選手寿命10年は本当か。巨人のドラフトを2009年から振り返る。

こんにちは。すずです。

今朝、なんとなくYouTubeを観ていたらこんな懐かしい動画を見つけました。

長野がドラフト入団してすぐあとだと思うので、2009年オフ〜2010年初めの動画でしょうか。

2009年はどんな時代だったかと言うと、4番レフトラミレスがMVP、首位打者、最多安打の三冠王。2番センターの鈴木尚広から育成から這い上がった松本哲也がレギュラーを奪い新人王。そして亀井は1番ライトで谷佳知からレギュラーを奪った年でした。

そこから10年、松本哲也は現巨人の2軍外野守備走塁コーチ、長野は丸の人的補償で広島へ。そして亀井は巨人で引き続き外野のレギュラーを任されています。

「もう10年も前かぁ〜」と思うとともに、ふと「プロの平均寿命は10年」と言う記事を思い出しました。そこで今回は巨人の過去10年のドラフト獲得選手が現在どのくらい現役を続けているのかまとめてみます。

プロ野球選手の平均寿命について

こんな記事がありました。記事によると球界平均では90年代は平均して11年ほど。10年以上在籍する確率は48.3%。

データによると、2000年代になっては4年の壁なる一つの目安が生まれ、4年で見切りを付けられるか、それ以上長く現役でいるか大きく分かれるようです。10年以上の在籍確率は41.1%。

差で言うと7%ほどなんですが、決して小さくはない変化だと感じます。

記事にもありますが、2000年以降は球団再編や社会人野球とNPBの関係性、独立リーグ、FA、トレード、僕は分業性による役割の限定化なんかも関係あるのかなと思いますが、所謂近代野球では90年代とは勝手が違ってきたのだなと思っています。

巨人のドラフト入団選手(2009~2018)

2009年〜2018年の10年間のドラフトで指名された選手は115人。

2019年指名は現在1年目なので、x年以上と判断が出来ないため2009年から2018年の10年間にしました。

現役選手は65人。ここでの現役は育成での再契約や他球団で現在プレーしている選手も含みます。「巨人で現役」ではなく「プロ野球選手として現役」を基準にしています。割合だと57%ほど。

2017~2018の26選手が全員現役なので数字はどうしても高いですね。

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2009年は丸の人的補償で広島に移籍しプレーを続ける長野のみ。2010年はドラフト1位の澤村、2位の宮国のみ。

11年は少し多く、今村、一岡(現広島)、高木、田原。12年は菅野と公文ですが、公文は現在日本ハム。巨人で現役という観点だと菅野1人です。

指名順位別に見てみましょう。

画像2

やはりドラフト上位の方が確率的には現役を続けていますね。

面白いのはドラフト6-7位より育成1位と育成3位の方が多いこと。

育成1位の現役選手は増田大、高井俊、比嘉、山下航。

この中で増田大と山下航は支配下登録されており、増田大は1軍で盗塁王争いを繰り広げる代走の切り札に。山下もイースタン首位打者でブレイクが期待される選手です。

育成3位は、田中貴、山川、笠井、沼田。田中貴と沼田は支配下登録されています。田中は2軍の主軸、今季は開幕1軍も経験。沼田は開幕直前まで1軍に帯同し支配下を勝ち取りました。

ドラフト上位は現役を続け主力になっているか

巨人の場合、2009年から2018年までのドラフト1位選手は、11年1位松本竜(野球賭博関与で契約解除)を除く9人が現役です。現役率は90%。

顔ぶれとしても、長野、沢村、菅野、小林、岡本、桜井、吉川、鍬原、高橋と1軍経験の選手ばかりで半数以上がタイトルホルダー。

ドラフト2位入団は80%、3位入団は60%、4位入団は70%、5位入団は50%,

6位入団は80%、7-8位入団は67%。3-5位入団より、6-8位入団の方が現役を続けているというのも意外な結果でした。ただ、やはり1-2位は80%以上と差はあるようです。

育成選手が現役を続けられる可能性

対象の10年間で育成入団は56人。その中で現役を続けている選手は21人。

3年以上現役を続けている選手は3人。14年育成3位の田中貴、
15年育成1位の増田大、15年育成6位の山下(現在は橋本に登録名変更)。

育成選手は原則的には2年間しか支配下のチャンスがありません。球団はこの2年で支配下登録するか、再度1-2年の育成契約を結ぶか、戦力外通告をするか判断します。

そのため、3年以上選手として残ることは非常に狭き門なのです。

巨人の今後の若手育成

(ほぼ)ドラ1しか活躍していない。という現状の巨人。

特に育成から支配下に上がる選手も少なく、その中で1軍に通用するとなるとごく僅かです。原監督も先日インタビューで「(ここ数年では)増田くらいじゃないのか」とコメントしていました。

そのドラ1も、18年1位の高橋、19年1位の堀田が故障。高橋は実戦復帰していますが、堀田はトミージョン手術のため今シーズンは絶望です。

一方で、支配下選手70人と限られているため、せっかく背番号を与えた選手が短い年数で戦力外にならないように、見極めが必要になります。

そこでシーズン中の異例の大人事。

井上3軍監督がファームディレクターに、矢貫広報がファームディレクター補佐に、二岡3軍総合コーチが3軍監督に異動しています。

二岡コーチは特に若手の育成に熱心で選手からの信頼も厚いです。

この記事は19年11月に2020年シーズンの人事発表があった後の記事。

矢貫広報は広報チームのチーフとしてファンの喜ぶような企画を多く進めてきた人物です。特に今シーズンは開幕が遅れ12球団が様々な方法でファンサービスを実施しましたが、インスタライブを初め巨人広報チームは他球団のモデルケースのような広報活動を多く実施しました。


この記事は阿南広報寄りですが。。。

パリーグだとソフトバンク、セリーグだと広島のように若手育成に定評のあるチームは安定して好成績を残しています。

巨人はこれまでFAやトレードによる補強メインで生え抜き選手ももちろん先のデータの通り活躍するのですが、人数としてはほぼ全員ドラ1という少なさです。

内海、長野と言った生え抜きベテランが人的補償で流出する中で、チームは若返りながら育成の巨人としての変革をしているのかもしれません。

2019年ドラフト新人はいつ1軍に出てくるのか、支配下選手が69となり後1枠になった最後の椅子は誰になるのか。

そんなことを考えた日曜の午前でした。

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