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檜山×「桜」×脱炭素

 3月も下旬にさしかかり、すっかり年度末ですね。卒業式や入学式など出会いと別れの季節の風景に「桜」は欠かせませんよね。ところがこの桜のある風景が気候変動の影響で変わってしまうかもしれないというのが今回の話題です。


北海道の桜の季節

 先ほど出会いと別れの季節に桜は欠かせないと申し上げましたが、実際のところ北海道においては若干違います。北海道における桜のメインの季節はゴールデンウィークから5月中旬と言われます。担当の私は北海道函館市出身、幼い頃からゴールデンウィークといえば五稜郭公園の満開の桜の木の下で花見をしてきました。
 ところが昨年、函館の桜の開花日は「4月14日」、満開日は「4月20日」とゴールデンウィークにお花見ができない状況となりました(出典:国土交通省気象庁「生物季節観測累年値ファイル」より)。
 こうした変化がどうして起こってしまうのでしょうか。どうやら「気候変動」「地球温暖化」が影響を与えているようなのです。

ほんとに温暖化が影響しているの?

 国立環境研究所によると、日本の年平均気温は過去100年あたりで1.35℃上昇していると言われています。しかし、生活していて「昨年より0.○○℃平均気温が高いな!」なんてわかる方はいないと思います。私ももちろんわかりませんし、なかなか実感が湧かないのが正直なところです。
 ところが、動植物はそうした変化を敏感に感じ取っているようです。


出典:国立環境研究所2023年の桜の開花は早かったのか?(速報版) | 国立環境研究所 市民調査員と連携した生物季節モニタリング | 気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT) (nies.go.jp)

 このグラフは、気象庁が1953年から2023年までの71年の間に全国の地方気象台や観測所で観測したサクラの開花日の記録を使用して、国立環境研究所が作成したグラフです。観測所ごとに71年間で最も早い開花日が記録された年を求め、年ごとの観測所数を集計しています。1990年後半から2010年代にかけて、最も早い開花を観測した地点が非常に増えていることはグラフからも明らかです。
 様々な研究からも生物の季節性は気候変動の影響を強く反映しており、サクラの開花が経年的に早くなっていることは統計的にも確認されているそうです。(Kai et al. 1993, Ibáñez et al. 2010, Nagai et al. 2019)
 つまり、このまま地球温暖化が進むと、地域によっては節分の時期に桜が咲くなど、私たちのイメージする桜の風景がどんどん季節外れになってしまうかもしれないのです。

今年の開花予想は?

 日本気象協会によると今年の函館の開花予想は、「4月26日」でした。ゴールデンウィークのスタート頃ということで概ね平年並みのようです。
 しかしながら、北海道の観測地点を確認してみると、帯広市が平年通りとなっておりますが、それ以外のすべて地点で平年より早い開花が予想されています。全国的にみても、特に東北地方は平年より1週間程度早い開花が予想されている地点が多く、少なからず温暖化の影響を受けているように見受けられます。
 
各地の開花予想はこちらをご確認ください。
日本気象協会:桜開花・満開予想 2024

檜山のお花見スポット

道南地域は函館市の五稜郭公園や松前町の松前公園など桜の名所が数多く存在しますが、檜山地域にも桜スポットがありますので、ご紹介します。
 
①    乙部町 鮪の岬(しびのさき)
北海道天然記念物に指定され、道立自然公園にもなっている岬です。岬の上には公園があり、桜の名所として親しまれています。
URL:乙部の自然 | 北海道乙部町 (otobe.lg.jp)

②    江差町 逆川森林公園
公園内には桜の木が約600本あり、町民憩いの場となっています。林間歩道も整備され、ハイキングやバードウォッチングも楽しめる公園となっています。
URL:逆川森林公園 | 北海道江差町の観光情報ポータルサイト (esashi.town)

    厚沢部町 館城跡公園
館城跡は、幕末に築城された最後の和式城郭跡です。公園内にはエゾヤマザクラは植えられておりソメイヨシノなどに比べると開花時期は少し遅めです。毎年開花の時期には「館城跡まつり」が開催されます。
URL:田園と雑木林の風景 - 素敵な過疎のまち 北海道厚沢部町(あっさぶちょう)公式ホームページ(教育委員会事務局) (assabu.lg.jp)
 
    せたな町 玉川公園
玉川公園は水仙の名所として有名ですが、桜も多く植えられており、水仙と桜のコントラストを楽しめる北海道では珍しい公園です。
URL:玉川公園 | 目的別で選ぶ | せたな観光協会 (setanavi.jp)

こんな取組はいかがでしょう

 お花見といえば、お弁当を持っていったり、みんなでわいわいバーベキューをしたりするかと思いますが、脱炭素の視点として、お花見の際は、使い捨てのお皿やコップではなく、繰り返し使用できる食器を使用してエコなお花見を心がけてみていただければと思います。もちろん食品ロス削減のため、食べ残しがないように食べきれる量というのも併せて心がけていただけると幸いです。
 
 食品ロスについては、別記事でもまとめていますのでご興味のある方は是非ご覧ください。


今回は桜と地球温暖化の関係をまとめてみました。檜山地域の桜の名所も紹介しましたので、是非、檜山を訪れてみてください。


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