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【欲しいモノ】 萩焼の夫婦茶碗。

手に入れたモノを愛でるのは心地いい。しかし、欲しいモノを手に入れるまでの待ち遠しい状態のほうがもっと楽しいような気がする。モノのことを調べたり、他と比較したり、それを手に入れた時の生活を想像したり・・・想像する楽しみはなんとも言えない。あなたもそうは思わないだろうか。

この記事では、私が欲しいと想いを馳せているモノたちを紹介していきたい。自分も欲しいと感じてもらうもよし、比較対象のひとつとして考えてもらうもよし。自分とそのモノの関係を想像しながら楽しんで読んでもらえると嬉しい。

今回紹介する欲しいモノは「萩焼の夫婦茶碗」。なかでも、アフタヌーンティーの萩焼が気になっている。

萩焼とは

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萩焼は、私の故郷・山口県の萩市で焼かれる陶器だ。ざっくりとした陶土を用いた、独特のやわらかな風合いの焼き物である。

昔ながらの萩焼は、黄褐色の土色を生かした色合いだ。最近では、ほんのりと色づいた淡く優しい色合いのものも増えている。


日本三大 抹茶茶碗

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萩焼は、茶人が好む抹茶茶碗として「一楽二萩三唐津」と謳われているほど格の高い茶碗である。

現代では「茶碗」と言うと、ご飯をよそう茶碗を想像されることが多いだろう。しかし、その漢字からもわかるように、茶碗は元々はお茶を入れるための器だった。「抹茶茶碗」の格式は「茶碗」の中での格式と同様と言っても過言ではない。

萩焼が格の高い茶碗と言われる理由のひとつは、茶を淹れるたびに焼き物としての味わいが増す「仕掛け」にある。


使い込むほど味わいが増す仕掛け

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萩焼ならではの特徴は「萩の七化け」だ。

萩焼には「貫入」と呼ばれる、うわぐすりの部分にできる細かいひび模様がある。この貫入から水分が浸透する。これにより、使い込むほどに器の色合いがだんだんと変化する。使い込むほどになんとも言えない味わいを醸し出すようになるのだ。

使い手によって完成させられる焼き物とも言われることが、萩焼最大の魅力である。


萩焼を育てたい!

萩焼ほど味わいが増す様子を楽しめる陶器は他にないだろう。使い始めはまだ未完成な萩焼。それを育てていくのは、革製品を育てていくのとどことなく似ている。

食は人生を作り人生を彩るものだと私は思う。毎日のように使うご飯茶碗。お気に入りの茶碗を、ずっと長く使い続けたい。年を重ねる自分と共に、味わいを深めていく茶碗を見ていくなんて、とても素敵ではないだろうか。

萩焼とともに人生を重ねていきたいと願う、今日このごろだ。


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