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サピエンス全史に見る「見えないもの」への向き合い方…。

以前にも「サピエンス全史」を紹介しましたが
最近youtubeでオリエンタルラジオの中田さんが取り上げていたので再度注目してみることにします。
しかしこの圧倒的ボリュームの「サピエンス全史」を掻い摘んで分かりやすく解説している中田さんに感服ですね。分かりやすい!

ボクのnoteを読むよりよっぽど分かりやすくリアルで
内容がスイスイ頭に入って来ます。いや~さすがです。
ボクはあまりの内容の長さに「認知革命」のみ簡潔に紹介しましたが
中田さんは「科学革命」まで解説しており全3部構成で非常に見ごたえのある動画に仕上がっていますので興味がある方はぜひ見て下さい。

振り返りになりますが


サピエンス全史のすごいところは
その圧倒的ボリュームと圧倒的な世界観にあります。


中田さんも言っておられましたが大概の人はこの本を読もうと思っても
「原始人の話だから面白くない。」
という理由で挫折、脱落した人が多いらしいのですがまさにこの部分にこそ他の本とは違う世界観が凝縮されているんです。

このメッセージを読み取れるかでこの本の本質が劇的に面白くなります。



よく見かけるこの図。

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人類は進化を遂げて今の姿になったと教わってこられた方が大半だと思いますが、実は「そうではない」と否定しているのがこの本の真骨頂。

人類は左から右へと進化の変遷を辿っているのではなく、色んな種族がいて最後に生き残ったのが我々の祖先「ホモサピエンス」であると言うのです。

今更ちゃぶ台ひっくり返すような事言われても戸惑ってしまいますが
同じ「人類」という属種の中に今と違う人間が複数いたってことらしいです。

想像つかないですよね。

でも居たんです。今とは違う人間が…。

どゆこと? 

人類は名前がついているだけで約25種あり、
実際は100種くらい存在したかもしれない。と言われています。
ホモサピエンス以外のホモ属も7種くらいあったそうで、もう何が何だか分かりません。


「人類」が何種類もあったという事も驚きですけど
人類という同じ種族同士の中でも、腕力も知能も最も低いと言われていた
我々ホモサピエンスがなぜ生存競争に生き残ったのか?

違う人間同士が争い、特別に優秀だったわけではないホモサピエンスが
なぜ唯一の人類となったのか?

これがこの本の序盤の醍醐味なのです。
というか序盤にして最強の核になる部分であり
最もエキサイティングな重要なポイントなのです。

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ホモサピエンスには3つの革命が起きました。

「認知革命」
「農業革命」
「科学革命」

その最初の「認知革命」が激烈に面白くて破壊的であり極めて創造的な概念なのです。そしてこれさえ理解すればこの本を理解できると言っても過言ではないほど重要なパーツがいきなり序盤に登場します。

まさに衝撃にデビューアルバムって感じの破壊力。
たった1枚のアルバムで世界の景色を変えてしまったスターのように
たった1つの概念が世界を根本から覆すような恐ろしい概念を序盤からぶっこんできます。

中田さんもこの「認知革命」については丁寧に何度も説明しているように
本当、ここが理解できると各段に面白くなるんです。

「認知革命」とは一言でいうなら

我々は「虚構」を信じることで生存してきた。

この能力こそが人類を地球上で最強の生物として君臨できた証であると言うのです。


「虚構 = ウソ」

ウソををつけるようになったこと
ウソを信じれるようになったこと

つまり
「ウソかも知れないものを信じる」といった能力が人類を発展させた要因だと結論づけているのです。

ウソつきは泥棒の始まりならぬ
「ウソつきは人類の始まり」というストーリー。

まさに驚きの人類発展の歴史です。

悪いものの代名詞とも捉えられている「ウソ」
人類の最強の特殊能力だったなんて非常に興味深い内容です。


ここの掘り下げ部分は前回記事でご覧になってください。


「ウソ」とは、良く考えてみると現代のそのほとんどが「ウソ=虚構」で成り立っているなぁと納得させられます。マンガにしても映画も小説もほとんどが創作された「ウソ」ですからね。ファンタジーですよ。ファンタジー。

国家もお金も宗教も
み~んなファンタジー。

だけどみんなそれを拠り所にして生きている。
みんながそれを信じて共有している。


そのストーリーを共有して生きているって何だか不思議です。


そもそも国境にしろ、お金にしろ、宗教にしろ
人類が勝手に作り上げたもので始めからあったものではなく、
本当の真実ではありません。

サピエンスが勝手に作った線引きに過ぎません。

だけれども
その虚構を作り上げ、信じる力こそがサピエンスの本当の力なのです。

その特殊能力で
人類最強の種族に成りあがったというのが本書の本質部分でした。

しかしながら
「見えないものを信じる力」で発展した人類の歴史の中で
現代では「科学」の進歩により「見えない」ものが段々と解明されるようになってきたことによって「科学」では解明できないものは信じるに値しない風潮にもなっています。

なぜ雨が降るのか、地球は丸いなど
昔は不思議だったものも科学の力によって解き明かされてきましたし
火の玉や、かまいたちのような
あらゆる超常現象も科学の力で解明されてきました。

まさに現代は「科学」が最強とさえ思える社会へと変貌を遂げています。
確かに科学の力によって人類は更なる進化を遂げることができていますが…

この後の続きは「科学革命」編へと進んでいきます。
より哲学的で非常に難解になってきますがやはり面白い…。
是非このあとはご自身で手に取ってみてください。


最後に

「実際に目で見たものしか信じない」人種が滅びていったように
我々も「見えていることがすべてだ」という社会へこのまま進めば今度は我々が滅びゆく種族になる可能性は十分にありえる話ではないでしょうか。


まだまだ未熟な我々ホモサピエンスには
大切にしなければいけないものの中に
「見えないもの」は存在していると思います。


ありがとうございます!お気持ちは寄付させていただきます。