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【weekly post】2022年9月ヘルスケア領域Pre-Seed~SeriesA資金調達in米国

いつもWeekly Postを読んでくださりありがとうございます!
いよいよ50回目目前ということで、三日坊主どころの騒ぎではない僕がよくここまで続けてやってきたなぁと驚いております(笑)(今年の上半期は、更新頻度がかなり落ちましたが….)

投資先の皆さんや投資先ではないスタートアップの皆さん、LPさん含む事業会社の方などなど、いろいろな方から「note見てるよ」って言っていただけて嬉恥ずかしといった感じですが、それがあるからこそ頑張れているなとあらためて思います。

一番初めは、エイチームのcymaという自転車ECの事業が事業会社の中の新規事業とはいえかなり速いスピードで伸びてるよという話を書きました。

多くの方に読んでいただき、調子に乗っていろいろ書いてみようと思ったのが、このマガジンの始まりです。

そこから、できるだけ定期更新するために、ルーティーンを作るべく領域を設定し今に至ります。

初めは、なにか役に立つかもしれないことをピックアップしてまとめるといった、誰かに読んでいただくことを目的に書いていて、今もそれは変わりません。
が、定期的に各領域の海外トレンドを覗いていく中で、自分自身のインプットのきっかけになり、それが起業家の方とのディスカッションの際に役に立ったこともありまして、「追いかけていてよかった。」と思わされたりしています。

これからも、無理のない範囲で続けていければと思っておりますので引き続きよろしくお願いします。

という、「50回のnoteで書けよ」な余談はさておき、今回は、ヘルスケアを見ていきます。

10月3日:建設不動産 US
10月11日:教育 US
10月17日:ヘルスケアUS(今回)
10月24日:建設不動産 EU

今月は、上記のようなスケジュールで進んでおりまして、次回はEUの建設を予定しております。

実はWeeklyという意味では、10月31日も本来更新日でないといけないはずなんですが、10月最終日ということで10月の分を書き始められないのでひとまずWeeklyはお休み予定です。

もしかするとなんですが、実は21-23日が出張でバタついており、24日の分を書き上げられない可能性があるので、その場合は24日をお休みにして31日にEU建設不動産をアップする感じにするかもしれません。

その際は、twitterにてお知らせさせていただきます。

前段が長くなりすぎたので、本編に入ります。

9月のサマリー

■対象企業
所在地:アメリカ
対象領域:ヘルスケア領域
企業ステージ:シリーズA
ファイナンス時期:2022年9月1日~9月30日まで

調達企業数推移

先月、下半期最高の調達企業数を記録したのですが、今月は更新とはならずMoMで減少という結果になり、30件近い調達数を記録していた上半期も含めた平均には届かずという結果になりました。

ちなみに、初見の方もいらっしゃると思いますので少し補足をしておくと、ヘルスケア領域のweeklyでは新規創薬開発を行う企業は対象外にしてまして、ぎりぎり、自社では作らないが創薬企業を支援するような企業は対象とする扱いにしております。

なので、創薬企業を含めるともっと数は増えます。

領域別分布

領域分布を見てみると今月はフィジカル面での健康管理/改善系サービスが中心になっていて、病院の事務効率化や医療従事者の方の業務効率化などSaaS系が出てきやすい部分が少し少ないかなと思います。

今回は、健康管理/改善系から2社、簡易検査系から1社で3社ご紹介しようと思います。

①【Soda Health】高齢者等向けヘルスケア関連特典提供

設立:2021年
今回調達金額:$25M
調達総額:$31M
投資家:Lightspeed Venture Partners、Define Ventures、Qiming Venture Partners
サービス内容等:
アメリカには65歳以上の高齢者と65歳未満の障がい者向けにメディケアという公的保険プログラムが提供されています。

メディケアには通院に関する保険を筆頭に任意加入のもの含め4つのパートで構成されています。(メディケアについてはこちらを参照:大和総研レポート

中でも、メディケアアドバンテージ(パートC)と呼ばれるものでは基礎的な病院保険(パートA)と医療保険(パートB)がバンドルされ、処方薬給付(パートD)がついたものをより低い自己負担で受けれるようなのですが、請求システム上非常にわかりにくいシステムになっており、給付が受けにくいようになっているようです。

そこで、このサービスでは、メディケアアドバンテージ利用者に提供される特典を健康ニーズに合わせパーソナライズし特典を利用できる小売店とつなぐことで、特典をしっかりと受け取れる仕組みを構築します。

②【Rootine】DNAと血液検査によるパーソナライズビタミン

設立:2018年
今回調達金額:$10M
調達総額:$13.1M
リード投資家:Relevance Ventures
サービス内容等:
昔、ダイドードリンコが生体センサーを活用してパーソナライズサプリを提供するサーバーを開発している企業に出資をしていたのを思い出し、取り上げてみました。

この会社は、DNAテストや血液テストを行うことで栄養素の投与量をミリグラム、マイクログラム単位で調整し提供するサービスです。

アスリートをコアターゲットに据えているっぽく、サプリの提供だけでなく、アプリを活用して健康状態の観察を行い処方を調整します。

価格は$69/mで提供されており、3ヶ月使うことが推奨されています。

③【Inherent Biosciences】独自技術を用いた男性向け不妊検査と治療計画の提供

設立:2019年
今回調達金額:不明
調達総額:$256K(ほとんどのラウンドが調達金額不明のため正確な数字ではない)
リード投資家:Prople Bio Partners
サービス内容等:
不妊治療の領域だと、女性向けを中心としたものが多く、時々女性を中心に男性用も提供してますといったところを見たりするのですが、このサービスは男性の不妊検査にフォーカスしています。

他社技術をベースにキット提供のみという感じではなく、精子の遺伝子の働きを制御する仕組みを研究することで独自のプラットフォームを築き、それを生かすことでより質の高い検査を提供しています。

また検査するだけでなく、そのカップルに合った効果的な治療計画の提供も併せて行っています。

編集後記

今回は3社ご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

1つ目は仕組み的に負があり利用者たちが利用すべき便益を享受できていないところに対して仕組みを提供することで、利用できるようにしようというもの

2つ目は、少し前まで日本でも多くあったように感じていますが、いわゆるパーソナライズサプリメント

3つ目は、一般的な女性ターゲットのものではない男性ターゲットの不妊治療検査

個人的には2つ目と3つ目が、少し考えることがあるなぁと思いました。

Rootineについては、海外だとまだ時々出てきている感じがするのですが、日本では「パーソナライズ×栄養・健康食品系」ってずいぶん減ったような気がしています。

これがなんでなんだろうかというのを、ゆるりと考えてみると、「①習慣化させることの難しさ」「②体感できるほどパーソナライズによる改善インパクトが出ない」「③使い続ける中で効果に慣れてしまう」「④提供する商材がコモディティであるほどマーケ勝負になる」というあたりがあり得るのかなと思っています。

しかも、中には、ヘルスケアサービスに限らないようなものもありますし、1つひとつがなかなか難しいお題で乗り越えるためにいくつも仕組みが必要なんだろうなと思わされます。

個別に切り取ってうまくいってる会社の事例とか引っ張ってきて研究するの結構面白そうだなと思いました。

Inherent Biosciencesは、技術の社会実装の仕方について気になりました。

技術はあるのであくまでも裏方として、どこかに技術提供を行いながら、自社では最終製品まで関与しないという方法もあれば、この会社のように、あえて最終製品までやりきるという手段もあるよねという中で、どういったケースはどちらの方が良さそうなのかというのは考えてみても面白いかもと思いました。

それは、あくまでも技術がどうであれば、創薬なのか検査薬なのかという詳細な話だけでなく、もう少し大きな視点で見て、資金調達環境がどうあるのかなども含めてみたときに、事業を継続しながらも高い成長を実現するにはどうするのが良さそうなのかという視点で見るとよいのかなと思ったりします。

どんなスタートアップもそれぞれ難しいハードルがたくさんありますが、研究開発系はまた特有のものがあると思っていてその辺はこの企業も含め既存事例から学べるところは多そうだなと思っています。

さて、今回はヘルスケアをお届けしました。
次回はお休みになるかEUの建設不動産になるかまだ分かりませんが、またTwitterでお知らせできればと思います。

いつも長文読んでいただきありがとうございます!

よろしければ「スキ」や「フォロー」などしていただけると嬉しいです!

それではまた!

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