【東村山編集室】地域のため空き家活用『空の間(そらのま)プロジェクト』
地域密着型コミュティスペース『空の間ハウス』オープン!
どもども!東村山編集室 ライターの suzumitsu(すずみつ)です。
東村山の “もっとみんなに知ってほしい!“ あれやこれやをお届けすべく【東村山の宝探し】継続中〜♪
突然ですが問題です!東村山市内にある『空き家(※1)』の数、どれくらいあると思いますか?
その数なんと665戸!そんなにぃぃぃ?!・・・これ、東京都さらには日本と視野を広げていくと信じられない数の空き家が活用されず朽ちるのを待っているのが現状。日常的にママチャリで東村山近郊を西へ東へ大暴走しているワタクシですが、市内にはまだ住めそうな空き家があちこちに目立つこと目立つこと!!きっとやんごとなき事情で空き家になっているのは想像に難くないのでそんな家々を横目に
「お庭広いな~、キッチンカーおいてランチ販売したら流行るかも」
「空き巣とか大丈夫なのかしら?」
「もったいないから何かに活用できないのかな?」なんて思いを抱きつつ暮らしていた中、一つの素敵なNPO 団体に巡り合いました。
使っていない空きスペースと場所を探している人をつなげる マッチング団体 『NPO 空の間プロジェクト』です。
現在は恩多町 2 丁目に借りた一件目の 空き家『空の間ハウス』を管理しながら、空間と人のマッチングを行っています。
今回はそんなプロジェクトの皆さんにお話をうかがってきました。
≪※1 ・・・ここで言う『空き家』とは詳細調査・机上判定精査で判明した空き家件数を指します。情報ソース:令和4年度3月東村山市空き家等実態調査報告書より≫
キッカケは絵画教室の場所探し
集まっていただいたのは、このプロジェクト代表の阿久津弘子さん、代表サポーターの神安千穂さん、『空の間ハウス』家主さんの友人で管理人でもある水野敏幸さん、会計の仲間信義さんの 4 人。
活動のキッカケは、代表サポーター神安さんの「近所に絵画教室が開けそうないい場所ないかな?」という思いからでした。本業は自宅で絵画教室を営む絵の先生。その自宅教室が手狭になり、「教室を開けるいい空き家ないかな?」と実姉であり東村山市自治会活性化委員会会員(※2)の菅原千稲さんに相談したそう。そこから話はあれよあれよと転がって大きくなり、いつの間にか「増え続ける市内の空き家を活用することで地域の活性化を図りたい」
そんな想いを抱く有志メンバー10人が集まり『NPO 空の間プロジェクト』は晴れて始動。2020年7月のことでした。
空き家を活用したいけれど、肝心の空き家を貸してくれる人はなかなか現れなかったと語るメンバーの水野さん。
そこで考えたのが【終活セミナー】の主催。集まってくださった方々に終活の一環として空き家になる前の家の整理方法や空き家の活用事例を紹介し、空き家についての相談を受けることを始めました。
そんな活動をする中で「叔母が施設に入ったし、賃貸として知らない人に住んでもらうのは抵抗があるからみんなで使って!」と言ってくださるメンバーの友人が現れ、一軒の空き家を恩多町 2 丁目に借りられることになったのです。
『空の間ハウス』と名付けたその一軒家を皆で掃除し、レンタルスペースとして使用できるよう様々な準備をすすめました。
そして手始めに、空き家の利活用の一例としてその場所で『空き家の生前整理バザー』を 2023年4月に開催し、『空の間ハウ ス』の中はよりスッキリとした空間になったのです!
≪※2・・・東村山市自治会活性化委員会とは、市から委嘱された市内自治会の役員経験者等の有志による組織で、東村山市の自治会を活性化させることを目的とし、自治会が抱えている悩みや課題が解決できるよう具体的な解決策を会議で検討したり、自治会活動をサポートする委員会です≫
気軽に使えるコミュニティスペース!
最近「利用したい!」という問い合わせや見学希望の方が徐々に増えてきた 『空の間ハウス』。利用希望者の目的はマッサージのチャレンジショップだったり、習い事の場としての利用、自治会の会合など様々。
でも共通していることが一つ!そのどれもが「飾らない日常の一コマ」としての利用希望です。
『空の間ハウス』は大々的なリノベーションをしたり、SNS に映える家具を揃えたりはしていません。単なる”貸し借りの場”を提供したいのでも”小洒落た非日常”を提供したいのでもなく、“空いている家(空間)を整えて、地域に溶け込み誰もが利用しやすい場を提供する”、言い換えれば “地元コミュニティのための潤滑油になること” がプロジェクトの目的だからです。
オシャレな空間を用意することは簡単です。
しかしこの『NPO 空の間 プロジェクト』は今あるものを無理せず活かし、地域へ、人へ還元したい!そんな想いで活動しているのです。
開始当初の活動資金は立ち上げメンバーからの会費で賄い、今も活動に関わる一切の業務は無報酬の完全ボランティアです。皆、昼間は本業がありながら、この片手間では立ち行かない壮大なプロジェクトに真剣に向き合っておられます。『空の間ハウス』の管理やレンタ ルに付随する書類作成、広告作成や広報活動、助成金申請の準備、終活セミナーのスライドやパンフレット作成などなど、そのすべてがメンバーのホスピタリティのみで成り立っている、そんなプロジェクト!その原動力はひとえに「空き家の利活用で東村山を明るく活気ある住みやすい街に!」その想いのみ!...ひえぇぇ、同じ市民として頭が下がる想いです!
『空の間ハウス』のバザーで不用品の整理をしませんか?
「皆さん、空き家の中のモノを捨てずに放ったらかしの状態が多いんですよね。だからそんな空き家の終活・生前整理を兼ねたバザーは秋口にでも『空の間ハウス』で出来たらいいなぁと思っています」
そのほかにも今後は、整理収納アドバイザー資格を持つ神安さんによる『モノの整理についての座談会』や小規模でもっと気軽な終活セミナーがこの『空の間ハウス』で開かれる予定です。
直近『空の間ハウス』で行われるイベントは以下の通り。
6月28日12時~18時
【児童委員による子供の居場所】
6月19日10 時~12 時
【ヘッドカッサ】30 分 3,000円(要予約)
6月30日12時半~
【なつかしの映画サロン】上映映画-ある夜の出来事-
7月 1日10時~12時
【ゆるっと絵画教室】2,000円(要予約)
※各日、イベント詳細はホームページをご確認ください。
『空の間ハウス』の利用料金は 3時間 2,000円、最大収容人数10名ほど。利用目的によって事前準備が必要な場合はその段取りなども相談可能とのこと。ガスが通っていないのでキッチンの備え付けコンロは使用できませんが、IHコンロやカセットコンロ持ち込みは OK。水道や電気はもちろん使えます。駐車場一台分有り(※ただし軽のみ)
「とにかく場所を必要としている地域の人に気軽に使っていただきたいので、非営利目的の利用(お友達との集まりや自治会会合など)ならば、設定料金よりも安い金額で利用可能です。立ち上げたばかりのプロジェクトで我々も試行錯誤の日々。利用に際してご相談いただければいろいろとご協力できるかもしれません。」
空室状況、ご利用にあたって詳しくはホームページをご確認ください!
空いている空間、活用しませんか?私たちがお手伝いします!
子育て支援やボランティア活動について明るい知見を持つ代表の阿久津さん をはじめ、メンバーと豪快に笑いながらざっくばらんに思いをきかせてくれた神安さん、地域への思いを話し始めると止まらない水野さん、市内のボランティア活動をいくつも精力的にこなしている仲間さん。
皆、東村山への想いが溢れ活き活き輝いている方々でした。今月、さらに広報担当の新たなメンバーが加入予定とのこと。
「『空の間ハウス』の運営をモデルケースとして他の空き家の利活用も考えていきたい。今はちょうど東村山市シルバー人材センターさんとの新しい試みが始まりそうです」嬉しそうに教えてくれた水野さん。
「市内の空き家を活用して地域を盛り上げたい!」
「空き家を通して街の人が繋がれる場所を提供したい!」
そんな想いを胸に今後の展望としては「第二、第三の空の間ハウス、空間を作って地域の皆様といっしょに東村山を盛り上げていきたい、そのためには、市役所のような大きな組織と連携を図れれば理想的」だと声を揃えるメンバー。
実は東村山市役所でも空き家対策の相談窓口を設けて利活用のためのセミナー、提案や試算も行っています。また有識者による空き家対策協議会では、実際の空き家の利活用に向けて複数の計画案が協議されていますが、この『空の間プロジェクト』のような民間団体との利活用はまだ検討段階に留まっている現状です。
まずは、空き家オーナーさんとどう繋がるか?が目下このプロジェクトの最大の難関となっています。
「うちの空き家どうかしら?活用できるかしら?」
「家は空いているけれど、ちょっと人が出入りするのは…でも庭だけでも活用してほしい!」
「昔やっていた店舗部分が丸々空いているから使いたい人がいるなら使ってほしい!」
そんな想いと空き家(空間)を持て余している方、是非『NPO 空の間プロジェクト』にご一報を!心強いことに、プロジェクトには行政書士や宅地建物取引士など専門知識のあるメンバーがいるので、要望に親身に寄り添ってもらえるはずです。
東村山市 SDGsパートナーにも認定されている『NPO 空の間プロジェクト』、地球に、地域に、人にやさしいこの活動を通して、市内の空き家が地域に愛され親しまれる空間となるように、是非、市を挙げてこの利活用プロジェクトを支援し、地域活性化を図っていただきたいと切に思う今回の材でした。私も何かお手伝いできることあればします!
『空の間プロジェクト』
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