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きっと望んでループする

こんにちは、すしです。

#心に残ったゲーム  というお題が出てきたことで、今回はドラゴンクエストシリーズでも屈指の名作といわれる「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁(以下ドラクエ5)」について書いていきます。

ゲーム関連のお題では、前にモンスターハンターについて書いたことがあって、その記事その記事だけだけど)は僕のnoteでもダントツで反響があった記事だった。正直なところ、最初はその反響にあやかる形で今回もモンハンをお題に書こうと思っていた節はある。しかし、ゲームはモンハンしかやってこなかったわけではないし、なにより同じところを攻めていても面白くないということで、せっかくなので今回は違うゲームで書いてみようと思った次第である。

ちなみに、この記事は壮大なネタバレを含むので、ドラクエ5をプレイしたことがない人は読み進めないほうがいいです。重要なネタバレがないように書いたつもりですが、それでも全部初見の状態でプレイするRPGほど素晴らしいものはありません。

ドラクエの作品たちはストーリー性が素晴らしいので、ぜひやってみたい人は読まずにプレイしてみてください。

僕のnoteなんて読んでいる場合じゃないです。プレイしてください。

それでは書いていきます。


ドラクエ5は異質なドラクエ

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ドラゴンクエストは、20年以上の歴史を持つRPGゲームの超大作シリーズである。ドラクエ1から始まって11までナンバリングがあり、他にも外伝作品が山ほどある。RPGと言えばドラクエ、ドラクエと言えばRPGと言っても過言ではないだろう。

そんなドラクエシリーズのストーリーの特徴は、やっぱり自分が勇者となって魔王を倒すことである。つまり、プレーヤーが世界の救世主になるということだ。

現在は異世界転生の小説や漫画、アニメなんかもめちゃくちゃ流行っているけど、もしかしたらこれらのストーリーの始まりはドラクエなのかもしれない。実際に僕たちは電源をオンにすれば、いつだって勇者になることが出来る。


主人公はある時に世界を苦しめている魔王を倒す存在である勇者であることを告げられる(あるいは自ら悟る)。そして、その目的を達するための旅に出る。

仲間を増やし、世界各国を回る。その中で魔王の配下たちと闘いながら、旅を続ける。裏切りも敗北も、多くの挫折を味わいながら、成長していくストーリーには感動がつきものだ。そして、魔王にたどり着き、自分の勇者の力を駆使して、遂に魔王を打ち倒す。

これが一般的なドラクエのストーリーである。

しかし、ドラクエ5はそのようなドラクエ的王道ストーリーではない。なんと主人公は、シリーズで唯一勇者その人ではないのだ。

つまり、勇者の力に助けられたり、勇者の力を駆使したりなんてことが出来ない。主人公はあくまで一般人(≠勇者)。まぁ、それでも激強一般人であることは否めないけど。

故にドラクエ5の主人公を待ち受ける苦難は他のドラクエシリーズの主人公たちよりも重いし、その数も多い。個人的には一番不幸な主人公だと思っている。


ドラクエ5のストーリー

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ドラクエ5は親子3代にわたるストーリーである。父親、自分、そして息子。主人公である自分を支点に父パパスと息子レックスのストーリーも展開される。

ストーリーは、父パパスと冒険する幼少期から始まる。彼らはひょんなことから、魔王サイドの領域に足を踏み入れてしまい、パパスは主人公を守るために無念の死を遂げる。いきなりの急展開。

ゲマ許すまじ。

そのシーンは鮮明に覚えている。優しくも強くもあったパパスの死は、主人公の人生に多大な影響を与える。

父親を失った主人公は、魔王の右腕ゲマに連れさられてしまう。幼い主人公には抗う実力もない。そもそもゲマ自体がめちゃくちゃ強い。

そして、連れ去られてしまった主人公は、なんと奴隷にされしまう。主人公が奴隷になるとか、そんなRPGある?

奴隷として10年程の時を過ごした主人公は、なんとかかんとかしてその環境から抜け出すことに成功する。その後、父が冒険の拠点にしていた村へとたどり着いた青年に成長した主人公。そこで、父パパスの冒険の目的が「勇者とその装備を探すこと」と「母を探すこと」であったことを知り、父の遺志を継ぐことを決意する。

そこから、自分の旅を続けていた主人公は、ひょんなことからお嫁さんをもらうことになる。続けて、子どもを授かる。その子の名前はレックス。

その後、奥さんや息子レックスと離ればれになったりもする。他にも普通の人だったら挫けてしまうような数々の苦難が主人公を襲うが、屈せずに旅を続ける主人公のメンタルは尊敬に値する。

冒険の中で、勇者と出会った主人公は、勇者と一緒に、やっと魔王を打ち倒す。父パパスの無念、自分を奴隷としてこき使ってきたクソみそたちへの復讐、色々なものを果たすことが出来たラストだ。

涙必須。僕は水たまりが出来るくらい泣く。全米が泣いたくらい泣く。誰かバスタオル持ってきて。


ストーリー最大の選択

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そんな試練の多い旅の途中で主人公は結婚する。この配偶者を決めるイベントは、ドラクエ5の見どころの一つである。

旅の途中でたどり着いた街「サラボナ」。そこの領主ルドマンさんが娘フローラの婚約者を探していた。そして、その家は主人公と父パパスが探し求めていた勇者の盾を家宝としている。娘フローラと結婚すれば勇者の盾を手に入れられる展開。そんな事情から、主人公は婚約者競争に参加することになる。

その婚約者競争はダンジョンから2つのリングを持って帰還すること。その途中で、幼馴染のビアンカとも再会する。

再開を喜ぶ2人。主人公は婚約者競争のことをビアンカに話すと、ビアンカは快くその協力をしてくれることになる。

ビアンカとともに見事、婚約者競争に勝利した主人公。フローラと結婚する、そう思われたその時、フローラがビアンカに問う。

ビアンカも主人公と結婚したいのではないか、と。

それを受けた心の広い領主に尋ねられる。ビアンカとフローラ、どちらと結婚するか。

主人公は一晩の考える時間をもらい、その選択を下す。

さて、主人公(あなた)はどちらの女性を花嫁に選ぶのか。


この選択は、ドラクエファンならだれもが頭を悩ませるものだ。

幼馴染でお姉さん肌のビアンカ、お金持ちの娘でおっとりしているフローラ。

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ビアンカは、幼いころに一緒に冒険をした経験があり、当時も今も自分のメンタルを導いてくれるお姉さんのような存在だ。彼女はパッケージで選ばれているくらいに物語においては外せない重要なキャラクター。気を強く持ち明るくふるまっているその実、彼女もまた母親を早くに失った悲しみを抱えて生きている。ただ明るいだけでなく悲しみも知っているからこその包容力が彼女にはある。

そして、フローラ。主人公は勇者と勇者の装備を探す旅をしているけど、その勇者の盾を家宝としてもっているのがフローラの実家だ。フローラの父親はフローラの旦那になる人に勇者の盾を譲るつもりでもある。つまり、フローラと結婚しなければ勇者の盾は手に入らない。心情的な要素がビアンカに比べて薄いとは言え、フローラ側もまたストーリー的にも外せない存在なのだ。

これは永遠に解決しない問いである。確か、アメトーークとかでも議題に上がるくらい、この花嫁選びは大事な問題だ。

ゲームでは一晩の猶予をもらい、どちらを花嫁にするかを悩む。

そして、僕も悩む。本当に一晩悩む。いや、一晩ではなく数日悩む。

それまではすいすい問題を解決し、苦難を乗り越えてストーリーを進めてきた。それまでが嘘のように、時を止めて冒険を進めることが出来なくなる。


僕とドラクエ5

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僕はこれまで何回もドラクエ5をプレイしてきた。

恥ずかしながら初めてプレイしたのは、今から4年前の大学3年生の時だ。それまでRPGに対して苦手意識を持っていた僕は、RPGの超大作であるドラクエシリーズもまた敬遠していた。

そんな僕はある時にドラクエ大好き人間の友人とお酒を飲んだ。そして、そのことを話すと、びっくりするくらいの勢いでプレイしてみることを進められた。

さすがの僕もそこまで進められたらやってみようと思い、彼が一番好きだと言っていたドラクエ5を買ってプレイしてみたのだ。

結果は言うまでもなくドはまり。イベントの度に涙を流し、時間を忘れて冒険を進めた。

また、その時リアルタイムで発売されたドラクエ11にも、寝食を忘れてしまうくらいに没頭した。他にもいくつかのナンバリングをプレイした。

そして、自分の始まりであるドラクエ5にも何度も戻ってきている。

その度に、「ビアンカかフローラか」の問いに頭を悩ませる。

しかし、いつだってその答えは一つしかない。


きっと望んでループする

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僕は、ドラクエを何度もプレイしてきた。

そして、何度もビアンカを選んでしまう。

毎回のように件のイベントで頭を抱えて悩みながらも、僕は彼女しか選択しない。

なぜだろうか。その理由は実際の僕の性格が深く関わっている。

現実世界の僕は自己肯定感が低く、誰かに認めてもらいたいと常に思っている。そんな僕の好みは自分をしっかりと持っている芯の強い女性。あとは、活発な女性。

それに当てはまるのがビアンカなのだ。

ちなみに、実際の彼女には、ゲームでも女性の好みは同じなんだねって言われた。ほっといてくれ。恥ずかしいな。

とまぁ、実際の彼女のことは、ちょっと置いておいて。

きっと僕が僕である限り、僕はビアンカを選ぶことになる。

つまり僕は、きっと望んでループする。


そういえば、同じようなことを言っている漫画のキャラクターがいた。BLEACHの井上織姫という女性だ。

彼女は、自らを犠牲にすると決めたとき、自分の好きな人に寝ている間に別れを告げる。

その時の場面がこちら。

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(BLEACHより)

彼女も、きっと望んでループする、のだろう。

彼女の言葉に僕を当てはめるのなら、

僕はすでにドラクエ5を数回やっている。そして、これから5回はやるだろう。そしたら、5回とも違う防具を身をまとって、5回とも違う武器を手に取って、5回とも違う仲間を引き連れて、

それで5回とも、ビアンカと旅をする。


まとめ

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RPGをずっと食わず嫌いしていた僕が初めてプレイしたドラクエ5。僕はこのこの親子3世代の今までに触れたことのないくらいに壮大で、同情してしまうほどの悲劇を乗り越えるストーリーを通してたくさんのことを学んだ。

苦難に挫けないこと、大切な人を大事にすること、その大切な人をどういう風に選ぶのかということそ、そして、ほかにも多くの大事なこと、、、。

このゲームを教えてくれた友人は、僕の恩人だ。こんな素晴らしいゲームを教えてくれたことに感謝をしなければならない。本当にありがとう。


新しいことを始めることや自分の領域を増やしていくことは大事なことだ。目まぐるしく常識が変わり、とてもつもない速さで技術が進歩していく現代において、それをしないとすぐに時代遅れになってしまう。

それでも、自分の原点や指針になっていることに立ち戻ることは、決して無駄ではない、と僕は思う。むしろ、そういう時代だからこそ、自分の原点を再確認することはより価値を増すのかもしれない。

僕にとっては、それがドラクエ5であり、ビアンカだ。

これからも僕は、きっと望んでループする。



あとがき

ここに書いたことは、ドラクエ5のほんの一部。これ以外にもドラクエ5には素晴らしい要素がたくさんあります。

プレイしたことのない人は、ぜひご自身の手で実際にプレイしてみることをお勧めします。

ドラクエはちょっと難しいところもあるけど、今なら攻略サイトもあるので、最後までプレイすることは難しくないと思います。もちろん、攻略サイトに頼りすぎると、その分ゲームの楽しみも少なくなってしまうからほどほどに。

この記事を読んで、少しでもドラクエをプレイしてみたいと思えた人がいたらうれしいです。

また、「おれはフローラ派だ!」などの意見もコメントでくださるとうれしいです。


それではまた!



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