【weekly post】2022年9月建設・不動産領域Pre-Seed~SeriesA資金調達in米国
私事ですが引っ越しをしまして、新居で書く1本目のweekly postとなります。
今回の引っ越しは、1LDK→1Kへの引っ越しでして、生活コスト削減を主目的に引っ越しました。(スタートアップに限らず、個人の生活もコストが低いに越したことはないという理由で、たまにご心配いただくんですが、仕事辞めたとか給与が減ったとかそういう下げなければいけない理由ができてわけではないです!)
専有面積そのものは前回から大幅に減ったわけではないのですが今のスペースは大きく減りまして、狭くなったなと感じる一方で、ちょっと特殊な間取りであったこともあって仕事スペースが個室っぽい感じになりまして、むしろ集中しやすかったり窓際に寄せれたこともあり、朝から昼にかけては自然光で仕事ができるのでなんかいいかんじです。(前回の家も日中電気不要だったんですが、窓から遠かったので)回線工事がまだなのでネットが絶望的に遅いということ以外は(笑)
大学が地方大学だったこともあり、大学以降引っ越しをそこそこやってるのですが、今回は、当面引っ越さずに長く暮らそうかなと思っております。
さて、余談はおいておいて、9月モノスタートということで今回は、いつも通り建設不動産のUSを見ていきます。
サムネでも出した通りで、調達件数は過去最低を更新。
昨年の下半期もまぁまぁ数は少なかったんですが、昨年下半期まで範囲に入れても過去最低の水準でちょっと心配です。
一方で調達金額は、例月並みに戻ってきたので、そこは一安心というところでしょうか。後ほど触れていきたいと思います。
今月のスケジュールについてはこんな形でやっていこうと思います。
10月3日:建設不動産 US
10月11日:教育 US
10月17日:ヘルスケアUS
10月24日:建設不動産 EU
で、10月31日については、本来1週間経っているのでもう一本というところなのですが、4本一巡しているので、休刊or何か気が向くものがあればweeklyではなく、普通のnoteとして書こうかなと思っております。
それでは、本編に入ってまいります。
9月のサマリー
■対象企業
所在地:アメリカ
対象領域:建設不動産領域
企業ステージ:プレシード~シリーズA
ファイナンス時期:2022年9月1日~9月30日まで
冒頭でもちらっと触れた通りなのですが、調達件数は徐々に減少してまして、昨年の下半期まで含めた1年間で見ても最低の件数となりました。
件数が減少している中でなので、あまり分布を見てもというかんじはしているのですが、いつもだと、Seedが圧倒的に多いのですが、今月に関しては、全ステージ満遍なく出てきているような状態です。
件数も減ってきている中で、調達金額も下がってくるといよいよ心配な感じになるんですが、SeriesAがぐっと下がった昨月と比較すると回復。
通してみてみても、例月並みの水準になっており、今のところそこまで騒ぎ立てる必要はなさそうな感じかなと思ってます。
領域の分布ですが、いつもと少し異なるところでいうと、わかりやすいのは建材系のSUが2社出てきているところかと思います。
欧州だと定期的に出てくる感じがしてるんですが、この建材系は2社とも脱炭素のコンクリート系になります。
アプローチはそれぞれ異なっていて、1社は産業廃棄物等を使うものもう1社は、コンクリートに用いる石灰を作るところに強みを持ち製造工程で脱炭素を実現するものでした。(取り上げてないので、簡単な説明のみですみません。)
もう一つ珍しいところでいうと、金融/保険領域でいつもだと金融(融資など資金繰り系)が多い印象なのですが、今月の1件は保険の領域でした。(こちらは後ほどご紹介します。)
①【CoverTree】マニュファクチャリングホーム向け住宅保険(Seed)
設立:2020年
今回調達金額:$10M
調達総額:$10M
リード投資家:Distributed Ventures、AV8 Ventures
サービス内容等:
マニュファクチャリングホームとは、工場で製造され現場で組み立てられる住宅のことを指していて、プレハブ住宅やモジュール型建築などのようなものを示しています。
従来の住宅同様にこれらも保険加入が必要にないrますが、マニュファクチャリングホームの場合その専用の保険に入る必要があるようです。
その保険が通常のものと比べコストがかかるようで、このサービスでは、マニュファクチャリングホームにフォーカス、過去の損害データを学習して、データセットを構築することで、引受の自動化を実現し手ごろな価格を実現しているとのことでした。
また、他社が保険商品の開発から10年以上更新をしていないのに対して、このサービスでは更新にも対応できるようにつくられているようで、商品拡充も迅速に行えることが強みになっているようです。
ファイナンスに関する記事の中では、今後、田舎やアウトドア等のライフスタイルに向けたデジタル保険の提供を目指していることが示されていました。
②【DoorLoop】toB,C向け賃貸物件管理効率化(SeriesA)
設立:2019年
今回調達金額:$20M
調達総額:$30M
リード投資家:ASG
サービス内容等:
居住用、商業用、学生寮、セルフストレージ、モバイルホームなど幅広い物件を対象とした物件管理効率化SaaSです。
機能としては「テナントCRM・家賃回収・契約など」「オーナー向けのドキュメント管理、財務状況レポート」「会計士でなくても使える財務諸表作成とレポート、小切手以外での決済」「物件マーケティング」「各種手続きの進捗管理」が主なものです。
賃貸契約の更新や未回収家賃の回収などにより、利益を35%程度改善し、管理業務にかかる時間を20時間以上削減するとしています。
2021年にサービスを開始しすでに世界1,700の都市で利用されているようで、爆速成長っぷりがうかがえます。
③【Sway Home】健康に害のない家具やペンキなどのセレクトショップEC(Pre Seed)
設立:2022年
今回調達金額:$5M
調達総額:$120K
リード投資家:Techstars Austin Accelerator
サービス内容等:
寝具、テーブル、ソファなどの幅広い家具やタオル、ベビー用家具、床にひくラグ、ペンキなど室内で利用し、長い時間をともにする製品を中心に健康への影響が少ない商品を販売するECサービスになります。
独自ブランドの展開というわけではなさそうで、複数のブランドの商品が展開されており、カテゴリーごとに独自の検査基準を設定し、クリアしたもののみ販売をしているようです。
例えば、木製家具の場合、「揮発性有機化合物がゼロ or ほぼ使われていないものか」「無垢の木製フレーム or ホルムアルデヒドが添加されていない」などの基準があり、これが、布張家具、マットレス、テキスタイル、ペンキなどそれぞれのカテゴリーで存在しています。
編集後記
保険、SaaS、ECと3つ見ていきました。
保険とECについては、なるほどなぁ。そういう視点とか課題感があるのか。いわれてみれば確かにそうかもなと思わされたものでSaaSについては、やっぱり大きく伸びるものって、ターゲットのワークフローの課題感の重たい1部分だけを切り出すというよりかは、大きな仕事のフロー全体を一気にできるものなのかなぁと考えさせられるものでした。
保険については、大きなトレンドとして、職人の人手不足という流れがあります。(みなさんご存じの通りですが)
人手不足解決策の1つとして工場製造現場組み立てという方法が登場。
作り方がこれまでと異なる関係でデータがなかったり、今までとは違う損害が発生したりするなどして、仮に、安く早く家を購入できても維持管理にお金がかかるという課題が出てきたということなんだと思います。
既存の保険会社も新しい対象になるのでデータがない、しかも彼らは保険商品のアプデを長いことしないという点をうまくついたということなんだろうと思います。
新しい機会の登場と既存プレイヤーにもその機会に対するコア部分での強みはなく、さらに既存プレイヤーは長きにわたって商品アプデをしていないということで勝算があると考えたのかなぁと想像すると、同じような機会あ他にもありそうだなと思いました。
ECについては、一定ニーズが強そうな感じはしている一方で、今後どのようにユーザーの裾野を伸ばしていくのかすごく気になったサービスでした。
これがある程度形になってくると独自基準で環境配慮製品のみを扱うECとかそういった細分化したECが出てきたりもするのかなと思いました。(ただ、ECってシッピングとか考えると薄利多売なイメージもあるので、細分化しすぎることが本当に良いのかは正直謎だなとも思ってます。そのうち、PB商品などで利益率を高めて行ったりするんでしょうかね。)
最後にSaaSについてですが、
ターゲットのワークフローの課題感の重たい1部分だけを切り出すというよりかは、大きな仕事のフロー全体を一気にできるものなのかなぁと考えさせられるものでした。
上記をもう少し詳しく書くと、不動産オーナーさんの一番大きなワークフローは、イメージ的に下記のような形なのかなと思っております。
(1)用地取得>(2)建設>(3)貸出・管理>(4)売却
で、このうち今回のSaaSが対象としている「貸出・管理」にも
①物件マーケティング>②契約>③家賃回収・メンテナンス>④退去時回復
例えば上記のようなフローがあるんだろうと思っていて、このなかの①だけとか③だけみたいな感じではなく、大きなフローの(3)丸ごとみたいな形にならないと、ユーザーにとっては結局1つのサービスでは解決したいことを解決しきれず、使い勝手いいんだけど、足りないサービスということになってしまうんだろうなと。
これまで、SaaSとかがあまりなく、そもそも、エクセルと紙と、あれとこれとみたいな形で大アナログ時代の直後であれば、小さいフローの1つだけでも良かったのかもしれないなと思います。
一方、SaaSが複数出てくる中で、様々組み合わせないと効率化を完全に仕切れないものはむしろ面倒を増やすと思われてしまって入りにくいといったようなお客さんの目が肥えたからこそ、より多くを求められうようになっているのが今なのかなぁと思ったりしました。(なんか、近しいことを過去のnoteにも書いたような。)
そうなってくると、サービスを立ち上げる時の立ち上げ方やファイナンスの考え方も、少しこれまでとは変わってきそうだなぁと思ったりしました。(正直、全部がそうだとは思わないので、結局はターゲットや内容によるんだろうなと思うんですが。)
今月は、これにて以上になります。
直近のnoteの中では少し長めになってしまいましたがここまで読んでいただきありがとうございました!
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それではまた来週!
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