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大全集無視の戦闘力考察⑮~人造人間17・18号、初期セル戦~【ドラゴンボール考察】

*題画出典:ドラゴンボール完全版25巻

前回の記事

前提

  • ドラゴンボール大全集やその他設定資料、アニメ版、劇場版、ゲーム作品、超などの続編作品、鳥山先生の談話等は無視し、原作漫画版の描写のみを正とする。(ただし、作中に判断材料が無い場合は参考に用いる)

基準

  • 全く手も足も出ず瞬殺される場合は1.8倍以上の差があるものとする。

  • ある程度戦えてはいるが勝ち目が薄いと思われる場合は1.4倍前後の差があるものとする。


未来より強い現代の人造人間

まず現代の考察の前に未来の17号、18号についての描写を確認してみたい。
トランクスは以下のように言及していた。

・・・・・・・・・・・
あいつら・・・ま・・・またオレの知っている人造人間とはす・・・少し違ってるんです・・・・・・・・・
あ・・・あれほどとんでもない強さじゃなかった・・・・・
オ・・・オレでもそこそこは戦えるぐらいの・・・・・・・

出典:ドラゴンボール完全版24巻

これによると、現代の17号、18号は未来の彼らよりかなり強いのだと思われる。

前々回考察でトランクスの戦闘力は800万と想定しているが、800万がそこそこ戦える範囲とすると瞬殺基準の1.8倍には及ばない1.4倍~1.6倍くらいだろうか。数値にすると1100万~1300万くらいになる。

つまり、現代の17号、18号は1100万~1300万よりある程度の幅を伴った高い値になることが大前提となる。それを踏まえながら進めていこう。

人造人間18号の戦闘力

さて、まずは18号について。ベジータは人造人間たちに戦いを仕掛け、18号と1対1で戦う。当初はお互いに「てんで本気じゃない」状態だったがその後は本気で戦うこととなる。

本気の戦いでベジータはやや劣勢だがしっかり反撃はできており、完全に負けていたわけではない。

出典:ドラゴンボール完全版24巻

しかしスタミナの尽きない18号に対してベジータの劣勢は強まっていき、左腕を粉砕されたことが決定打となって完敗する。

出典:ドラゴンボール完全版24巻

トランクスはこの戦いについて互角と言及していた。

す・・・すごい・・・!!
父さんがここまで強いなんて気がつかなかった・・・!!
あ・・・あのとんでもない人造人間と互角に戦うことができるなんて・・・!!

出典:ドラゴンボール完全版24巻

確かに互角に見える時間帯はあったのだが、その時も18号はダメージを受ける様子が全く無く、互角というよりはだいぶ余裕があるような印象もある。(ちなみに後のセル戦の描写を見る限り、17号と18号は痛みを感じないわけでは無さそうだ)

出典:ドラゴンボール完全版24巻

実際、悟空の強さを問われた際の「今は(カカロットより)オレのほうが上だ」という言葉に対し、18号はかなり余裕の反応をしていた。

出典:ドラゴンボール完全版24巻

いくらスタミナに差があるとしても、力は互角の相手を「たいしたことない」とは言わないはずで、そうするとやはり18号のほうがある程度強かったのではないだろうか?

これらの描写より、ここでの結論としては18号の戦闘力はベジータ(1000万)と1.35倍差の1350万と推測したい。18号は本気を出すと言った後もまだ余力を残しており、ベジータの消耗とともに更に力を強めたという想定である。
互角に見えた時間帯もあることからさすがに1.4倍や1.5倍の差はまでは無さそうなのだが、このくらいまでならさほど違和感は無いだろう。
先程の未来の人造人間と比較しても、18号を1100万と推測した場合に+250万の値となるため、矛盾はしない値になる。

ちなみに18号の強さについて17号は以下のように言及していたのだが、

18号ではあの全員をあいてにするのはさすがにムリだろうな・・・・・・・・・

出典:ドラゴンボール完全版24巻

18号はトランクス(800万)、ピッコロ(540万)、ベジータ(1000万)の3人の相手は同時にできないくらいとすると、1350万という数字は肌感にも合いそうだ。(実際はトランクスの一撃を軽くいなしており十分戦えそうだったのだが)

人造人間17号の戦闘力

次は17号である。17号は既に考察済の戦士と比較できるような描写が乏しいため、根拠のある推測が難しい。
はっきりしているのはトランクスを1撃で地面に這いつくばらせた描写だが、

出典:ドラゴンボール完全版24巻

この攻撃は背後からの不意打ちかつ、一定の手加減もありそうな攻撃のため、圧倒的なのは当然としてもどのくらい強いかまでは推測しにくい。

参考になる点としてはいくつかの発言になるだろうか。
17号は自分の力に相当な自信を持っている様子だった。

(16号からピッコロはお前たちに匹敵するほど大きいパワーと言われて)
オレのパワーに匹敵するものなどこの世には存在しないんだ

出典:ドラゴンボール完全版25巻

(ピッコロにパンチに重さが足りないと煽られて)
・・・なんだと・・・・・・?
えらそうなことをいってくれるじゃないか・・・・・・
この史上最強の人造人間17号にむかって・・・・・・

出典:ドラゴンボール完全版25巻

(完全体セルはパーフェクトな超人と聞いて)
究極の戦士ならもう ここにいるだろう・・・

出典:ドラゴンボール完全版25巻

これらの、”自分は(18号も含めた)他者より優れていると確信した発言”からすると、17号はベジータたちはもとより、18号と比較しても明確に強いくらいの力は持っていると考えて良さそうだ。

実際に18号は17号と互角のピッコロに対し、以下のように発言していた。

あいつ・・・・・・ほんとに強いよ
17号と互角だ・・・

出典:ドラゴンボール完全版25巻

ちょっと遠回しだが、”自分より17号のほうが強いことを自然に受け入れている”とも取れるニュアンスであり、やはり17号のほうがある程度以上に強いと見てよいだろう。

では具体的にどのくらい強いのか?
なんとなくの肌感的には、もし18号が17号と戦ったら手も足も出ないかというとそこまでの差では無い気はする。ただ「史上最強」「オレのパワーに匹敵するものは無い」とまで言い切るということは、18号に逆転される可能性は低いくらいの差はあるだろうか。

以上のことより、ここでの結論としては17号は18号と1.3倍弱差の1700万と考えたい。
薄い根拠としては、セルとピッコロのパワーを感じた16号のセリフより、

ただ片方のパワーはおまえたちに匹敵するほど大きいものだ

出典:ドラゴンボール完全版25巻

「おまえたち」と2人まとめていることから、2人の力がそこまでもの凄く離れてはいないだろうという点。
もう一つはピッコロとセルの気を感じたベジータのセリフにより、

ふたつのバカでかい不思議な戦闘力をもったヤツのひとつはかき消えた・・・・・・・・・

出典:ドラゴンボール完全版25巻

ピッコロを明確に下回るセルがベジータに「バカでかい」と言われる描写と矛盾しないようにするには、ピッコロと互角の17号は1700万くらいは無いと計算が合わない、という点になる。
いずれも根拠としては弱いのでかなりの勘含みになってしまうのだが、他に材料も無いためその点はご容赦いただきたい。
なお、未来の人造人間と比較しても、17号を1300万と想定した場合は+400万になるので、こちらも大きな矛盾はないだろう。

神コロ様と初期セルの戦闘力

17号が固まったことで、彼と戦う神と融合ピッコロ、そしてピッコロと戦う初期セルの推測も可能になってくるため、そちらも進めていきたい。

まずはピッコロのほうである。17号と互角であることは確実なのだが一応戦闘描写を見ていこう。
ピッコロは初手から全力で戦い、2発の攻撃で17号をダウンさせる。エネルギー波を躱された後、周囲に気弾を蒔いて集中させる攻撃(通称:魔空包囲弾)を行うが、これはバリヤーで無傷。
そして17号が本気を出すと言及した後はまさに互角の戦いだ。17号のほうがやや手数は多いがピッコロのダメージも浅く、交互に攻撃を繰り出すような状態でほぼ差はないと言えるだろう。

出典:ドラゴンボール完全版25巻

実際に17号も互角であることは認めている。

ふふ・・・・・・
パワーは互角でも・・・・・・・・・
スタミナに差がつきはじめてきたようだな・・・
オレのエネルギーは永久に減らない・・・

出典:ドラゴンボール完全版25巻

描写的にもやはり彼らは互角と考えて問題なさそうなため、神と融合ピッコロは17号と同じ1700万と結論づけたい。

続いてそのピッコロと戦った初期セルについて。こちらも戦闘描写を見ていこう。

ピッコロはいきなり片手エネルギー波を放ち、セルはまともにくらってふっ飛ばされる。セルは突進するピッコロに平手を見舞うがあっけなく躱され、背後からキック、さらにもう一発キックでふっ飛ばされる。

出典:ドラゴンボール完全版25巻

セルの攻撃は一度も当たっておらず、描写的にはスピード、パワーともにかなりの差がある印象だ。

その後、かめはめ波に驚いたピッコロは隙を突かれ、羽交い締めにされて左腕を吸収される。しかしそれでもまだ自分のほうが上と言及していた。

セル・・・・・・きさまに吸い取られた片腕ぶんのエネルギーを計算してもまだオレの方が実力は上・・・・・・
覚悟するんだな

出典:ドラゴンボール完全版25巻

羽交い締めも頭突き一発で脱出できており、やはりかなりの差はあるだろう。

描写的にはピッコロと20号の差と同じくらいの印象なのだが、初手のエネルギー波の直撃を耐えれたことから、20号よりはもう少し戦えているだろうか。
前回、ピッコロと20号の差は1.6倍と想定しているが、それよりわずかに小さい差とすると1.5倍強差でセルの戦闘力は1100万程度となる。

裏付ける要素として、セルはトランクスを見かけた際、以下のように発言していたが、

・・・・・・・・・・・・・・・・ふん・・・・・・
バカなやつだ・・・未来でわたしに殺されてこの時代でも殺されるとはな・・・・・・・・・

出典:ドラゴンボール完全版25巻

1100万なら800万のトランクスは殺せる範囲と思われるため、この発言とは矛盾せず、また、1100万であればベジータよりやや強くなるため、先程挙げたベジータの「バカでかい戦闘力」という表現とも矛盾しない。さらに18号より250万低くなることで、16号の言及した「片方はお前たちに匹敵する(=セルは匹敵しない)」という表現とも合致することになる。
この1100万は全方位で矛盾が無い値と言っても問題はないだろう。

住民吸収セルの戦闘力

退却したセルは大量に一般住民を吸収して力をつけ、再度ピッコロ、17号と戦う。

気を開放したセルを見たピッコロは震え、動くこともできなくなっていた。

出典:ドラゴンボール完全版25巻

クリリン、天津飯、16号はそれぞれセルに対し以下のように言及している。

な・・・な・・・・・・なんてことだ・・・・・・・・・
セ・・・セルの気が信じられないほどアップしている・・・

出典:ドラゴンボール完全版25巻

は・・・はっきりいおう・・・・・・
・・・もうだめだ・・・・・・・・・
こ・・・これではどうしようもない・・・

出典:ドラゴンボール完全版25巻

逃げるのだ17号!!
敵の戦闘力はあまりにも大きすぎる!!

出典:ドラゴンボール完全版25巻

これらのことからすると、セルは絶望的なまでに強くなったと言い切って良いだろう。

実際の戦闘描写でも17号とピッコロを問題にせず、ピッコロの全力の気功波(通称:激烈光弾)ですら全くの無傷。

出典:ドラゴンボール完全版25巻

ピッコロはわずか3発の攻撃で首を折られて瀕死となり、気功波でトドメを刺されることとなった(生きていたが)。

出典:ドラゴンボール完全版25巻

描写としてはやはりかなり絶望的な差に見える。ピッコロには17号との戦いや激烈光弾の消耗もあったはずだが、永久エネルギーを持つ17号も同様に3発で捕らえられていることから、いずれにせよ差は相当に大きいと考えられる。

これらの描写を踏まえ、ここでの結論としてはピッコロとセルは瞬殺基準の1.8倍差と考えて、セルの戦闘力は3000万と推測したい。ここに来ていきなりの大インフレなのだが、どうしてもこのくらいの値にはなってしまう。
天津飯の八方塞がりなセリフからすると、セルはピッコロと17号、18号(と未知の16号、修業前の悟空)が力を合わせてもなお絶望なくらいの気の大きさだったはずで、そうするとやはり3000万で妥当なのかもしれない。

なお、過去の考察と比較すると、天津飯とサイバイマンが2倍、ベジータとキュイ(初手の消耗後)が1.8倍、フリーザ第3形態(全力)とピッコロが2倍という値になっている。
今回はセルと戦う前のピッコロの消耗も考慮して2倍までは達しないと判断したが、1.8倍という差はこれらの戦闘描写と比較しても大きく外れはしない値だろう。

まとめ

人造人間18号 1300万
人造人間17号 1700万
神と融合ピッコロ 1700万
初期セル 1100万
住民吸収セル 3000万

やはりセルの3000万は中々の数字である。筆者自身も書き始める前はここまで高くなるとは思っていなかったのだが、ピッコロ17号まとめて大圧倒を考えると最低でもこのくらいは無いと辻褄が合わないのだ。ここから次回は17号吸収セルに超ベジータ、どんな数字になるのか恐ろしい・・。

余談

  • トランクスは当初、自分の世界の人造人間のことを「19号・20号」と呼んでいた。しかし未来世界の17号は18号を「18号」と呼んでいるのである。名前の呼び方が違うのだ。ということはつまり最初に来たトランクスとその後に来たトランクスは別人、もしくは成長したトランクスが帰った未来は別の未来だったということになる。さらに未来のセルも17号、18号と呼んでいるということは・・・・・いやこれは沼の予感がするのでこの辺りでやめよう。設定が変わったんですよね。そうですよね。

  • セルのかめはめ波はピッコロに「あのころの悟空か・・どおりで今のかめはめ波はたいしたことなかったわけだぜ・・」と言われていた。セルの気はそこそこ高いはずだがそれでも大したことないということは、かめはめ波という技自体が今はもっと洗練されているということなのだろうか?もしかすると3年間の修業でもっと気を効率よく威力に変換する手法、それこそ魔貫光殺砲のノウハウなどを取り入れて強化していたのかもしれない。(だから悟飯は気の劣る状態のかめはめ波でセルに勝てたのかも?)

  • セルは住民を吸収してとんでもなく強くなったのだが、戦闘力5の一般人を吸収して強くなれるのか疑問視されることがある。これはセルは地球の戦士たちと同様に戦闘時に気を爆発させている描写があるため、吸収分はベースの気にプラスされ、それを爆発させて劇的に強くなるということなのだろう。

  • セル編序盤連載当時、筆者は小学生だったのだが、これは本当に怖かった。夜になるとセルが来るんじゃないか、吸収されるんじゃないかと本気で怯えていた記憶がある。筆者は少年時代にコミックスを暗記するほど読んでいて今でもセリフが空で言えるのだが、このセルの巻だけは読み飛ばしていたので言えません。

次回、17号吸収セル戦へ続く・・

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