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オープン型オフィスは、生産性は下がる

オープン型 VS 個室型

日本のみならず、海外でもオフィスは、大部屋にいくつものデスクが並べられたオープン型が多い。海外の場合は、大部屋ながら間仕切りがあるオフィスも多くあります。生産性や効率の研究にも精通しているであろうGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)はどうしているのでしょうか。Facebookの本社のオフィスはこのようになっています。

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Facebook本社のオフィス
画像引用: INDEPENDENT/ 写真はWASHINGTON POSTのもの

仕切りはありますが、大部屋にデスクがいっぱい並んでいる状態です。お次はAmazon。こちらはピッツバーグのオフィスです。

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Amazon ピッツバーグオフィスの風景
source:  What's NEXT for pittsburgh? “Amazon expanding South Side office and hiring 125 more tech employees”

低めの間仕切りがある使用です。画面のプライバシーは守れているが、音のプライバシーは守られていないオフィスです。グーグルも似たオフィスでした。こちらはグーグルのイスラエルのオフィスの風景。

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Google イスラエルのオフィスの風景
source: tile-park.com 最先端企業のオフィスとは・・GOOGLEオフィス(イスラエル)の様子

GAFAを参照するに「間仕切りはあったほうが良さそう」と結論づけたいところです。しかし科学にはこちらもNGでした。なぜ!?

大部屋での間仕切り型オフィスは、従業員に最も嫌われる

実際のところオフィスのレイアウトによってどういった不満が一番大きいのか?という調査をシドニー大学のジョンス・キムとリチャード・デ・ディアが分析しています。その結果がこちら。

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画像引用:ハーバード・ビジネス・レビュー「間仕切り型のオフィスは、従業員に最も嫌われる」

1人用の個室で働く人以外、もっとも多い不満は「会話のプライバシー」でした。視線のプライバシーを凌ぐ不満の強さです。高い間仕切りがあってもストレスになるんですね。オフィスの音環境についての記事でも触れましたが、音は生産性に大きく影響を及ぼしてます。

雑音に関しては、ノイズキャンセリング機能のついたヘッドホンで対策をとれます。わたしはAppleのAirpods Proは、買ってみて思うのですが、これちょっと高すぎるんですよね、価格。比べるチャンスがあったら評価の高いAnkerのこちらを使ってみたいです。デザインも良いし。


シドニー大学の研究の結果をまとめると個室を持つ従業員は満足度が高かったことは予想に難くないですが、最も不満が多かったのは、高い間仕切りのある大部屋で働く人たちでした。

ではどうすれば良いのか

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従業員全員に個室を与えるのはコスト的にとてもむずかしい。先のシドニー大学のジョンス・キムとリチャード・デ・ディア博士らは、不満の多い項目のみならず、各不満とその不満と総合的な満足度の関係を回帰分析しています。不満がマイナスなら、他のポジティブな要素と組み合わせて、合計が最もプラスになるものは、何かということを分析しているわけです。その結果がこちら。

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画像引用:ハーバード・ビジネス・レビュー「間仕切り型のオフィスは、従業員に最も嫌われる」

オフィスにおいて従業員たちの満足度を最も高めるのは、作業スペースの広さ

でした。不満を減らすより、満足度を高めるという選択がこれによって生まれたわけけです。1人用の個室を設けられえれば良いわけですが、それが無理なら作業スペースをできるだけ広くすると従業員たちの満足度を高められそうです。


オープン型オフィスは集合知が減る

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写真のようにオープン型のオフィスのほうがコミュニケーションが増えそうです。しかし2018年のこちらの論文によれば、オープン型オフィスにレイアウトを変更すると従業員同士の直接のやりとりが70%も減ってしまったそうです。そして生産性も低下していました。コミュニケーションがとりやすそうなのに。さきほど紹介したグラフを観ていただくと「コミュニケーションのとりやすさ」はあまり重要じゃないことがわかります。わたしたちは、働くとき、静けさとプライバシーを求めているようです。できる範囲で、経営者は、従業員たちに静けさとプライバシーを提供するように工夫すると良いかもしれません。


対策のまとめ

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個室を従業員に与えられれば最高なわけですが、現実的ではありません。間仕切りを設けても不満は余計に増えてしまう。満足度が増える環境とあわせて考えていくと

(1)作業スペースをできるだけ広くとれるようにする
(2)パソコンの画面には覗き見防止フィルターを設置する
(3)ノイズキャンセリング機能ヘッドホンの支給
(4)温度を快適にする

というのがコスパの良い対策になりそうです。覗き見防止フィルターは仕切りを設置するより低コストで済みます。モニタの大きさにもよりますが、1台につき、3,000円〜6,000円で済みます。


温度は、記事内では触れていませんでしたが、不満の多さでは第4位でした。また生産性にも影響を及ぼします。オフィスと温度の関係についてはこちらで紹介しました。


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参照

Workspace satisfaction: The privacy-communication trade-off in open-plan offices



#科学 #ビジネス #ビジネススキル #エグゼクティブ #経営者 #生産性 #オフィス




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