小樽｜明治、大正の記憶を辿る旅

札幌から函館本線に揺られて、お昼前に小樽駅に着く。
お天気はちょっと曇り空。

小樽での最初の目的地はランチ。
北海道に暮らす友人が「ぜひ」と勧める海辺の民宿、青塚食堂が目的地。

小樽駅｜ちょっと曇り空

タクシーに乗りお店に向かう道すがら。
運転手さんと小樽の話題で会話が弾む。
目的地に着く前に「ぜひ」「ぜひ」と勧められて小樽祝津パノラマ展望台へ。

木造の六角形灯台として、明治16年に初点灯した日和山灯台。
その脇には移築された「小樽市鰊御殿（※現在閉鎖中）」。
かもめを引き連れた小舟と日本海の大海原。

運転手さんが、ぜったい見ていってほしいと連れてきてくれた自慢の場所。
シビックプライドの源流は、江戸末期から明治にはじまる小樽の歴史。

日和山灯台、鰊御殿。小樽祝津パノラマ展望台からの眺め、絶景。

かもめをひきつれた小舟

色鮮やかな灯台の白、朱色

遠くには札幌も見える

ランチをいただいた民宿青塚食堂。
出迎えたのは大きなニシンの串焼き。
ニシンは、小樽のアイコン。
小骨が苦手なのでイカの丸焼きにしたけど。美味しいんだろな、ニシン。

民宿 青塚食堂

ニシンの串焼き

で、でかい。

小骨が苦手な人はイカの丸焼きを食べましょう。

ニシンの恩恵は町のそこここに点在している。
食堂近くで立ち寄った「にしん御殿旧青山別邸」。
往時の繁栄をしのばせる豪邸。

にしん御殿旧青山別邸

家族用の玄関には恵比寿様（漁業の神様）

豪華な天井

日本家屋の美しさ

ランチの後は、小樽運河へ。
友人の車でピストン輸送してもらって降りた場所は運河エリアの北端にある「旧手宮線跡地」。
銘板に1880年とある。明治13年。
「旧国鉄手宮線」は、北海道初の鉄道「官営幌内鉄道」の一部。
日本海側から札幌への物流の拠点として、明治・大正の繁栄を支えた線路。

札幌への物流の「起点」「拠点」

今はたんぽぽとレンゲ。はかなげで美しい。

ノスタルジックな時間。

運河公園から運河通り沿いを南へ歩く。
最初は明治、大正の記憶を残す閑散とした小樽の倉庫街から、徐々に観光客が増えて、「2024年の小樽」に変化していく。
倉庫もリノベーションされて、おしゃれなカフェに。

運河公園の観光客は少なめ。

かもめものんびり。

南方面からクルーズがやってくる。

老朽化した建物。

でも往時の繁栄が偲ばれます。

いつの時代もかもめは自由。

徐々に観光客の濃度が高まってくる。

終点はリノベーションされたおしゃれなカフェ。

ニシン御殿から運河で歴史をめぐる、この小樽観光ルート。
「ぜひ」おすすめしたいルート、かもしれない。

小樽｜読後感

小樽にヒト、モノ、カネが本格的に集まるようになったのは、蝦夷地が北海道になり、札幌が中心都市となった明治時代からのこと。
街の歴史としては、北海道で最も古い歴史をもつ街のひとつ、小樽。
ノスタルジックでとても美しい街。

でも、ちょっとモヤモヤしているのは、先住されていたアイヌのこと。
「小樽」という地名の語源は、アイヌ語で「オタルナイ」（砂の中の川という意味）と呼ばれていたことに由来するという。

北海道。まだまだ知らなければいけないことがたくさんある。
大きな宿題も抱えた旅でした。
では、また。