して、バカ話(恥部)をさらしておいた上で、どのように奮闘して今に至ったかのプロセスを後で言えばいいのです。
人は成功した結果に対しては「すごいですね」の一言で終わらせてしまいます。こちらも、承認欲求を一瞬満たされて終わりです。
ところが、失敗談と復活までのプロセスを語ることで、人となりが分かるばかりか、聴き手にとって学びまで提供することにもつながるのです。
成功談は嫉妬され、失敗談は勇気を与える
こんな観点でも、自分をさらけ出す勇気・バカなやつと思われる勇気。
これがあるだけで、コミュニケーションは円滑になるなぁと大きな気づきを得ることができました。
3.「ありのまま」が一番!
結局、分かったことは、すべては「ありのまま」が一番であるということです。
もちろん、商談の際や、シリアスな場面、人を傷つけるリスクがある場面など、TPOに応じてという条件はつきますよ。
それでも、身の丈以上の話や、ロジカルだけの話は人を魅了しません。さらに言うと、自分自身の「らしさ」を霧の中に閉じ込めてしまうリスクがあるとさえ思ってしまいます。
「ありのまま」を「エモさ」全開にして、全体の”構成”だけはロジカルに整理しておく。これがコミュニケーションの要諦であることを気づきました。
※注意※
ただし、脳内整理の時はエモすぎると、負の感情に振り回されてしまうので、TPOに応じて「ロジカルさ」と「エモさ」の使い分けができるようになること。
これが現代を生き抜く思考法の一つではないでしょうか。
何かのお役に立てば幸いです。
著者・思考の整理家 鈴木 進介
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