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作品感想

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コント、演劇、映画、本、等等……つらつらと書いています
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#小林賢太郎

並行食堂in京都(4891字)

並行食堂in京都(4891字)

京都は府立芸術文化会館にて、シアターコントロニカコント公演「並行食堂」の13日マチネと14日マチネ大千秋楽を観てきました。

今作は私にとって初めての生・小林賢太郎脚本コント公演でした。初めて生で観たのがこの作品で良かったと心から思いました。
生でしか感じられない笑いの波動。横浜に始まり松本を経て京都に辿り着いたこの表現物はもはや生きていました。

感想はネタバレを含みますのでお気を付けください。

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「表現を仕事にするということ」を読んで(1693字)

「表現を仕事にするということ」を読んで(1693字)

小林賢太郎新刊、「表現を仕事にするということ」。何度も読み返した。
厚みのある装丁を味わいつつ、その言葉を噛みしめた。

賢太郎さんという人は、割とグサッとくることを言う。何というか、冷たさとは違う、反論の余地のない透き通った言葉で刺してくる。読みながら私はまあまあ食らった。自分の中の言いようのなかったモヤモヤや憤りが露呈するような心地がした。もはや自己啓発本。”表現すること”について、特に印象深

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うるう年にまたひとり(1222字)

うるう年にまたひとり(1222字)

少し遅いですが、明けましておめでとうございます。
今年の私に課せられたミッションは、楽しむこと。限られた時間を自分に注ぐこと。後悔のない毎日を目指すこと。

大学入学からはや一年が経とうとし、あっという間に時間が過ぎていくのを感じる。正直中高の時間の流れは遅かった。楽しいことよりも、苦い記憶や葛藤に揉まれてどこか早く抜け出したかったような感覚を未だに思い出す。コロナに阻まれ、様々な息の詰まるような

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回廊とデコイを経て(992字)

回廊とデコイを経て(992字)

大阪昼の部、最高に楽しかった。
一生お目にかかることはないと思っていた憧れの人に会えて、笑顔が見られて、生の声が聴けて、感無量だった。
映画も、一つ一つのコントやショートフィルムを噛み締めるように観た。不思議で、こわくて、可笑しくて、この時間がずっと続いていてほしいと思った。

そして何より、「監督があの件をもう酒のあてにしている」ことと「次の作品が動き始めている」ことを直接聞いて、嬉しいやら安心

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桜前線、常居次人。(1685字)

桜前線、常居次人。(1685字)

桜前線、英語でCHERRY BLOSSOM FRONT。

今日はラーメンズのツアー公演
「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」
について書こうと思います。

公演は2002年の3月から5月にかけて行われました。
当の私は当時母のお腹の中にすらいませんでした。もっと早く生まれていたかった…!と何回言えば気が済むんでしょうか。

今回『小説家らしき存在』について書きますが、あらすじは省

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