節句ごとを大切に。菊の甘酢漬け "もってのほか"を知っていますか?
こんにちは。與兵衛の鮓酢(よへえのすしず)です。
今日は、父から教わった「日本の節句」と「節句にまつわる食」についてにお話しをさせていただきます。
日本では、「五節句」と呼ばれる1、3、5、7、9月の奇数月の奇数が重なった日に「式日」があります。これは中国から伝わった「陰陽五行」という思想に基づいて生まれたもので、「陽が重なると陰になる=不吉」という考えのもと、厄除や禊(みそぎ)が行われ、それが節句になったのだそうです。
そして、それぞれ特別な節句料理を食べることで、陰陽のバランスを取るようになっていきました。
陰陽五行思想
五節句
1月7日『七草の節供』:七草粥
3月3日『上巳(じょうし)の節供(桃の節供)』:ちらし寿司
5月5日『端午(たんご)の節句』:ちまきや竹の子料理
7月7日『七夕(たなばた)の節供』:そうめん
9月9日『重陽(ちょうよう)の節句(菊の節供)』:菊酒と栗ご飯
他に1月1日(正月)に、『別格の節供』ではお節料理がありますね。
3月の雛祭りに、華やかな「ちらし寿司」を食べるご家庭は多いかと思いますが、節句料理には発酵食である「酢」を使った料理がふんだんに使われています
「いこーよ」に掲載されている、日本の文化・歳時記研究家、広田千悦子さんのインタビュー記事によれば、日本には昔から花が咲く時期に海や山へ行って食事をするという風習があったとのこと。
季節の恵をふんだんに使ったちらし寿司は、具材を小さくカットして、発酵食品である「すし酢」で混ぜた酢飯と混ぜたワンプレートでバランスよい栄養を摂れる食事です。3月に限らず、日本のお祝いごとではいろいろなちらし寿司や五目ずしがいただけます。
さて、その中でも9月の「重陽(ちょうよう)の節句(菊の節供)」料理では、「食用菊」を用いたお食事を食べる習慣がなんと平安時代中国から伝わっているそうです。
その食用菊の中でも、「もってのほか」という名前で知られているのが、山形の名産菊「延命楽(えんめいらく)」という名の品種です。
©︎tosa muu
「もってのほか」、「もって菊」という愛称で知られているこの名前の由来は、いくつかあるようで、
✔︎天皇の御紋である菊の花を食べるとは、もってのほか!
や
✔︎思っていたよりもずっと(=もってのほか)おいしい
といったところから来ているようです
通常の食用菊は、「花びら(花弁)」の部分を食べます。しかしもってのほかは、花びらが筒状になっているので、茹でても形が崩れず、しゃきしゃきとした歯ざわりが特徴です。
父の與兵衛は、この食用菊「もってのほか」を、自分で作った鮓酢で漬け込み「ちらし寿司」に用いていました。
節句は、「家族の絆を深めるための行事」として日本に代々伝わってきました。そして、この節句を通じて「滋養のある食材」を食べることで、鋭気を養う貴重な機会として日本の文化に定着してきたのです。
ご家庭でお祝いのお料理を作る機会がある方に、ぜひ「與兵衛の鮓酢」を利用していただきたいと思います。
五節句にぴったりのお料理の紹介も今後できればと考えております。
参考文献:
ぜひ一度、公式ホームページ「與兵衛の鮓酢」をご覧ください http://sushizu.jp