セガとカプコン・任天堂の違い


この違いは、ハードかソフトかの違いだと思う。

かつてのセガを代表する鈴木裕氏は大型筐体で成果を出したと思われる。
スペースハリアー、ハングオン、アウトランは凄かった。
ゲームセンターに遊園地を持ち込んだかのようだった。
更に言えば、大型筐体以前は突出してはいなかった気がする。

その後コンシューマ、格ゲーブームから業界の方向性の異変に伴い、
セガは本分とは違う方向にシフトせざるを得なかった。
バーチャファイターはストⅡ程のゲーム的な緻密さは無かったが、
技術的な革新性は凄かった、この辺の価値観の温度差。

きっと鈴木裕氏のヴィジョンはなんか大掛かりで且つ大味なんだろう。
細部を詰めないというか、ある一定ラインを超えると現実化出来なくなる。
シェンムーは結局今のメタバースみたいなヴィジョンだったんだろう。
あの時点で何をどうやるつもりだったのか?という話になる。
見切り発車でぶち上げてどうにかしよう、みたいなやり方かもしれない。
これまでの成果を担保にして上手くいけば正義、失敗すれば悪だろう。
出たとこ勝負、割とそんなもんだ。

カプコン、あるいは任天堂などはもっと地に足のついたやり方だ。
あまり無理をせず、限られたリソース内での冒険をする。
着地点までがヴィジョンとしてあらかじめ成り立っていると思われる。
基本路線のベルスクと並行し、もう一ラインは冒険をする。
企画段階で完成品、先の展開のイメージがある。
或いは既存キャラを使いつつ、新しいアイコンを作る、生み出すと。
既定路線をキープしつつ、研究と開発、人材育成をするのだろう。
物理的負担の少ないソフト的なアイディアに比重があると。
こっちの方が明らかにコスパがいい筈だ。

ソフトとハードは割と対極的なベクトルで、両立が難しいのかもしれない。
下手をすればゲームと一括りにするには全く別のジャンルだったのかも。
セガはファミコンや格ゲーという他人の領分で戦わず、
自分の本分だった大型ハード路線を貫いて別方向に力を注いでいれば、
今とは全く違う未来になっていたかもしれない。

ソニックがマリオを猛烈に意識したキャラなのは明らかで、
ならそれが看板になり得るのかという話。
SNKがカプコンを二度と越えられない様に、
相対的なアイディンティティという物は常に幻想だろう。
プロレスのヒールの様に単独では成り立たず、判官びいきの需要だ。
無理をしなくてもセガにはセガの本分が元々あったはずだ。

かち合う様なやり方を望むのは、優秀とは言えない気がする。
自分にとってのセガブランドは他社への対抗心では無い。
任天堂ありきでは成立しない部分となる。

開発部分の流動性は一貫性の無さに繋がるのだろう。
その辺のブランド力はもうどうにもならないのかもしれない。
企業名で何かを期待する時代はもう無いのかもしれない。

自分はナムコ黄金期の様な、イレギュラーが加速する世界を望むだけだ。

おしまい。

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