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〇〇市中央2丁目

表紙:変わらぬ #電電公社 時代からのアンテナと電話ボックス。変わって #NTT の通信サービスを内包したスマホで撮った、写真。

事情は、明治維新後に一応の県庁街となり。大規模な一揆の発生とそれを機に疑問無く施行された「ここを県庁にする交通の理由も保安上の理屈も一切無くないか?」という結論。経て、わが市の、町の中央は随分に不便、偏狭な場所に位置しています。

商店街隣接するも、街直接の地域デパートと大手スーパーの進出さえ昭和の昔。何なら平成の90年代を待たず、戦前戦後から直通で一切の商業施設的、賑わいの集まり的場所がない土地が、その番地に充てられています。

歩いて散策しようと、地図で過去現在を調べようと。徹底して小ぢんまりから始まり、今では大層に木造もコンクリも煤コケて、意外と往来の有る小道は砕かれねど、ヒビ割れの多いこと。

『県住』
2桁の数字にハイフンを打って2桁の数字を足すという今どきには随分不思議な部屋割りの平屋の団地の窓と寂しい摩耗をした遊具には、青色のペンキが多用されています。剥がれつつも馴染んで。時に外国語でBlue、憂鬱と評される要素は残っていません。人の希望が絶望に変わる表現方法の無い場所、狭すぎる場所、貴賤を問わずたたずんでいるしかしょうが無い場所。

女子中学生の通う学校も、野良猫の潜みどころも、 #久石譲 の慕情も在るのに、肝心のインテリが好きそうなアンティークショップが無い、電気屋以外はシャッター仕舞い。

留まるのを強要するでなし。
旅立てばもう愛憎の残り香が薫る配慮も無し。

困った困った。此処がいつまでも。他所を闊歩すると最後まで見落としてしまうこの街の"ヘソ"さ。胡麻を出して腹を痛める価値も付かぬ。

不明瞭だが統べく、この辺りから始まった、アンタの故郷にもある場所さ。

ヘソ以外には、口端にも気恥ずかしいが、文明の生活など無かったのだ。

そしてささやかに、あの人達もまだ住んでいる。

#上京のはなし #エッセイ #現代詩

#スキしてみて
#ふるさとを語ろう

#毎日note #毎日日記


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