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未来の世界では人体改造が流行っていた 【小説】

 未来の世界では人体改造が流行っていた。みんな当たり前のように人体改造をしている。

 まるで耳にピアスの穴を開けるかのようにみんな簡単に人体改造をしているのだった。

「なあ、たけし見てみろよ!」

「なんだよ」

「じゃーん! 俺、実は腕が4本になったんだ! すごいだろう? 」

「は?」

「最初はなかなか腕4本の生活が慣れなかったけど、慣れてからは生活が結構楽になったぜ!」

「まったく、頭が追いつかないよ」

「何言ってんだよたけし。そんなチンピラの腕くらいで驚いてんじゃねーよ!」

「なんだとてめー! 俺の腕をけなすんじゃねーよ!」

「俺なんておでこに目を付けてきたぜ! これでさらに視野が広くなって色んなものが見やすくなったなーって感じだ! 今度は手のひらにも目をつけようかななんて考えているんだよ」

「みんなどんだけ人体改造してんだよ…」

「おいたけし、人体改造をしてないのお前くらいだぞ。今時みんな当たり前のように人体改造くらいするって」

 そうなのだ、今時は普通の人間の方が少ないのだ。これが未来の人間たちだ。

「あのな、人体改造したほうが身体能力とかが向上するんだからな! 分かったか、たけし!」

 今の時代はものすごい科学力が進んで色々と人体改造ができるようになってしまっている。

 だからみんなどんどん自分の体にパーツを拡張していっているようだ。


「ようたけし!」

「おう、たけひこ」

 こいつはたけひこと言って、俺と同じで人体改造をしていない人間なのだ。


「実はな、たけし…。俺、人体改造しちまったわ…。裏切ってすまん!」

「おい嘘だろたけひこ! どこを人体改造したんだよ! ぱっと見だと分からねぇぞ!」

「そりゃお前、普通の状態じゃ見えないところを人体改造したんだよ」

「ん?」

 そして、衝撃の事実を明かされるのだった。

「俺、オチ◯チ◯が2つになったんだよ」

「は?」

「だから、オチ◯チ◯が2つになったんだよ!」

「たけひこ、それはさすがにやりすぎだろう…」

 また違う誰かがやってきた。

「俺は鼻を2つにしちゃった! これで色んな匂いを嗅ぎやすくなったなあ!」

「あっそ」

「反応うっす!」

「オレはケツの穴が二つに増えたんだぜ! これで出るものが出やすくなったぜ!」

「いやそれはあってもなくてもどうでもいいだろう…」

「そんなことはねえよ! キレるぞたけし!」

「みんな訳の分からない人体改造をしているな…。そんなに人体改造をしたいものなのだろうか…」

 すると、また誰かがやってきた。


「おいおい、次は誰なんだよ」

「じゃじゃーん、俺は足を4つにしてケンタウルスだぜ! これで移動が少しは楽になったかもしれねえな!」

「お前らは人体改造しすぎだって! やっぱりノーマルの俺みたいなのが一番なんだって!」

「いやいやいやいや! それはない!」

 人体改造しているみんなに一斉に否定されるのであった。

「たけし、今時は人体改造してないやつが異端なんだよ。つまりお前は異端だ」

「俺はただ生まれてきたままの身体に感謝しているだけさ。俺はこの生まれたままの身体があればそれでいいんだ」

「まあお前の人生だからな、それは好きにしろよ」

「でもよ、なるべくなら人体改造はした方がいいぜ!」

 余計なお世話なのだ。

「俺の親父なんてな、おでこから角が生えてるんだぞ!」

「お前の親父さんは人体改造で鬼になったみたいだな」

「そうかもな。あの角で刺されたら多分痛いんだろうなぁ…。しかもあの角、ドリルみたいに回転するだぜ! まじヤバくない?」

「いやいやその機能はいらねえだろう!」

 これが未来の科学力だ。あなたは人体改造できる未来が来たら人体改造をしますか?

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