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#72:変化について思うこと

先月、職場ビルが移転しオフィスが一新した。今月は所属部署名が変わり新しい名刺が来た。ただ最寄り駅も担当の仕事にも変わりはない。

それでも職場環境が変われば、また部署名が変われば気持ちに変化が生まれる。そして、この変化に対して抵抗感が大きい人が多いことを、改めて感じている。

なぜ人は変化を嫌うのか

保守的な人だとか、変化に疎いというと大筋は悪口になる。ただし一方で、あの人は堅実だとか、ブレないというのはだいたい褒め言葉だ。

そう考えると、定住や定職につくなど固定的な状態に対する用語が日本ではポジティブな響きを持つことが多い。また安定性という言葉は、今も、若者にも響く言葉のようだ。

就活の軸で会社の安定性を選ぶのは問題ないか
https://jobspring.jp/article/detail/348

では、なぜここまで、ある面で人は変化を嫌う(安定を求める)のか。

ひと言で片付けると、ホメオタシスと呼ばれる恒常性を追求する点は、ある意味、生物として避けられない習性のようだ。

毎日一定の体温(平熱)に保つことを指して、人は「健康」と呼ぶ。安定を求める方が、ある意味、心身ともに健全なのだ。

せっかくダイエットして体重を急激に減らしても、リバウンドして元の体重に戻るか、もしくはそれ以上になる。この一定の状態に保とう(戻そう)とする力も、ホメオタシスだ。

ダイエット中の身としては、このホメオタシスが憎い!とすら思う。…どうでもいい話だが。

変化し続ける

一方で、今の話と矛盾しているようだが、人は変化し続けている。

何のことかというと、細胞レベルでは約2年で骨すらもほぼ全身が入れ替わっている。(筋肉や血液は、もっと早い周期で入れ替わる)

生物として、常に一定の状態を保ちつつ(体温や呼吸、血液循環なども含め)、かたや、構成要素である細胞レベルでは、1日で約1兆個の細胞が入れ替わっている。(新陳代謝)

話がややこしくなってきた。人には恒常性(ホメオタシス)もあり、それと同時に変化し続ける。この変化も生物として自然な側面である。

細胞レベルのことは意識できなくても、人は成長した後に老化し、そしてやがて死んでいく。この変化の存在については誰しも知っている。

変化に対するスタンス

このように安定と変化の両面があるとして、結局のところ、変化をどう捉えるかはその人のスタンス次第だ。肯定的か、否定的か。

もっと言うと、どちらか一方だけでは成り立たず、バランス取りつつどちらに比重を置くか。変化だけを求めると健康や日常を損ねるし、変化に弱いと中長期で進化は止まり淘汰される。

一般論としては、そんなところだ。

変化に対する抵抗感

長々と一般論に終始したが、最近感じたのは、無意識か意識的かはさておき、周りの人々の変化に対する抵抗感が強いな、ということ。

昨年転職したことで、変化側の視点、要するに新参者という立ち位置を手に入れた。やはり元々そこに居る人たちとは必然的に視点が異なり、変化への許容度があるか客観的に見える。

もうひとつ、自分の年齢も40代になり、周りの年齢層も上がり、年齢層により安定志向の人が多くなる傾向も感じる。

まあこれらの環境要因はあるとしても、
要は、変化を嫌う/変化を避ける人が多い

頭で変化の必要性が分かっていても、身体が拒絶する。そういう意味で、あからさまな拒絶というより、変化の兆しがあるとスルーするか、さっと引くパターンが多いと思う。

長々と一般論を前置きしたのは、変化に抵抗感がある心理もよく分かるからだ。むしろ、その人たちにとっては自然なスタンスなのだろうとも思う。歴史を重ねれば重ねるほど、ほぼ無意識かつ必然的な選択になっていく。

とはいえ、変化が必要

DX=デジタルトランスフォーメーションが相変わらず盛り上がっているが、トランスフォームする、つまり変革する方が趣旨だという話が最近よく出てくる。またDX人材をどう獲得するか、どう育てるかも記事としてよく見かける。

それ以外でも働き方改革やアフターコロナの働き方など、企業だけでなく、そこで働く人の仕事のやり方にも変革が必要だと盛んに言われる。そして、言われ続けていることをみると、まだ変革、変化の道半ばなのだと想定される。

変化はヒトの問題

みんな、あらゆる局面で変化の必要性を感じている。そして、変化すべきだ、変革しようと。でも頭では分かっていても、身体がついていかない。もしくは心では、違うことを想う。

うーむ、これは根深いなと感じる。

心や姿勢(身体、スタンス)が変わらないことには物事は動かない。どんな企画でも誰かが、そして大きい企画だと、それに関わる多くの人が本当にやりたいと思わなければ進まない。

DXも働き方改革も、たぶん専門性や知恵が足りないのではなくて、本気で変えたい人が足りないのだと感じる。そして、そもそも本当に変えたい人は、実はそんなに居ない気もしている。

身も蓋もない結論で困るけど…。何か違う見方やその先の話が浮かんだらまた書こうと思う。

長文をお読みいただきありがとうございます。

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