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Paddle Sports Mag

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2024年5月の記事一覧

レースからフィットネスへ

レースからフィットネスへ

レーシングに求められる境地

カヤック・レーシングは、揺れ動く水面で、細い不安定な舟に、長座位という現代生活ではあまり縁のない姿勢で座り、最大限の推進力を生み出すスポーツです。自分の身体を完璧に制御し、掴みどころのない水に働きかける。あたかも老荘の思想で語られる無の境地、あるいは禅ようなもの。

心技体

レーシング仕様のサーフスキーは、心技体のバランスを極め尽くしたエリート・パドラーが、身体の一

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Molokai Crossing | モロカイ海峡横断レース

Molokai Crossing | モロカイ海峡横断レース

契機となったハワイの外洋レース

90年代、サーフスキーはライフセービング競技の一種目から、幅広い層が楽しむパドルスポーツに発展しました。ハワイで開催される外洋レース、Molokai Crossingがその契機。爆風が創り出す巨大なウネリを乗り継いで、数十kmの海峡を短時間で渡り抜く。そのエキサイティングさに、オリンピック代表レベルのカヤックパドラーがこぞって挑戦するようになりました。

Greg

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日本のサーフスキーの近代史

日本のサーフスキーの近代史

近代サーフカルチャーの誕生

海辺の街、そして歴史の街、鎌倉。ここでは古くから漁ろうや海上交易が盛んで、海岸沿いには今でも古い漁師の系譜を持つ家柄がいくつも暮らしています。

戦後、近くの横須賀港に駐留し始めた軍人の中には、ハワイやカリフォルニアの出身者も多くいました。サーフボードを持ち込んだ彼らは、波乗りが楽しめる鎌倉のビーチブレイクを発見し、頻繁に訪れる様になります。

波乗りの伝統、海あそび

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水上スポーツツーリズムで日本をより豊かに 〜ツール・ド・ウォーター・ジャパン〜

水上スポーツツーリズムで日本をより豊かに 〜ツール・ド・ウォーター・ジャパン〜

皆さんこんにちは。「海の箱根駅伝」を掲げて全日本学生SUP連盟を運営している大森正也です。

本日の記事では、私たちが思い描く日本社会への貢献ビジョンを共有いたします!

ツール・ド・ウォーター・ジャパン私たちの目標は、世界中の人々を魅了する壮大なスポーツイベントを日本から創り上げることです。それが「ツール・ド・ウォーター・ジャパン」プロジェクトです!

フランスの自転車ロードレース「ツール・ド・

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サーフスキーの起源と歴史

サーフスキーの起源と歴史

ポリネシアの伝統 サーフィン

名前にサーフ(Surf)という言葉が付くことから分かる通り、サーフスキーは、ポリネシアのサーフィンに起源があります。元々、太平洋の島々ではアウトリガーカヌーが広く用いられていました。波を超えて沖合に出て、波に乗って戻ってくる。

自然が創り出す波のパワーを活かし、身体一つやシンプルな板で水面をプレーニングするサーフィン。17世紀にクック船長の率いるイングランドの船団

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「パドルを握れ!」季節ごとのカヌーマーケティング戦略

カヌーという冒険への誘い
水面を滑る一艘のカヌー。その静かな動きには、自然との対話があります。カヌービジネスは、そんな魅力的な体験を提供する産業です。しかし、このビジネスは単なるレジャー産業ではありません。季節の変わり目ごとに、市場は大きく変動し、ビジネスオーナーには緻密な戦略が求められます。この記事では、カヌービジネスの季節戦略と市場動向を完全ガイドとして、その秘訣を解き明かします。読者の皆様が

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