読書感想:銃
好きな作家の一人、中村文則のデビュー作。
この方の本を読むのは8冊目。
あらすじ(裏表紙の紹介文を借用)
雨が降りしきる河原で大学生の西川が出会った動かなくなっていた男、その傍らに落ちていた黒い物体。
圧倒的な美しさと存在感を持つ「銃」に魅せられた彼はかやがて、「私はいつか拳銃を撃つ」という確信を持つようになるのだが・・・。
TVで流れるニュース、突然の刑事の訪問。
次第に追い詰められて行く中、西川が下した決断とは?
先に結論を書くと、すごい好き。
全体的に鬱々としてる。
まさに私の求めていた「中村本」!
まず、くどすぎない、けども私的にちょうどいい言い回し・表現が好き。
シンプルなストーリーで、主人公の心理描写メイン。
他者から見れば堕落。
だが主人公目線では、元々のサイコ部分をどんどん才能?本性?を開花させていく、真の自分を解放していく物語とも言える。
終始サイコパスな主人公目線で物語は進むけど、絶妙にちりばめられた共感できなくもない感情と、丁寧で読みやすい心理描写なので、読む側もしっかりついていける。
ここら辺はホントにこの作者の天才なところだと思う。
以下、本書と関係ない内容。
ここ2~3年小説読むことが多くなったが、自分の好み、どストライクゾーンが判明しつつある。
まとめると「暗い、生きづらい感やサイコ感ある、心理描写、シンプルなストーリー」的な本。
なぜこの傾向が好きなのか?具体的などんな本か?はいつかしっかり記事でまとめたいなと思うが、ざっくり言うと「私の平和な生活、思想にパンチを食らわせてくる感覚」が好きなのかもしれない。
終わり。
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