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【小説】知り合いが誘拐犯(945文字)

 知り合いの女の人の家に行った。

「お邪魔しまーす! ってなになに可愛い!!!!」
「え、あっうん。可愛いよね」

 全員で7人姉妹で可愛い妹たちがぴょこぴょこ出てきた。

「あれれ? 姉妹なんていたっけ? そんなこと一歳聞いたことなかったけど」
「あーうん。言ってなかったね。実はいたんだよ」
「なんだよなんだよー! こんな可愛い姉妹がいるんだったらもっと早く言ってくれれば良かったのにー! そしたら毎日でも遊びに来てたのにー!」
「来ないで!!!!」
「えっ」

 めちゃくちゃ強い口調で言われた。

「いや、そこまで言わんでも…。冗談だってのー!」
「あっ冗談かー。良かったー!」

 何かがおかしい。絶対に重要なことを隠している。

「いやー、それにしても姉妹なのにみんな似てないんだねー」
「えー、えっと。そうなんだ、あんまり似てないんだよねー!」

 えっなんだ今の反応。明らかにおかしい。めちゃくちゃ動揺してるじゃん。自分の脳に電流が走る。ここで気になったことをズバッと言ってみることにした。

「もしかして、姉妹じゃない…とか?」
「え!? え!? え!? そんなわけないじゃんね! 何を言ってるのかわからなーい!」

 もう姉妹じゃないのは確定じゃん! じゃあこの女の子達は一体なんなんだ!?

「あー、うん。そっか。ところで妹のみんな。このお姉ちゃんは本当のお姉ちゃん?」
「うん違う!」
「いやいやいや! 違わないから!」

 曇りなき眼で違うと言い放ったのであった。

「えーっと、これはどういうこと? 説明していただいてもよろしいですか?」
「あっ、うん。みんな可愛いから拾ってきた」 
「お前、誘拐犯じゃないか!」 
「違います、保護です」 

 すっごい汗だらだらかいていた。やっぱり誘拐だ。こういう時は警察に通報するべきだろうか?

「お姉ちゃん一緒に遊ぼう」
「分かったー!」
「ウフフフ! アハハハ!」

 自分は少し離れたところから見ていた。妹たち?はみんな笑顔だからこのままでも良いのかな?知らんけど。

その後、、、
「えー、少女が連続して行方不明になった事件ですが、誘拐犯がとうとう捕まりました。この女性は可愛いから連れて帰ったと供述しています。」

 テレビのニュースから流れてきた。

「えーーー!!!! あいつ捕まってるじゃん!!!!」

~おわり~

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