老いては若きに従うとか共に生きるとか
むかしむかし、父が笑いながら、私のおでこを軽くペシッとした。
「老いては子に従えって言うでしょ~」
な~んて生意気なことを私が言ったから。
そのセリフの前に、何があって、どんな話をしたのかは、すっかり忘れてしまったのだけど、その場面だけを覚えている。
子供の頃は、無口な職人気質に見えた父が怖かったけど、私自身が働くようになったり、子供ができたりと、少しづつ気持ちが近づいたようで、そのおかげか、父娘の関係性が柔らかくなった。だから、そんな生意気が言えたんだと思う。
私の息子は、イクラが好物
その発端は、その昔、息子が3才くらいの頃。父が、仕事中の調理場を覗いた彼の口の中に、スプーンですくったイクラをヒョイと、入れたから。
美味しい、その味、覚えちゃったね。
娘には、そんなことしなかったのにね。
一人前のお寿司の時に、私がしているのは、イクラの軍艦を息子の器に、のせかえること。
親子代々、あまいなぁ
今の私が息子に思っているのは
『この人の声に、話に、耳をすませば、
大丈夫な気がする』
私なんかより、全体最適を考えている。
祖母のこと
弟のこと
私のこと
それに、嫌な感じの報道を見聞きすれば
「今どきは、お金のかからない楽しみが
色々あるのにね」
とか
「なんだか正当化してるよね」
とか
穏やかに語って
もう
親子というより熟年夫婦の域かも知れないと叔母にも笑われた。
ネコに話しかけるときに
「坊や~」
なんて言っちゃって、私のマネをする。
歳を重ねたからって、子に従うというより、共に生きる感じで、お互いに尊重しあうことができるんじゃないかと。
お互いに、変なメンツもないし
正当化もしない
誰かのせいにもしない
「あ~ ごめ~ん」で済んじゃうから。
この距離感を大事にしていれば、たとえ家族が増えて、別々に暮らすようになっても、それぞれで自立しながら大事にできそうな気がする。イヤイヤ、意識して、そうしていこうと思う。
そのためにも、健康でいたいね。
迷惑にならないように貯えも必要ね。
強気で口の悪い母が、最近は
「はい」
とか
「ありがとう」
くらいしか言わなくなった。
老いては子に従ってるのかしら?
きっと、今の家庭内の
穏やかな空気感のおかげ様かな
と思う。
noteのおかげ様です。
ここで、こうやって心の中の独り言を文章にできる事で、気持ちが整理されます。
ありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?