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優先順位に悩むあなたへ

仕事を細分化していけば、漏れなくダブリなくtodoリストが作成できます。また「緊急度と重要度」の尺度で優先順位をつければ、スムーズに仕事は着手できるでしょう。というセオリーが世間では語られます。

もちろん僕もご多分に漏れず、このセオリーを全ての基本にしていますが・・・

そうはいっても、現実的には優先順位で行き詰まるケースが多いものです。すべて優先順位が高く見えてしまうからです。あ~でもない、こ~でもないと悩んでいるうちに頭がゴチャゴチャしてきた。そんな悩みを持ったことはありませんか?

そんな時、どのように頭を整理すればよいのか。

最後は、自分の経験と周りの状況を加味したうえでの”直感”を一部導入した方がよいというのが僕の結論です。どこまでいっても完璧な優先順位など存在しないからです。こういっては身も蓋もないですが、仕事はやってみなければ何が正解なのか分からないことが多いですもんね。

ただ、この考え方はいいね!と思った切り口がありますので、共有してみたいと思います。

それは、「コソガ法」というものです。

1.コソガ法で優先順位をつける

「コソガ法」とは、「~こそが」という言葉を使って優先順位づけを頭の中で整理する思考法のことです。

このことは僕が2019年一番感銘を受けた書籍『愚直に考え抜く』で詳しく語られていますので、一部引用してみたいと思います。

たとえば、「明日は〇〇社を訪問する」という計画があったとする。これをコソガ法で置き換えると、「〇〇社を訪問すること”こそが”、明日やること」となる。そうすれば、本当にそうだろうか、と自分で理由づけをする必要に迫られる。「それは本当に明日やることなのか」と。必ず「こそが」をつけるので「コソガ法」と呼んでいる。(P.138より引用)
論理が固まらず準備もできていないのに、「〇〇こそが、最善の選択肢」と言葉にしてみると、その軽薄さに自分で気づくことになる。「コソガ法」は論理や準備、そして優先順位のウソ発見器である。(P.139)

な~んだ、そんなことか。と、あなたはガックリと肩透かしにあった気分かもしれませんね。でも、そんなことなんですよ。

「〇〇こそが」をつけて吟味したからといって、完璧な優先順位がつくかどうかは保証されるものではありません。ただし、膨大なtodo項目がある場合に、「〇〇こそが、今一番優先順位が高い業務である」と仮説で規定したら、本当かどうかを冷静に吟味する脳が働くことでしょう。これにより、一気に優先順位が高いtodoを発見しやすくなります。

人は優先順位をつける際に、業務の目的や重要性などをすっ飛ばして、緊急性や期限に反射神経でただ反応するだけに陥ることがあります。そこで、「コソガ法」をつかって冷静に優先順位の正当性に”あたり”をつけることが有効なのです。

コソガ法は、コテコテの論理や合理性から判断するというより、言葉づかいから直感を働かせて優先順位の有力仮説をあみだし、最後に合理性で検証するもの。つまり、優先的に行うべき業務の絞り込みをスピーディーに行う上で有力な方法だと僕は捉えましたよ。

2.言葉があなたの行動を規定する

「〇〇こそが」という言葉に頭の中で置き換えて整理することで、優先順位までつけやすくなる。これぞまさに言葉のマジックというやつです。

僕は、「言葉こそが自分の行動を規定する」というポリシーを持っています。

行動に直結するのはモチベーションやメンタルの類である現実も存在することでしょう。しかしながら、モチベーションやメンタルは上下の振れ幅が広く、常に安定しているわけではありません。

常に、安定的に自分の行動の指針になってくれるものは、行動につながるような(連想できる)言葉づかいだけだと思います。そういう点では、「コソガ法」はジャストフィットしますね。

ちなみに引用した書籍では、コソガ法という言葉による行動の規定は、優先順位に限らないと説いています。

たとえば、「エンジニアが×××のために、〇〇センサーを4つ」取りつけるという説明をしたとしよう。すると私は、「〇〇センサーこそが、×××のために必要なのか」「4つこそが、正しい数字なのか」と聞き返す。それに理由があれば、それは正しい答えだ。今すぐ進めてよいことになる。逆に、理由がなければ、未熟な仮説の域を出ていない。
普段の会議でも使っていると、皆が常にありとあらゆる意思決定の理由を何度も考えるようになる。これは議論の質を圧倒的に上げ、結果としてスピードアップにつながる。(P.139より)

言葉による行動の規定は何も「コソガ法」に限った話ではありません。

抽象的な言葉と具体的な言葉を使ったときには、行動が変わってくる現象も同じですよね。

たとえば、「情報共有を徹底しましょう」という会話があったとします。

情報共有といっても人によって方法は様々です。会議を開く方がいれば、メール配信の方もいて、個別ミーティングやチャットという方もいるでしょう。さらに、徹底するといっても徹底の度合いは人によって解釈がバラバラです。

つまり、言葉が抽象的過ぎると行動が規定されないか、誤解を招いてバラバラの行動になるリスクがあります。

このように、言葉によって行動を規定する型をもつこと。もっといえば、言葉によって、思考を整理し、正しい方向での行動に着実に近づけるルーチンをもつこと。これが大事なのではないかと考えています。

優先順位づけを筆頭に、言葉による思考の整理、ひいては正しい行動のあり方を規定したいものですよね。

「コソガ法」はいかがでしたか?

お試しあれ!

著者・思考の整理家 鈴木 進介

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