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普通であることの勇気

最近見た、林真理子さんと成田悠輔さんの対談の中で、林さんが言われていたことがずっと頭の中に引っかかっていました。

それは、「最近の人たちは自己肯定ばっかりし合ってて、慰め合いすぎている」というもの。

「『そのままでいい』『ほどほどでいいんだ』は、ちょっと違うし、世の中の不満が煮詰まってて、結局何がほしいか分からない」とおっしゃっていました。

もちろん、これを否定したいわけではないのですが、上に行きたいとかお金がほしいという分かりやすい悩みではなくなったことの理由の一つとして、自分軸を持つ人が増えたんじゃないかなって思ったのです。

目標や夢、目指したい場所が、会社や仕事で得られる評価や自分の役割に対しての到達点ではないということは、他人や社会が基準の成功ではなくなったということ。

職場の5年後輩の男の子は、こんなことを言っていました。

「僕は、会社で評価されたいとは全然思わないんです。ただ、自分が売っているカーテンが好きで、接客が好きなので、仕事は変えたいと思ったことはないし、これからも頑張りたいです。」

私も含めて多くの人は、仕事は、頑張るからには評価をされたいと思ってしまうものだと思うけれど、こんなにはっきりと自分の軸で働くことができれば、それはそれでとても立派だと思いました。

だから、上司に対して、媚を売ることもないし、理解できない指導に対しては、分からないと言えてしまう。

実際に、上司の指示は絶対だと思っている上司からの彼の評価はすごく低かった。

そうなると、出世するのはとても難しいのが現実。

普通の社員であることを自ら選んででも自分の働き方に誇りを持つというのは勇気のいることですよね。

アドラー心理学でも、こんな言葉があります。

普通であることの勇気

働いた先で何を実現したいの?
3年後、5年後はどうなっていたいの?
将来、どんな自分でいたいの?

これらの問いに対する答えが、他人からの承認ではなく、自分の基準で答えられるようになった人が多くなったのではないでしょうか。

だから、やっぱり答えは人それぞれで、林さんには何がほしいのか分からないというのは当然のことのようにも思えたのです。

上に行くのではなく、今目の前のことを精一杯頑張ることが目標の人もいるでしょうし、お金はあればあるほどではなく、自分に必要な分で充分という人も当然いる。

普通であるからこそ出せるオリジナリティがあったり、手に入れられるモノがあって、大事なモノに気づくことができるとも思うのです。

人がそれぞれに持つ野心も、多様性が出てきたということでしょうか。

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