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低温調理による鮪の漬けの考察~ベストの設定温度と時間は?

江戸時代から現代まで日本人に人気の高い魚、マグロ。子どもから大人まで楽しめる栄養価の高い魚ですね。漁獲量減少の問題があるので、人は鮪とより良い付き合いを模索しなければなりませんが、頂く時は最大限美味しく作って鮪に感謝を示したいもの。そこで、マグロの低温調理を行うにあたり、外さない温度を探るべく、2パターンの調理比較をしてみました!

結果的に、まだまだ研究の余地はありますが、なかなか面白い漬け鮪を作る事が出来ました。肉を用いた丼よりもヘルシーなので、力強くオススメします。きっとお魚が苦手なお子さんでも、喜ぶメニューなのではないかと思います…。大人の方には、良き酒肴にもなりますよ。

マグロのタンパク質組成と適切な設定温度について

マグロは赤身魚なので、筋原線維タンパク質が豊富です。トロは筋にコラーゲン(肉基質タンパク質)を豊富に含むので、赤身とは火入れの温度が変わってきますが、赤身については基本的に「50℃以上で徐々に硬くなる」と言う性質が基準となります。よって、理論上、攻めるなら50℃未満がベターです。

そこで、この度作るに当たり、ベストの温度を見出すべく、まずはBONIQオフィシャルの温度を試し、その後温度を変えて実験してみました。さて、どちらの温度が美味しいでしょうか??乞うご期待!

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【低温調理漬けマグロ丼】の調理についての詳細

【低温調理機の設定】
この度は、以下の2パターンを試してみました。
設定温度:46℃、44℃
設定時間:30分

BONIQオフィシャルサイトの人気レシピ【赤ワイン漬けまぐろの低温調理コンフィ】の設定温度は46℃です。

対する比較温度については、当初42℃で行おうと思ったのですが、「待てよ…冷静に考えたら、42℃ってお風呂の温度じゃないか!」と気付き、鮪に美味しく火が入ると思えなくなったので、44℃にした次第です。結果的に正解だったように感じます。

【使用する調味料】
調味料:煮切った日本酒と味醂適宜、燻製醤油(濃口醬油)大さじ2

【調理の手順】
1. 日本酒と味醂を煮切り、冷ましておく
2. マグロを湯霜にする
3. 1を燻製醤油と合わせる。1の量は甘みや燻蒸香とのバランスを見つつ、お好みで
4. 3とマグロを真空パックにする
5. 低温調理開始、出来上がり

【注記】
1.

アルコールが残っていると美味しくないので、最初から強火で一気に飛ばします
2.
※1回目は湯霜にしなかったのですが、湯霜にした方が味が染み込んで美味しいと気付き、2回目に導入しました
※湯霜は、沸騰したお湯にマグロを浸けて、3〜4秒程度ですぐに取り出し、氷水に移して急冷します。水気を拭いて完了です。箸で取り出すと表面がボロッと崩れる可能性がありますので、ざるに入れて行うのがオススメです。

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1回目に使用した赤身のサク

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2回目に使用した赤身のサク

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実食!低温調理漬けマグロ丼 ver.1

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1回目(BONIQオフィシャルの温度46℃)の漬けマグロ丼です。

ロゼ色の身が美しく、しっとりと仕上がりつつ、繊維は引き締まっています。みっしり感とジューシィ感を併せ持ち、食感は肉のよう。これは美味しい!と思いました。個人的に、牛肉の低温調理よりもしっくりきました。燻製醤油との相性もバッチリです。

ちなみに、ご飯は酢飯にして、和芥子を添えました。相性が良いのでオススメです。

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こちらが2回目(44℃)の漬けマグロ丼です。2回目のサクの方が少し厚かったものの、こんなに変わるのか!と驚きました。

味わいとしては鮨店の漬けを温かくした感じです。中心部まで熱が通っているので、肉で言うところのレア。マグロの赤身特有の鉄っぽさが穏やかになり、旨味が活性化しています。生とは異なる魅力があり、生よりも量を食べられてしまう味わいだと感じます。

さて、結論です。が、2つの味の比較としては、好みによると感じました。「どちらの温度が美味しいでしょうか?」とあおっておきながら卑怯かもしれませんが(笑)、生感をどこまで重視するかで設定温度は変わってきます

今回実験してマグロの低温調理の奥深さを感じたので、今後も折を見て試してみたいと思います。低温調理の素材として非常に魅力的な食材です。不定期更新の「その2」をお楽しみに〜!

ちなみに、使用した「燻製醤油」はこちらのものです。

低温調理に関心のある方は、【低温調理器についてのブログ記事】をご参照ください。

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