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【GoogleMap離島巡回の旅】#12 佐賀編 松島(まつしま)


 加唐島より辰の刻過ぎに「かから丸」(四十八石積み)の船に乗り込み、十七分ばかり波に揺られつつ、呼子の港へ帰着仕り候。

 少憩をいたした後、巳の刻下がりに呼子の港を発つ「新栄」(四石五斗積み)の小船に乗り込み、十五分にて松島の港へと到着仕り候。





■ 松島(まつしま)について




 松島(まつしま)は、東松浦半島最北端に位置する波戸岬より北に四里(約四キロ)にござる玄界灘に浮かぶ島でござる。松島は佐賀県唐津領に属し、大字を唐津市鎮西町松島と申す。


松島 「提供 国土地理院」


 往古、松島は無人の地にてござったが、江戸も末の安政年間に、加唐島の住人であった宗貞八なる者が松島を譲り受け、娘のウメと共に開拓を始め申した。

 その後、長崎の黒島よりイカ釣りに来ておった福蔵という者を婿養子に迎え、福蔵は郷里の黒島より仲間を呼び寄せ、島の基礎を築き上げ申した。

 黒島は隠れキリシタンの島にて、松島に移り住んだ者たちも皆カトリック信者でござった。

 明治六年(1873年)のキリスト教解禁まで、隠れ信徒として慎ましく信仰を守り続け、その教えは絶えることなく、今も島民のほとんどがカトリック信者としてその生活を営んでおる。

 港近くに建つ「 松島カトリック教会」の白壁が、堂々とした姿を見せており申す。



 この島では漁業が主たる産業にて、ウニやアワビ、サザエなどが海士により獲られ、イカの一本釣りも盛んに行われておる。

 土地が急峻にて耕作には不向きなため、農業は限られた自給的な甘藷栽培が行われてきたが、近年では島の活性化を図るべく、オリーブの栽培なども試みられておるようにござる。



 松島周辺の海は魚介に恵まれ、小松島や高瀬、大岩などの磯場は釣り人にとって格別の場所とされており、瀬渡船に乗り訪れる者も少なからず見受けられ申す。

 以前は島内には宿も店もなく、観光で訪れる者は少のうござるが、港や道路の整備が進められ、散策もしやすくなっておる故、山道を登り玄界灘の絶景を望むもまた一興にござりましょう。


 なお、平成十三年(2001年)には、映画「親分はイエス様」(斎藤耕一監督、渡瀬恒彦主演)の撮影地ともなり申した。





■ 島の見所


名所壱 松島カトリック教会(まつしまかとりっくきょうかい)


三百六十度の眺望を覧んと欲せば、こちらへお進み下され。👇



 唐津の松島にございます松島カトリック教会は、島の歴史と共に深い縁を持つ聖なる場所にて候。

 この島は、かつて隠れキリシタンが密かに信仰を守り続けた地として知られ、明治六年(1873年)にキリスト教が公に認められるまで、その信仰をひた隠しにしており申した。

 その信仰は今に受け継がれ、松島の民のほとんどがカトリックの教えを篤く信じ、教会はその信仰の要としての役割を果たしており候。



 松島カトリック教会は、島の南に位置し、松島漁港からほど近き所に立ちおり、白く輝くその姿は、島の象徴と申すべき存在にてござる。

 訪れる者を静かに迎え入れ、その簡素ながらも荘厳なる佇まいは、島民の心の拠り所と相成っており候。教会内には聖像やステンドグラスが据えられ、信仰の象徴として島民の心に響きおる。

 この教会は、松島が無人の島より開かれし時代、隠れキリシタンたちがその信仰を公にできるようになった後に建てられしもので、島の生活と自然の美しさとが見事に調和し、清らかなる雰囲気を漂わせており候。



 松島カトリック教会は、ただの信仰の場に留まらず、この島の歴史と文化を知る上で欠かせぬ場所でござり、訪れる人々に深き感銘を与えること必定にござる。

 今もなお、教会は島民の信仰生活の中心として、島の心と共に息づいており候。





■茶屋・料理屋・宿屋


名所弐 漁師宿 あま小屋(りょうしやど あまごや)


三百六十度の眺望を覧んと欲せば、こちらへお進み下され。👇



 「あま小屋」と申す宿は、九州北部の玄界灘に浮かぶ離島「松島」に位置する漁師宿でござる。

 この宿は、松島港を拠点とし、船「栄光まる」にて高級魚「アラ(クエ)」を狙う漁を楽しむことができ申す。

 また、先々代より受け継がれてきた素潜り漁師たちの歴史と伝統が感じられる場でもあり候。


栄光まる 
出典: 漁師宿 あま小屋(https://eikoumaru.wixsite.com/amagoya/


 宿の名「あま小屋」は、松島近海でアワビやサザエ、ナマコなどを水揚げする素潜り漁師の営みに由来致し候。

 元来、松島では男性の漁師を「海士(かいし)」と呼び、厳しい海で漁を行う彼らの姿を温かく包み込むような宿とするため、この名がつけられ申した。

 先代の頃には、冬の寒さ厳しき折にも裸で海に入り漁を行い、漁が終われば船着き場の小屋に集まり、囲炉裏を囲んで温まりながら、獲れたての海の幸を味わったものでござる。

 そのような昔日の賑わいと温もりを再現した宿がこの「あま小屋」でござる。


本日の献立(例) 
出典: 漁師宿 あま小屋(https://eikoumaru.wixsite.com/amagoya/


 この宿は玄界灘を一望する絶景が自慢にて、南には波戸岬や玄海町、北には壱岐の美しい景色が広がり申す。

 また、松島港に到着すれば、宿からのお迎えもございますれば、安心して足を運ばれるが良い。



 中でも特筆すべきは、松島の磯から集めた石をふんだんに使って作られた岩風呂にござる。

 その中には、ハート形の石も潜んでおり、訪れる人々にささやかな喜びを与えており候。

 冬場には、厳しき北風の吹く中、松島の裏手で見られるイカ釣りの漁火が、まことに幻想的な光景を演出致し候。


松島の夕焼け
出典: 漁師宿 あま小屋(https://eikoumaru.wixsite.com/amagoya/


 「あま小屋」は、松島の自然と伝統に包まれた温かい宿でござり、釣りを楽しむお方にも相応しい宿でござる。

 チェックインは夕刻の五つ時(17時)、チェックアウトは昼過ぎ(12時)まで、訪れる者に癒しと温もりを提供いたしており申す。





名所参 ON THE CLIFF(おんざくりふ)



 佐賀県唐津市の遥かなる松島に、只今新たに登場いたしたる「ON THE CLIFF」、これは1日1組のみを迎える、殊更に贅を尽くしたるグランピングの場にございます。

 此の地、松島にて、海の蒼き深き景色を前に、悠々と過ごす非日常のひとときをお楽しみあれ。




 此の施設、室内42㎡と、広大なるウッドデッキ150㎡(室内を含む)を有し、目の前に広がるは、まことに美しきコバルトブルーの海。

 御宿泊の者には、松島産の海の幸をふんだんに使いしBBQにて、極上の夕餉を、また、朝にはゆったりとした非日常的な朝餉が賜る様、至れり尽くせりにご用意いたします。



 また、施設に於いては、様々な楽しみがご用意されています。島の防波堤にて釣りの体験、サップ(SUP)にて水面を進む爽快感、または、透明なる水中にてシュノーケリングの楽しみもあり。

 周囲3.6kmの松島を船にて巡るプライベートクルージング、さらには、夕陽を眺めるサンセットクルージングもお楽しみいただけます。

 加えて、「とんこ山」にて、大パノラマの景色を見渡し、心に残るひとときをお過ごしくださいませ。



 サウナにては、玄界灘の壮大なる景色を眺めつつ、サウナと外気浴にて「ととのう」特別な体験をお楽しみいただけます。

 水着のご持参を賜りますれば、サウナハットやポンチョもご用意いたします。



 更には、松島生まれの名シェフによるイタリア料理の「リストランテマツシマ」にて、事前予約の上、本格的なるコース料理をお召し上がりいただけます。

 朝食のブランチ変更も可能にて、島の食材を活かした料理を存分にご堪能いただけます。



「ON THE CLIFF」にて、贅沢なる食事と共に、此の地松島にて過ごす特別なる時間を、心ゆくまでご堪能くださいませ。


部屋紹介
出典: ON THE CLIFF(https://onthecliff.jp/




名所四 Ristorante MATSUSHIMA(りすとらんてまつしま)



 松島の奥深き一隅に佇む「リストランテマツシマ」は、佐賀の地にひっそりと息づく名所なり。

 この庵は、かつて漁師にて、今は腕を振るう料理人・宗勇人殿が、自らの住まいを改めて開かれしものでござる。



 ここにては、島の海がもたらす珍味をふんだんに使用した、贅沢なるコース料理を賜ることが叶う。

 店内は、まるで別天地の如く、窓外には美しき港と広がる青き海が望めるゆえ、目にも楽しき景色が広がりたり。



 料理の始まりに、宗勇人殿はその日採れし食材を前に、心を込めたご挨拶をなさる。

 前菜の盛り合わせは、一品一品が職人の技にて丁寧に作られ、食する者をもてなし、感動を与えん。

 主役の「アラカブのアクアパッツァ」には、三十センチほどの大きなアラカブが登場し、ワタリガニやムール貝、アサリ貝のだしが溶け込んだ絶品の味わいにて、心も身体も満たされること必至なり。



 また、宗勇人殿のもてなしもまた格別なり。船着場にてお迎えを受け、帰りには船が遠くへ去るまで手を振り続ける姿に、心温まることこの上なし。

 店へのアクセスは、呼子港より定期連絡船にておよそ15分、松島港より徒歩で約5分の道程なり。

 駐車場は無きゆえ、予めの船便の確認を忘れずに。

 営業時間は10時より22時まで、4月より10月の間にて営業す。

 料金はコース19,000円にて、2名より、1日1組8名まで、予約は1週間前までに要なり。

 「リストランテマツシマ」にては、ただの食事を超え、心に残るひとときを過ごすことが叶うにて、まことに貴き体験となることでござろう。




■ 次の目的地

次回 #13 馬渡島(まだらしま) を巡り候。楽しみにしておるがよい。

付録:大日本沿海輿地全図(離島巡回の旅)



【烏賊(いか)が恋しくなりし方々へ】

呼子の地で定番とされし「いかしゅうまい」をご紹介申し上げます。この逸品、Amazonにてお取り寄せ可能なり。

ご自宅にて、呼子の味わいを楽しむべく、ぜひ一度お試しあれ。(宣伝)



■ 参考資料

  • 「松島 (佐賀県)」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)2024年8月18日8時(日本時間)現在での最新版を取得。

  • 「松島 -まつしま-(唐津市鎮西町)」『浜を楽しむ 唐津、伊万里、玄界』(https://www.karatsu-hama.net/)2024年8月18日8時(日本時間)現在での最新版を取得。

  • 「佐賀県の島=玄海諸島>松島」『日本の島へ行こう』(https://nihonshima.net/)2024年8月18日8時(日本時間)現在での最新版を取得。

  • 『漁師宿 あま小屋 』(https://eikoumaru.wixsite.com/amagoya)2024年8月18日8時(日本時間)現在での最新版を取得。


■ GoogleMap離島巡回の旅 "佐賀編"




拙者、Amazonアソシエイトなるものに挑む所存なり


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